万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

レプリコン型ワクチンがもたらす社会対立・分断

2024年07月01日 11時52分03秒 | 日本政治
 日本国内にあって今秋にも接種開始が予定されているレプリコン型ワクチン。世界に先駆けて政府から正式の承認を受け、遺伝子工学の先端技術が使われているとされながらも、同ワクチンについては、国民の間で不安視する声が広がっています。

 レプリコン型ワクチンには、人工mRNAの自己増殖性という特徴があり、この特徴こそ、同型のワクチンの最大のメリットとされてきました。何故ならば、少量の投与でも、ワクチン効果が長続きするからです。しかしながら、このメリットは、従来型ワクチンの接種事業の際に、政府や製薬会社等が短期間での人工mRNAの消滅をもって安全性を説明していたことを思い起こしますと、むしろ、デメリットと言わざるを得ません(この件については、本ブログ「レプリコン型ワクチンは極めて危険なのでは?(2024)5月30日公開)」をご参照ください)。人工mRNAの長期増殖とは、抗原となる有害なスパイクタンパク質もまた、対内で産生され続けることをも意味するのですから。

 もっとも、接種者本人の体内に限定されているのであれば、それ程までに懸念する必要はなかったのかもしれません。たとえ健康被害が発生したとしても、一先ずは接種を望んだ本人の自己責任の範囲にあります。しかしながら、レプリコン型ワクチンの特徴は、自己増殖性だけではありません。成分が他者にもシェディングするという、重大なるリスクが指摘されているのです。言い換えますと、レプリコン型ワクチンのリスクは、接種者の個人的な問題を越えて、一気に日本全体、さらには、世界全体に拡大するのです。一人でもレプリコン型ワクチンを接種すれば、公共の場等での接触や飛沫などを介してその有害性が不特定多数の人々に広がる可能性があるからです。このリスクは、ウイルスによるパンデミックと同様に、日本国の国境を越えて全人類に及ぶ性質のものなのです(SF映画『猿の惑星・創世記』が彷彿される・・・)。

 それでは、レプリコン型ワクチンの潜在的危険性が国民多数に知られている状況にあって、同ワクチンの接種が開始されますと、どのような事態が引き起こされるのでしょうか。従来型のワクチン接種事業にあっては、日本国内にあって同調圧力が接種の方向に強力に働き、接種率においてトップクラスに躍り出るほどに、大多数の国民が同ワクチンを接種する結果となりました。この過去の成功体験からして、おそらく、政府並びに同ワクチンの製造・販売に関わる企業等は、レプリコン型ワクチンの接種事業に際しても、でき得る限り接種率を高めるべく、同調圧力を利用しようとすることでしょう。mRNAワクチンの先進性とその効果を固く信じている人、政府を信じ切っている人、あるいは、ワクチン接種を周囲の人々に推奨した手前、引くに引けない人々(同調圧力の形成協力者・・・)は、レプリコン型ワクチンの接種の呼びかけにも積極的に応じるものと推測されます。

 しかしながら、その一方で、mRNAワクチンによる健康被害を国民の多くが実感するに至った今日では、同調圧力への安易な追従や呼応は、反省点として指摘されています。従来型ワクチンの非接種者のみならず、同調圧力に屈して不本意にもワクチンを接種した人、本人あるいは家族、知人、同僚などがワクチン被害を受けた人、新たに得たワクチンのマイナス情報により懐疑派に転じた人、政府に騙されたと感じている人などは、たとえ政府が積極的に接種キャンペーンを張ったとしても、易々とは応じないことでしょう。否、断固として拒否するかも知れません。

 そして、レプリコン型ワクチンにあって指摘されている他者へのシェディングの懸念は、両者の関係に、従来型ワクチン接種事業時よりもさらに深い亀裂をもたらす怖れがあります。何故ならば、上述したように、レプリコン型ワクチンの接種は、社会全体への健康被害の拡大という危機をもたらしかねないからです。懐疑派の人々は、接種そのものに危険性を見出しますので、接種をしようとする人々に対して、無責任、かつ、社会に対する危険行為として厳しい視線を向け、反対することでしょう。その一方で、建前であれ、‘大切な他者のため’というスローガンを未だにワクチン接種の根拠としている人々は、懐疑派の人々こそ、無責任で反社会的な人々として非難することでしょう。

 かくしてレプリコン型ワクチンをめぐって日本国の社会が二分されてしまう可能性が高いのですが、どちらが多数派となるかによって、状況は変化するものと予測されます。仮に懐疑派が多数となれば、従来型ワクチンの接種事業に際して生じた‘接種圧力’としての同調圧力は、全く逆の方向に働き、‘非接種圧力’となるかもしれません。また、レプリコン型ワクチンの接種者にあって他者へのシェディングが事実であるならば、接種者から人々が遠のき、事実上、隔離されてしまうことでしょう。さらには、ロックダウンのように、コンサート、イベント、お祭りなど、不特定多数が参加する“集い”や、飲食店は、レプリコン型ワクチンの接種事業の開始とともに、激減もしくは消滅するかもしれないのです(列車に乗ることも危険に感じ、通勤を拒む人々も発生する可能性も)。

 以上に述べてきたように、レプリコン型ワクチンの安全性が十分に確認されていない現状にあっては、同型のワクチン接種は、深刻な社会的対立や分断、さらには経済活動への悪影響をもたらす可能性があります。少なくとも多くの国民がレプリコン型ワクチンに対して言い知れない危険性を感じ取っている以上、こうした事態を未然に防ぐためにも、日本国政府は、早急にレプリコン型ワクチンの承認を取り消す、あるいは、関連企業に対して製造販売の中止を要請すべきではないかと思うのです。

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