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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

自由主義国だけを苦しめるウィキリークス

2011年01月27日 15時47分32秒 | 国際政治
国際関係を健全に?=ウィキリークスを評価―ロ大統領(時事通信) - goo ニュース
 ウィキリークスの暴露には賛否両論があり、知る権利という観点からは評価されるのでしょうし、また、外交の透明性を高めるという効果もあるかもしれません。しかしながら、その一方で、自由主義国だけを苦しめるという問題点もあります。

 ウィキリークスの情報源が、アメリカ政府の内部の人物であるためか、暴露される情報のほとんどは、アメリカ外交に関連するものです。自由主義国では、現場での情報の共有が重視されており、幅広い範囲の職員が、政府の情報にアクセスすることが比較的容易だからです。このため、情報が外部に漏洩しやすいのですが、中国やロシアといった情報統制が厳格な国では、まず、こうした情報の流出はあり得ません。つまり、ウィキリークスの暴露は、否が応でも自由主義国に偏ってしまうのです。

 この結果、アメリカ政府がイメージ悪化に苦慮する一方で、情報統制の厳しい国は、涼しい顔をして高みの見物を決め込むことになりました。ロシアのメドヴェージェフ大統領は、ウィキリークスを評価したそうですが、ロシア外交や中国外交の機密情報が白日のもとに晒されれば、その衝撃はウィキリークスどころではないと思うのです。

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