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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

臆病な国連総長と国連の中立性

2011年01月26日 15時30分45秒 | 国際政治
中国批判「世界全体が臆病に」=「国連総長は特に消極的」―人権団体報告書(時事通信) - goo ニュース
 国際社会では、パワー・バランスを考慮して、国連総長を先進国から選出することを、意図的に避けてきました。しかしながら、この選出方法にも、重大な問題があると思うのです。

 先進国からの総長選出を嫌う理由は、国連の政治的な中立性を損なう恐れがあるからです。仮に、総長の出身国が大国であるとしますと、出身国の意向が国連の運営にも反映され、特定の国の”代理機関”となるかもしれません。そこで、敢えて中小国から総長を選ぶという慣行が成立したのです(もっとも、この点に関しても、藩総長は、出身国の韓国への利益誘導が非難されている・・・)。現総長の藩総長の選出に際しても、その選出理由は、”温厚で国際感覚に優れている”、というものであったと記憶しています。反面、この長所は、”従順な日和見主義”という短所ともなり、特に、人権弾圧が続く中国に対する低姿勢として表面化しています。

 国連は、その憲章にも人権の尊重を謳っているのですから、総長が、臆病では、国連本来の仕事ができなくなります。今後の国連総長の選出には、この点を充分考慮して、中小国に拘ることなく、適任者を選ぶべきなのではないでしょうか。

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コメント (2)
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