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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

移民問題には精緻な議論を

2009年08月03日 15時28分50秒 | 国際政治
「ビザでお困りですか」ネットに広告 偽造斡旋業者が暗躍(産経新聞) - goo ニュース
 移民問題が語られる時は、紛争地から避難民、職を求める経済移民、および、不法滞在の移民といった各種の移民が混合されがちです。しかも、今日では、人の移動の自由化は良いことである、とする主張が幅を利かせており(これを実行すると、実際には、世界はカオスに・・・)、移民がもたらす問題点については、なかなか表に上がってきません。

 しかしながら、人類の歴史を観察しますと、内戦を含めた戦争や紛争の大半が、人の移動が原因であったことが分かります。理想主義者にとっては、誰もが自分のゆきたい場所に自由に行くことができる状態が望ましいのでしょうが、その行為が引き起こす深刻な問題については、意図的にか触れようとしないのです。つまり、移民を推奨する人々は、将来に対して無責任なのです。旧ユーゴスラビアでの紛争のみならず、最近ではチベットや東トルキスタンで露見したように、民族間の対立は悲惨な結末をもたらします。政府の思惑が絡みますと、”民族抹殺”や”国家乗っ取り”にまで及ぶことさえあるのです。

 国際社会は、移民についてより精緻で正直な議論をすべきであり、移民の目的に加えて、受け入れ国についても分類すべきと思うのです。建国以来、多数の移民を受け入れてきた国と一定の民族の纏まりを基礎としてる国家とでは、移民のもたらす影響も違ってきます。また、移民が安易に国籍を取得できる状況を考えますと、帰化についても再検討が必要なように思うのです(国籍を取得した”国民”が自国を破壊するという事態も・・・)。国家の多様性を踏まえた対応を行いませんと、どの国でも、将来に紛争の種を蒔くことになるのではないでしょうか。

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コメント (6)
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