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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

知的財産権の保障は現代のたまもの

2007年11月24日 17時10分59秒 | 国際経済
白水徳彦の「世界自動車事情」 モノまね中国自動車産業が脱皮へ躍起 新開発手法で開発時間を数分の1に(日経ビジネスオンライン) - goo ニュース

 知的財産権の保障の歴史は、西欧でもそう古いものではありません(近世の国王の特許状?)。しかも、市場経済に不可欠な法制度と見なされ、世界各地で定着してくるのは、市場経済が急速に発展した第二次世界大戦後であるとも言えます。

 統制経済から市場経済への転換を図った中国では、どうやら、現代の経済システムにおけるこの制度の重要性が、充分には理解されていないようです。モノまねに対する開き直った中国の弁明(火薬は中国の発明なのに西欧はまねをした・・・)は、この制度が、この制度が現代という時代の要請に応える形で発展してきた、という認識が欠けていることを現しています。しかしながら、時空を無視した言い訳をしても、それが現代に通用するはずもありません。例えば、戦争法のなかった時代を持ち出して、戦時における残虐行為を正当化しようとしても無理なことと同じです。

 まず第一に中国が行うべきことは、市場経済において、何故、知的財産権の保障が必要なのか、理解することなのではないでしょうか。表面的に市場経済を取り入れたところで、それを支える仕組みがわかっていなくては、独りよがりでピントはずれな反論にしかならないと思うのです。

 

 
コメント (2)
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