万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

杜撰な検死は犯罪を誘発する

2007年11月10日 18時32分22秒 | 日本政治
米紙LAタイムズ、力士急死問題で日本の検視を批判(読売新聞) - goo ニュース

 力士急死の事件から、犯罪の隠ぺいの容易さが垣間見えることは、まことに残念なことです。
 
 確かに、警察としては、自らの管轄区域の犯罪率を下げたい(犯罪事件にしたくない)、という思惑があるのでしょうが、こうした”事なかれ主義”の態度は、むしろ長期的には犯罪を増加させることになります。犯罪者にとりましては、警察に見て見ぬふりをしてもらえるのですから、これ程都合の良いことはありません。また、被害者家族の検死に対する態度も、犯罪者にとりましては、渡りに船となってしまいます。結果として、犯罪被害者の家族が、自らの家族を殺めた憎き犯罪者を逃してしまうことになるのですから、これもまた、道理に合わないことです。

 日本国の検死システムが相当に杜撰であることは、しばしば指摘されてきたところです。検死システムの強化と改善が犯罪の撲滅に繋がるのですから、早急に、この改革には取り組むべきではないか、と思うのです。
コメント (1)
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