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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ビルマの僧侶の勇気

2007年11月01日 18時23分09秒 | アジア
僧侶100人デモ ミャンマー、制圧以来初めて(産経新聞) - goo ニュース

 9月に発生した軍政府による武力弾圧以来、軍による国民監視体制は強化されており、ビルマにおける民主化運動の行方が懸念されるところとなっていました。こうした厳しい状況にありながら、反政府デモに立ち上がった僧侶達の行動に、尊い自己犠牲の精神を見出したのは、私のみではないと思うのです。

 恐怖政治とは、物理的な制裁や脅迫という手段を用いて、恐怖で人々を支配するものです。この点、軍事力と警察力の両者を意のままにできる軍政ほど、この手段に適した政体はありません。一端、軍事政権が誕生し、抑圧体制が構築されますと、素手しかない一般の人々は、政府に対して抵抗することが極めて困難となるのです。

 しかしながら、この恐怖政治が通用しない人々もいます。それは、自らの身をかえりみず、国民を悪政から救おうとする勇気ある人々です。ビルマにあっては、僧侶の方々が危険に満ちたこの役割を担いました。僧侶たちの尊い自己犠牲の精神が、やがて、ビルマの軍政を崩壊に導き、抑圧体制から国民を救う日が来ることを信じたいと思うのです。

 

 

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