goo blog サービス終了のお知らせ 

万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

もしも物価が上昇したら?

2007年11月02日 20時52分02秒 | 日本経済
消費税率引き上げが大勢 政府税調で議論(共同通信) - goo ニュース

 日本向けの原油価格が最高値をつける中、原油価格の高騰が、物価の全般的な上昇を招くのではないか、とする予測がなされています。もし、日本経済がデフレからインフレ(輸入インフレ)へと転換するとしますと、このことは、税制の議論にも影響を与えるのではないか、と思うのです。

 日本国が採用している消費税は消費の段階で課税されますので、物価の上昇は、政府税収のアップと結果をもたらします。この場合、政府は、消費税率を据え置いたとしても、物価上昇率と比例した税収増を見込めるのです。反面、このことは、物価上昇局面にあって政府が増税を行うと、消費者にとっては、負担が倍増することを意味します。価格上昇プラス消費税となりますと、消費の低迷による経済活動の冷え込みが発生するかもしれません。

 税制に関する議論が進んでいるようですが、生き物である市場の動向に合わせて政策を実施しませんと、むしろ、増税しても税収が増えない上に、経済にも打撃を与え、失業者も増える、といった最悪の事態になりかねないのです。

 

 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする