花熟里(けじゅくり)の静かな日々

脳出血の後遺症で左半身麻痺。日々目する美しい自然、ちょっと気になること、健康管理などを書いてみます。

「脳卒中で麻痺した手〔腕〕の固定に思う」

2013年09月04日 15時58分35秒 | リハビリ・健康管理
歌手の藤圭子さんが先般死亡したときに、作曲家の曽根孝明氏がTVで思い出を語っていました。曽根氏は「圭子の夢は夜ひらく」の作曲者としても有名です。
正確には、練馬少年鑑別所で歌われていた曲を曾根幸明氏が採譜・補作したもの、ということだそうです。

このことはさておき、曽根氏がTVの中で見せた姿が気になりました。曽根氏が脳梗塞を発症していたことは知られていましたが、その後の状態について、マスコミに公表されたこは無かったように思います。
TVの映像で見る曽根氏は、車椅子使用、左足に装具着用、左手は紐状のもの(“アームスリング”(A.S.)というのでしょうか?)で首から吊るして固定していました。
流暢に話されていましたので、言語障碍はないようでした。杖を使用して歩けるのか否か、左手が全く動かないのか否かもTV映像からは不明です。
曽根氏が脳梗塞を発症したのは5~6年位前だろうと思われますが、未だに麻痺手を紐で吊るして固定していたことに驚きました。

私はこの6月~8月、リハビリ病棟に入院していましたが、3名の方が肩が痛いという理由で麻痺手を紐状のもの(以下、便宜“A.S.(アームスリング)”と言います)で吊るして固定していました。 “A.S.”を外すときには、膝の上に枕のようなものをおき、この上に腕を置いていました。 
私は、おせっかいと思いつつも、ベッドなど病室にいる時には、“A.S.”を外して、なるべく麻痺手を動かすように心がけるべきこと、“A.S.”を外せる目処を療法士に聞いて見たらどうか、などと3名に度々話しました。

入院中には“A.S.”を使用せざるを得ない症状があることも理解できますが、麻痺手が動くようにするのがリハビリの目的であると思います。肩が痛いということもありますが、療法士は、可能な限り麻痺手を動かすように指導すべきであり、患者も心がけるべきと思っています。
退院後の実生活では否応なしに麻痺手を使わざるを得なくなります。療法士には患者の退院後を見据えた指導をして頂きたいと思っています。

さて、“A.S.”を使っていた3名はいずれも利き手である右手麻痺でした。入院中に非麻痺手である左手で字を書く練習をし、食事も左手で箸を使っている人もいましたが、逆に、左手が全く用を成さない人もいました。この人に、おせっかいとは思いながら、左手を意識して使うようにしたらどうかと度々話しましたが、全く左手を使おうという意思が感じられません。
入院期間は限られていますので、この間に麻痺手がどの程度まで動くようになるか否か、療法士にはある程度わかるのではないでしょうか。 
入院中には十分な回復が期待できそうにも無い患者には、麻痺手のリハビリに加えてベッドなどにいる時を利用して、利き手ではない非麻痺手を使う努力をするように様々な指導することも、退院後の生活支援という見地から大事なことだろうと思います。


〔2013年9月4日 花熟里〕

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