ちょっと古くなりますが、世界一大きな花である 「スマトラオオコンニャクの花」が
東京の小石川植物園で咲いたとTVや新聞などで7月22日に報道されました。
写真をみると、完全に開花しているのではなく、開花したものの、完全に開花したのでは
なく、途中でしぼんでしまったというのが実情のようです。
また、鹿児島県の指宿市にある‘フラワーパークかごしま’で、スマトラオオコンニャク
については、8月2日に開花が始まりましたが、5日に完全にしぼんでしまい、結局完全
な開花とはなりませんでした。 日本国内での完全な形の開花は難しいようです。
世界一大きな花は二種類あります。 一つは「ラフレシア」であり、もうひとつは
「オオコンニャク」です。私はインドネシアに駐在していた時に、スマトラ島に旅行し
て、これらの花を地元の人に尋ねましたが、もともとこれらの花は、山の中にひっそりと
咲くので、地元の人も実際にみるのは稀だそうで、しかも開花のタイミングにチョット
あわなかったりで、残念ながら野生の花は見たことがありません。 野生のラフレシアや
オオコンニャクがあるという西スマトラの Benkuru州 でTシャツを買いました。
ジャカルタ郊外の植物園にあるスマトラオオコンニャク(インドネシア語では Bunga
Bankai :ブンガバンカイ) が開花した時に見に行ったことがあります。
(ジャカルタ郊外の植物園のスマトラオオコンヤクの開花)
(スマトラ島ブンクル州で買ったTシャツ)
さる7月29日、NHK総合TV でスマトラオオコンニャク開花の瞬間をとらえた模様が再放送
されました。 (2006年に「ダーヴインが来た」で放送されたもの) 開花の瞬間は圧巻
としか言いようがありません。 開花の時に発する強烈な腐ったような臭いが昆虫を引き
付ける為であり、昆虫に花粉を受粉させるために、開花時期を個体ごとに微妙にずらせて
いることなど、何千年もかけて獲得してきた種の保存への畏敬の念が湧きます。
以下はNHKの番組の案内を拝借したものです。
インドネシア・スマトラ島のジャングルだけに咲くスマトラオオコンニャク。最大で高さ
2.6メートル、直径も1.5メートルという世界最大の花です。しかも、7年に一度、
わずか2日間だけしか咲かない幻の花でもあります。その開花の瞬間を、ハイビジョン
カメラで初めて捉えることに成功しました。
花の存在が世界に知られたのは19世紀末。ロンドンのキュー植物園で初めて開花すると、
人々は自分の背丈をはるかに上回る巨大さに大きな衝撃を受けました。そして花が出す、
ある「とてつもない力」のために、見物客が気絶したと言われています。一体何が起こっ
たんでしょうか?
1ヶ月以上にわたってジャングルをくまなく探索し、ついに巨大花のつぼみを発見。成長
の様子を固定カメラで記録しました。1日10センチという驚異的な速度で急成長し、
10日後、ついに開花のときを迎えました。
開花の瞬間、その巨体からもくもくと湯気が吹き出してきました。この湯気にこそ、人々
を気絶させるほど強烈な「とてつもない力」が秘められていたのです!スマトラオオコン
ニャクは、大きさだけでなく、その強烈な力に関しても世界一の称号を与えられた、世に
もまれな世界二冠王の花だったのです。
「スマトラ島に、人の背丈を超える花がある!」知人のカメラマンから、初めてこの話を
聞いたとき、最初はそれほど強く心を惹かれることはありませんでした。大きいと言って
も、相手は動かぬ花だし、オドロキも一瞬で終わってしまうなら、テレビ番組で取り上げ
るのは難しいだろうと思ったからです。でも、百聞は一見にしかず。巨大花の絵を見せて
もらった瞬間、ググッと来ました。それは、第二次大戦中に出版された『南の植物』とい
う本の挿絵です。ヘルメットをかぶった日本兵の横に、人を食ってしまうかというほど大
きな花の絵が描かれていました。カメラマン氏が、少年の頃にその絵を見て以来、巨大花
の虜になった、というのも頷ける、実に妖しい光景で。 さらに調べていくうちに、もっ
と興味深いことが色々分かってきました。決定的だったのは、この花が2つの「世界一」
の記録を持っている
という事実でした。巨大花スマトラオオコンニャクは、直径1.5m、高さ3mに達します。
一つめの「世界一」は当然、「世界最大の花」です。そして、もう一つの「世界一」は、
花が咲いた瞬間にだけ発揮される特別な力だというのです。そう言われれば、なんとして
も開花の瞬間に立ち会い、実際にその「世界一」体験してみたくなるのがディレクターの
サガというものです。かくして、世界2冠王の花を求める無謀な?旅が始まったのです。
さて、みなさんの中には「世界最大の花」と言えば、「ラフレシア」という名前を思い浮
かべる方も多いかもしれません。実際、ラフレシアも世界最大の花であることに間違いは
ありません。ラフレシアにも何種類かあり、正確には、ラフレシア・アーノルディという
種類が、直径1メートル近い世界最大の花を咲かせます。ではスマトラオオコンニャクと
ラフレシア、なぜ2つの「世界最大」があるのかご説明します。実は、ラフレシアは
「単独の花」として、スマトラオオコンニャクは「花の集まり」として、それぞれ世界最
大なのです。一見すると一つの巨大な花のようなスマトラオオコンニャクですが、実は、
多数の雄花・雌花が集まった「花序」と呼ばれる花の集合体です。直径1.5m、高さ3mと
いう怪物のような大きさは、集合体だからこそのサイズなのです。 そんな「世界一」の
花がいくつも咲いているスマトラ島の熱帯雨林、まさに、世界に一つだけの、かけがえの
ない自然なのです。
http://www.nhk.or.jp/darwin/report/report003.html
<2010年9月18日 ☆きらきら星☆>