7月の「唱歌・童謡・名歌を歌う会」に行って来ました。海・海辺にちなんだ4曲を始め、16曲を歌いました。「故郷の廃家」は、たしか、中学校で歌ったとおもいますが、今でも大好きな曲です。詞・メロディー共に心にしみるのです。日本の歌と思っている人が多いのではないかと思いますが、アメリカのウィリアム・ヘイスの曲に犬童球渓が詩をつけたもので、明治40年に学校唱歌にとりあげられています。
「故郷の廃家」には特筆すべきエピソードがあります。
即ち、太平洋戦争の末期に硫黄島では激しい戦闘が行われ、1945年2月に米軍が硫黄島に上陸、日本軍・島民が玉砕した悲劇の島として日本人の心に刻まれています。 硫黄島には、食糧を自給させるために、日本各地から集められた15才~16才の多くの少年兵たちが昼夜を問わず、雨水を溜め甘藷作りなどの厳しい農作業に精を出していました。「米軍機が激しい空襲をおこない、帰っていくと、壕にいた少年兵たちは夕日を目にして、誰ともなく「故郷の廃家」を歌いだし、故郷を思い出しながらお互いに励まし合った。それを聞いていた市丸海軍少将は、15才~16才の少年兵が玉砕せざるを得ない過酷な運命に涙した。」と伝えられています。
小笠原村では村主催の慰霊祭が毎年行われていますが、少年兵と同じ世代の中学2年生が慰霊祭で誓いの言葉を述べ、故郷の廃家を歌います。
<小笠原中学校だより 第4号 平成28年7月1日付 より転載>
『6月11日から6月14日まで硫黄島訪島事業が行われ、本校(小笠原中学校)の2年生と母島中学校の2年生が参加をさせていただきました。12日に行われた慰霊祭にはきちんとした厳粛な態度で参列できたと思っています。
硫黄島では、到着した日の9時30分から慰霊祭が行われました。中学生は誓いの言葉と千羽鶴を奉納しました。学級委員の2人は大変立派に誓いの言葉を述べることができました。今年の慰霊祭では村からの要請で初めて中学生が前に出て「故郷の廃家」を歌うことになりました。母島の生徒と一緒に整列し、全員で心を込めて歌うことができていたと思います。硫黄島に眠る全ての方々に謹んで哀悼の意を表するとともにご冥福をお祈り申し上げます。』
「故郷の廃家」は昭和50年代になると学校では歌われなくなったようです。すばらしい詞と心にしみるメロディ-のこの歌を若い人が知らないのが残念でなりません。せめて学校で副教材などで取り上げて是非歌ってほしいと思います。
1、七夕さま(権藤はなよ・林柳波作詞・下総皖一作曲)
2、うみ(林柳波作詞、井上武士作曲)
3、浜千鳥(鹿島鳴秋作詞、弘田龍太郎作曲)
4、海(作詞・作曲者不詳)
5、知床旅情(森繁久弥作詞・作曲)
6、静かな湖畔(作詞・作曲者不詳)
7、追憶(古関吉雄作詞・スペイン民謡作曲)
8、故郷の廃家(犬童球渓作詞、ヘイス作曲)
9、森へ行きましょう(東大音感訳詩、ポーランド民謡)
10、蛍(井上赳作詞、下総皖一作曲)
11、竹田の子守歌(作詞・作曲者不詳)
12、叱られて(清水かつら作詞、弘田龍太郎作曲)
13、七つの子(野口雨情作詞、本居長世作曲)
14、あの町この町(野口雨情作詞、中山晋平作曲)
15、浜辺の歌(林古径作詞、成田為三作曲)
16、夕方のお母さん(サトウハチロー作詞、中田喜直作曲)
『故郷の廃家』 作詞:犬童球渓、 作曲:ヘイス
(一) 幾年(いくとせ)ふるさと 来てみれば
咲く花鳴く鳥、そよぐ風、
門辺の小川の、ささやきも、
なれにし昔に、変らねど、
あれたる我家に、
住む人絶えて無く。
(二) 昔を語るか、そよぐ風
昔をうつすか、澄める水、
朝夕かたみに、手をとりて、
遊びし友人(ともびと)、いまいずこ、
さびしき故郷や、
さびしき我家や。
」
「 My Dear Old Sunny Home 」
1. Where the mocking bird sang sweetly
Many years ago,
Where the sweet magnolia blossoms
Grew as white as snow,
There I never thought that sorrow,
Grief nor pain could come,
E'er to crush the joys and pleasures
Of my sunny home.
(Chorus:)
Oh! I'm weeping,
Lonely I must roam.
Must I leave thee,
Dear old sunny home?
2. Flowers withered, roses drooping,
'Round the cottage door,
And the birds that sang so sweetly,
Sing, alas, no more.
Ev'ry thing seems chang'd in Nature,
Since I cross'd the foam,
To return, my poor heart breaking,
To my sunny home.
(Chorus:)
3. Other forms and stranger faces,
All that I can see,
Brings to mem'ry thoughts of loved ones
Who were dear to me.
But my poor heart sinks within me
When I turn to roam,
Far from all I lov'd and cherish'd,
Good bye, sunny home.
(Chorus:)
〆
「故郷の廃家」には特筆すべきエピソードがあります。
即ち、太平洋戦争の末期に硫黄島では激しい戦闘が行われ、1945年2月に米軍が硫黄島に上陸、日本軍・島民が玉砕した悲劇の島として日本人の心に刻まれています。 硫黄島には、食糧を自給させるために、日本各地から集められた15才~16才の多くの少年兵たちが昼夜を問わず、雨水を溜め甘藷作りなどの厳しい農作業に精を出していました。「米軍機が激しい空襲をおこない、帰っていくと、壕にいた少年兵たちは夕日を目にして、誰ともなく「故郷の廃家」を歌いだし、故郷を思い出しながらお互いに励まし合った。それを聞いていた市丸海軍少将は、15才~16才の少年兵が玉砕せざるを得ない過酷な運命に涙した。」と伝えられています。
小笠原村では村主催の慰霊祭が毎年行われていますが、少年兵と同じ世代の中学2年生が慰霊祭で誓いの言葉を述べ、故郷の廃家を歌います。
<小笠原中学校だより 第4号 平成28年7月1日付 より転載>
『6月11日から6月14日まで硫黄島訪島事業が行われ、本校(小笠原中学校)の2年生と母島中学校の2年生が参加をさせていただきました。12日に行われた慰霊祭にはきちんとした厳粛な態度で参列できたと思っています。
硫黄島では、到着した日の9時30分から慰霊祭が行われました。中学生は誓いの言葉と千羽鶴を奉納しました。学級委員の2人は大変立派に誓いの言葉を述べることができました。今年の慰霊祭では村からの要請で初めて中学生が前に出て「故郷の廃家」を歌うことになりました。母島の生徒と一緒に整列し、全員で心を込めて歌うことができていたと思います。硫黄島に眠る全ての方々に謹んで哀悼の意を表するとともにご冥福をお祈り申し上げます。』
「故郷の廃家」は昭和50年代になると学校では歌われなくなったようです。すばらしい詞と心にしみるメロディ-のこの歌を若い人が知らないのが残念でなりません。せめて学校で副教材などで取り上げて是非歌ってほしいと思います。
1、七夕さま(権藤はなよ・林柳波作詞・下総皖一作曲)
2、うみ(林柳波作詞、井上武士作曲)
3、浜千鳥(鹿島鳴秋作詞、弘田龍太郎作曲)
4、海(作詞・作曲者不詳)
5、知床旅情(森繁久弥作詞・作曲)
6、静かな湖畔(作詞・作曲者不詳)
7、追憶(古関吉雄作詞・スペイン民謡作曲)
8、故郷の廃家(犬童球渓作詞、ヘイス作曲)
9、森へ行きましょう(東大音感訳詩、ポーランド民謡)
10、蛍(井上赳作詞、下総皖一作曲)
11、竹田の子守歌(作詞・作曲者不詳)
12、叱られて(清水かつら作詞、弘田龍太郎作曲)
13、七つの子(野口雨情作詞、本居長世作曲)
14、あの町この町(野口雨情作詞、中山晋平作曲)
15、浜辺の歌(林古径作詞、成田為三作曲)
16、夕方のお母さん(サトウハチロー作詞、中田喜直作曲)
『故郷の廃家』 作詞:犬童球渓、 作曲:ヘイス
(一) 幾年(いくとせ)ふるさと 来てみれば
咲く花鳴く鳥、そよぐ風、
門辺の小川の、ささやきも、
なれにし昔に、変らねど、
あれたる我家に、
住む人絶えて無く。
(二) 昔を語るか、そよぐ風
昔をうつすか、澄める水、
朝夕かたみに、手をとりて、
遊びし友人(ともびと)、いまいずこ、
さびしき故郷や、
さびしき我家や。
」
「 My Dear Old Sunny Home 」
1. Where the mocking bird sang sweetly
Many years ago,
Where the sweet magnolia blossoms
Grew as white as snow,
There I never thought that sorrow,
Grief nor pain could come,
E'er to crush the joys and pleasures
Of my sunny home.
(Chorus:)
Oh! I'm weeping,
Lonely I must roam.
Must I leave thee,
Dear old sunny home?
2. Flowers withered, roses drooping,
'Round the cottage door,
And the birds that sang so sweetly,
Sing, alas, no more.
Ev'ry thing seems chang'd in Nature,
Since I cross'd the foam,
To return, my poor heart breaking,
To my sunny home.
(Chorus:)
3. Other forms and stranger faces,
All that I can see,
Brings to mem'ry thoughts of loved ones
Who were dear to me.
But my poor heart sinks within me
When I turn to roam,
Far from all I lov'd and cherish'd,
Good bye, sunny home.
(Chorus:)
〆