「日本国宝展」 が東京国立博物館で、10月15日(水) ~12月7日(日)の間、開催されており、10月24日(金)に行って来ました。正倉院の宝物の一部が期間限定(10月15日~11月3日)で展示されていることもあり、一目見ようと多くの人が訪れていましたが、平日でもあり、ゆっくりと鑑賞することができました。奈良国立博物館では、「皇皇后両陛下傘寿記念 第66回正倉院展」が、10月24日(金)~11月12日(水)の間、開催されています。
国宝展を見て、これらの貴重な文物が、戦乱や火災、盗難等で逸失することなく、よくぞ長い間保存されてきたものとの思いがこみ上げてきます。日本の修復の技術も世界トップレベルにあるからこそ、今日でも往時の素晴らしさを保っているものと思います。正倉院宝物の中の「楓蘇芳染螺鈿槽琵琶」の螺鈿細工と表面の絵(革を貼り、その上に白色顔料を塗り、特殊な絵の具で描いたもの)の鮮やかさは目を見張ります。
多くの国宝は、各時代、特に古代におけるアジア各民族の高度な技術の粋で作られており、これを吸収して、独特の技術に高め、継承していった日本人の素晴らしさを示しています。まさに、日本、さらに世界の宝物です。皇室で受け継がれている文化とともに、今後とも後世に守り伝えていかなければならないとの思いを強くしました。
<国立博物館HPより>
「日本には、美術的、歴史的に貴重な意義を有する文化財が数多くあり、中でも世界文化の見地から、高い価値をもつものを、類い稀な国の宝として、「国宝」に指定しています。
本展覧会は、これら国宝の中で、人々の篤い信仰心が結実した文化的遺産を集め、日本文化形成の精神を見つめ直すことを試みた壮大な展覧会です。祈りをテーマに、仏や神と、人の心をつなぐ役割を担ってきた絵画・彫刻・工芸・典籍・考古資料などを展示し、日本文化の粋の結集をご覧いただきます。人々の祈り、信じる力が、どのような形を結び今に伝わるのか、国宝と私たちとの、時空を超えた対話が始まります。
本展覧会には、正倉院宝物が特別出品されます。祈りを込めて東大寺大仏に捧げられた品々は、長い歴史の中で大切に継承され、まさに国の宝として価値高いものといえるでしょう。天皇陛下の傘寿を記念する年にあたり、国の宝の数々を、ひろく多くの方々にご覧いただければ幸いです。」
(読売新聞より借用)
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<展示品の一例:国宝展HPより>
「第1章 仏を信じる」
飛鳥から平安時代の間に濃密な展開を遂げた仏教信仰の所産である絵画・彫刻・工芸・書跡典籍。
(玉虫厨子(たまむしずし)、阿弥陀聖衆来迎図 (部分)(あみだ しょうじゅ らいごうず)、普賢菩薩像(ふげんぼさつぞう)、他)
「第2章 神を信じる」
土偶や銅鐸に代表される祭祀遺物、「神」への信仰の証として奉納された甲冑や刀剣、そして神像彫刻。
(土偶(合唱土偶、縄文のビーナス、他)、銅鐸、沖の島祭祀遺跡出土品、神功皇后座像、他)
「第3章 文学、記録に見る信仰」
物語絵巻や日記、和歌集、信仰のありようを記録した史書や寺院の文書。
(金印、日本書記、源氏物語絵巻(柏木二)、土佐日記、他)
「第4章 多様化する信仰と美」
中世から近世期において、多岐多様な展開を遂げた信仰と、その所産。
(一遍上人伝絵巻(部分)、秋冬山水図、松に秋草図、慶長遣欧使節関係資料(支倉常長像、他)
「第5章 仏のすがた」
6世紀、仏像は仏教のおしえと共に日本にもたらされ、以後、連綿と制作され、国宝に指定された仏像の中から選りすぐった仏像。
(元興寺極楽坊五重小塔(がんごうじ ごくらくぼう ごじゅう しょうとう)、多聞天立像(たもんてんりゅうぞう)、広目天立像(こうもくてんりゅうぞう)、他)
「正倉院宝物特別出品」月3日(月・祝))で特別出品されます。
(鳥毛立女屏風(とりげるつじょのびょうぶ)(第1扇、第3扇)、楓蘇芳染螺鈿槽琵琶(かえですおうぞめ らでんそうのびわ)、紅牙撥鏤撥(こうげばちるのばち)、他)
<東京国立博物館 HP>
http://www.tnm.jp/
(花熟里)