花熟里(けじゅくり)の静かな日々

脳出血の後遺症で左半身麻痺。日々目する美しい自然、ちょっと気になること、健康管理などを書いてみます。

「人は順位づけにこだわる」

2010年10月30日 10時28分42秒 | ちょっと気になること
過日読売新聞の「放送塔から」に「ランク付けに不思議な魔力」という小さな記事が掲載

されていました。


『人はなぜ、ランク付けが好きなのだろう。テレビ朝日系「お試しかっ!」を見るたびに

思う。番組の中心は、芸人やタレントたちが、レストランなどの人気メニューベスト10

を、すべて当てるまで食べ続ける「帰れま10」のコーナーだ。 くだらないと思いなが

らつい見てしまう。

(略)

ベスト10はなかなか当たらない。出演者たちは満腹感に苦しみながら、延々食べ続ける

ので、大食い番組の要素もある。大食いには食べ物を粗末にするという批判も多い。だ

が、この場合、目的そのものは大食いではないので、大食い番組にありがちないやな感じ

は少ない。宣伝と大食いと言う、ヘタをすれば最悪の組み合わせが面白く見えてしまうの

は、ランク付けの魔力だろうか。』



私はこの番組をはじめラング付けする番組をほとんど見たことがないので、番組について

のコメントはできませんが、考えてみれば、この世の中、我々の生きている社会を見渡せ

ば、あらゆるものにランク(順位・階級)がついています。 




まず、動物や生物。

哺乳類であるサル・チンパンジー・ゴリラなどではボスを中心とした厳格な順位が決まっ

ていますし、犬はリーダーのもとで集団で狩りをした名残で、人間に飼われるようになっ

ても順位を見分けていることも周知の事実です。 鳥類では、ニワトリが順位づけのため

につつき合っていることが知られています。 昆虫類ではアリも女王バチを頂点としたピ

ラミッド型社会です。



ついで、人間社会。

国の組織にしてからが、首相・大臣・副大臣などの階級社会。 ‘影の総理’などどいう

人が時として現れ、‘表の総理’を押しのけて、目立つこともままあります。 

霞が関の官僚機構はランク付けの最たるもので、事務次官・局長・部長・課長・課長補

佐・係長等など。局長や部長・課長の中でもそれぞれ‘格付け’があります。 たとえ

ば、大臣官房の秘書課長・総務課長・会計課長は官房3課長と言われて、課長の中でも別

格扱いと聞いたことがあります。 

今注目を集めている検察組織は、最高検察庁(トップ:検事総長)、高等検察庁(トッ

プ:検事長)、地方検察庁(トップ:検事正)、区検察庁(トップ:上席検察官)。


なお、江戸幕府は、将軍・(大老)・老中・若年寄・奉行(勘定・寺社・町など)・

大目付・目付、などがありました。 物語の水戸黄門では最後に‘副将軍’として印籠を

出して悪代官などをひれ伏させて終わりになります。 所謂御三家のうち尾張家・紀伊家

は従二位大納言で将軍を出せますが、水戸家は従三位中納言で将軍を出せないが、江戸詰

を許されていたこともあり、一見、将軍後見役のような立場と勘違いされることもありま

すが、副将軍という職についていたわけではありませんし、副将軍なる職はありませんで

した。


地方自治体も知事・副知事・部長、以下平の担当者に至るまでまさに階級社会。 さら

に、自衛隊(軍隊)や警察・消防などは典型的な階級社会。

会社も社長以下平社員まで多くの階級があり、自治会や任意の団体も役職による階級があ

ります。会長・理事・書記・・・・・。

家庭では夫婦の微妙な力関係で、亭主関白とか、カカア天下などの順位が出来ています。 



次の格付けも知る人ぞ知るところでしょうか。


テレビや映画界:

出演者の順序。 要するに出演者の順序には格が反映される。 俳優・歌手は順序に目の

色を変えると週刊誌に書いてあったのを思い出します。



スポーツ界:

 全くの実力社会。 実力により明瞭な格付けが行われます。

・相撲:横綱、大関、関脇、小結、幕内、十両、三段目、序二段、序の口。

・プロ野球:日本では一軍と二軍。 巨人は3軍を設けると報道されていました。 

      アメリカではメジャーリーグとマイナーリーグ。

・プロサッカー:J1 と J2 。

・プロゴルフ、プロテニス、プロ卓球:世界ランキング。


宗教界:

・仏教では、僧侶は大僧正、権大僧正、僧都、権僧都、少僧都、他。 寺にも総本山、

  大本山、別格本山、末寺等の格付け(区別)があり。 

・キリスト教のカトリックではトップはローマ法王で、(枢機卿)、(大司教)、司教、

  助祭、司祭。 東方正教会ではトップは総主教で、主教、司祭、輔祭。  

  プロテスタントでは牧師。 

 (イスラム教には聖職者は教義上いないことになっている)



さらに世界には様々な格付け(ランキング)があることに気づきます。


1、フォーチュン誌が5年ごとに発表する世界企業の売上ランキング
 
  「 Fortune global  」 は有名です。 

2、レストランとホテルを格付けしているミシュランガイドはあまりにも有名です。 

  レストランは星の数が3個が最高で、東京でも毎年発表されていますし、つい先日

  関西版も発表されました。

3、ホテルには様々な格付けがあります。

  ・Travel & Leisure :世界のベストホテル100

  ・Conde Nast Traveler(コンデナスト・トラベラー):ゴールドリスト

  ・Institutional Investor:ベストホテルランキング

4、よく知られた格付けとして、国・自治体・企業などが発行する債券などの信用を格付

  けする機関があります。日本では、金融庁が5の指定格付け機関を定めています。

  ウ~オ は世界3大格付け機関と言われています。

  ア、格付投資情報センター(R&I)

  イ、日本格付研究所(JCR)

  ウ、ムーディーズ・インベスターズ・サービス・インク

  エ、スタンダード・アンド・プアーズ・レーティングズ・サービシズ(S&P)

  オ、スイッチレーティングスリミテッド.


(ムーディーズの格付け)

  Aaa  :最高位 (1,2,3、に区分) :
  
  Aa   :高位  (1,2,3、に区分) 
  
  A  :投資適格程度(1,2,3、に区分)
  
  Baa  :中程度のリスク(1,2,3、に区分)
  
  Ba   :投機的要素あり(1,2,3、に区分)
  
  B   :投機的であり、信用リスクが高い(1,2,3、に区分)
  

ちなみに、ムーディーズによれば、Aaa1はドイツ、フランス、カナダ、Aaa2は

アメリカ,、イギリスなど。 日本はAa2、 香港・台湾はAa3、 中国と韓国はA1、 

国家財政破綻したギリシアはA3です。.


日本では、歴史的に見ると、推古天皇13年(603年:聖徳太子が摂政)に「冠位12階の制

度」が定められ、飛鳥時代の文武天皇5年(701年)に大宝律令により位階制度が確立され

(30位階)、江戸時代まで続きました。 明治時代に新たな位階制度が作られ、16位階に

改められました(一位~八位まで正・従)。 現在は死亡者に贈られる叙位として存続さ

れています(例:「贈従四位」など)。

また、身分制度としては、江戸時代時に「士農工商」が定められ、明治になって、四民平

等となりましたが、爵位(公爵・侯爵、伯爵・子爵・男爵)を設け、華族という特権階級

が作られました。 いつの時代にも階級がついて回ります。




インドは、来年80年ぶりに全国民12億人に所属するカーストの聞き取り調査をすると報道

されていました。 実現すれば、英領インド時代の1931年以来のこととなるそうです。


カーストについて、インド人シャルマ氏の日本体験記のなかに興味深い部分があるので、

若干引用してみます。


「喪失の国日本 インド・ビジネスエリートの日本に日本体験記」(文春文庫)


『我々はたしかに、生まれながらにしてそれぞれの階級に属しているので、どうしても相

手の階級に関心がいってしまう。最近インドのある村で、自分たちのカースト順位を向上

させるべく、下層カーストの全員が完全菜食主義を取り入れたことが報じられた。これ

は、肉食が今もインド人にとって、どういうことを意味するかを端的に物語っている。

(略)

現在多くの日本人は「菜食」を新しい健康法として理解しており、インド人の食習慣が、

歴史的な出自に関わる差別に根ざしていることを知っている者はそれほど多くない。

(略)

日本の食におけるブルジョワ意識、あるいは幸福感を満足させるために、肉には百グラム

数十円から一万円ちかくまで、再分化された 「肉の身分(カースト)」がある。 その

構造は奇しくも、われわれのカースト構造とぴったり重なる代物だ。たとえば、われわれ

の四種姓(ヴァルナ)、つまり、「バラモン(僧侶)・クシャトリヤ(王族武士)・ヴァ

イシャ(商人)・シュートラ(農民・労働者)」などに相当する大枠を、日本人の獣肉に

対するランキングに当てはめると、上位から、「牛肉・豚肉・鶏肉・その他の肉」とな

る。

各ヴァルナ内部の、より細分化されたサブ・カースト、つまりジャーティ(出自)に関し

ては、豚肉ならば、「ヒレ・ロース・モモ・バラ・切り落とし」という肉の部位などに分

けられる。

(略)

インドの社会は生きた人間の分類によって身分に拘泥し、日本社会は死んだ肉の分類によ

って経済的優位に固執する。これは、肉だけに限らず、食の全体についても言えるのであ

る。例えば、「天丼」についても、「並み・上・特上」というクラス分けがあるし、定食

弁当については、「松・竹・梅」という上中下3段階のクラス分けがあって、それぞれに

明瞭な視覚的区別が図られている。このような肉の種類と部分との階級分けが、日本では

魚肉まで含めて数百分割されている。

(略)   

インドでは異カースト間はもちろん、同族間や親子の間でも対等の挨拶はない。百メート

ル先からでも、挨拶を見るだけで身分の違いを判別することが出来る。その意味で、

インドの挨拶は他の諸国と同様、サル社会における「順位付け行動」と同種のものであ

る。』




ヒトは全くの初対面の人に出会うと、直感的に・無意識的にその人を品定め(評価)して

います。 即ち、信用できそうか否か、自分に比べて器がどうか(格の上下)などなど。

どうやら ヒトは、順位づけしなければ生きていけないようです。 そもそも人類の祖先

が類人猿と言われていた頃にはもう、共同体内でボスを中心とした階級が出来ていたと思

われます。  正に、ヒトの歴史は順位付けと共に、と思います。




<M.K シャルマ著  「喪失の国、日本」 文春文庫  >






(2010年10月30日 ☆きらきら星☆)


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「リハビリ、そして 運転免許証の更新」

2010年10月24日 12時12分56秒 | リハビリ・健康管理
先般、運転免許の更新を「府中運転免許試験場」で行ってきました。 無事故無違反の優

良運転手(ペーパードライバーですので当然ですが)であり、従来は指定されている最寄

りの警察署で更新してきましたが、今回は、脳卒中発症後最初の更新であり、府中試験場

にTELして後遺症など事情を話してみたら、府中試験場に来てほしいとのことでした。



手続きは以下の通りでした。

A)申請書交付窓口で、郵送されてきた‘更新通知’と‘免許証’を提出して‘申請書’

  を受け取る。 窓口の方から「申請書の裏面に身体状況を記入し、視力検査のところ

  で身体条件を申し出るように」と告げられた。

B)申請書受付(3250円)

C)視力検査

D)運動機能検査

 ・担当官の問診

 ・麻痺側の手足を担当官の指示通りに動かす

 ・運転操作動作の確認――→上記手足の動作まででここはパス。

<注>身体状況は変わっていくので次回更新時にも府中で受けるようにとの指導があり、

   担当官はこのことを記録していた。

その後は健常者と全く同じルートで、最後に30分間の講習の後、免許証交付。  全部で

1時間30分くらいでした。
 


知り合いで私より重い半身麻痺があるにも関わらず、現実に運転している方も数名いるの

で、大丈夫だろうと思っていましたが、無事に終了してほっとしています。 今後もペ-

パードライバーのままですが、運転免許証は公的な身分証明書として使うことが多く、社

会と繋がっている証のようにも思えますので、大事にしていきたいと思います。




脳卒中発症して満2年が経過しました。 感覚異常は相変わらずで、麻痺の状態は顔面麻

痺が軽くなってきたことを除けば、頭部から足先までほとんど変化はないように感じてい

ます。  体幹部の麻痺も変化無く、体のバランスが取りにくく、夕方疲れてくると、歩

き方が不安定になってくるのも変わりません。


リハビリは、毎朝(40~50分程度)と寝る前(15分程度)のリラクゼーションとストレッ

チ、リハビリ・マッサージと鍼灸をそれぞれ 1回/週、 それに、週末の散歩です。  

入院中から心がけていることは、毎日の生活の中で何事にも両手を使うことです。 

人間にはもともと両手があるわけですので、当たり前のことを実践しているだけですが。
 


最近、手の動きが相当良くなってきたように感じています。 実感したのは歯磨きの時の

ことです。 2年前入院して間もない頃は麻痺手を動かせないので、顔の方を動かして歯

磨きをしていました。 手が少し動いてくるようになれば最初は麻痺の手で磨きますが、

動きがギコチナイので、暫くして麻痺していない手に変えて磨いてきました。 今年の8

月ごろのこと、ふと気がつくと麻痺した手で最後まで磨いていました。 最近、歯磨きの

時の手の動きに左右であまり差がなくなってきたように思えます。 麻痺の状態そのもの

は変わっていませんが、運動機能は良くなってきたということでしょうか。

妻から近頃、手・腕の動きが健常な人とあまり変わらないように見えると言われます。 



運動機能の回復はもとより、麻痺や感覚異常が少しずつでも軽くなっていくように、今後

もあせらずに粘り強くリハビリを続けていきたいと思います。 10月も末になり大分寒く

なってきました。 麻痺した部分の硬直がきつくなってきていますので、従来にも増して

入念にリラクゼーションをして、冬の寒さを乗り越えて行きたいと思っています。



(2010年10月24日  ☆きらきら星☆)


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散歩の途中の風景

2010年10月21日 16時14分10秒 | 自然
1、畑の中にいるネコ

サツマイモ畑の中で、なにかを狙っているネコを見つけました。 虫か小動物を見

つけたのでしょうか。 抜き足 差し足 で芋畑の中に入っていきます。








  




2、大きなシャボン玉

大道芸の方が道で大きなシャボン玉をつくって飛ばしていました。 フワフワと飛ぶ

様子は子供ばかりでなく、大人も、男も女も、見ている人すべてがひきつけられて

います。





  






  
(2010年10月21日  ☆きらきら星☆)
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チリーの銅鉱山落盤事故で33名の救出を見て。

2010年10月15日 17時16分15秒 | ちょっと気になること
鉱山の落盤事故で地下約700mに閉じ込められた33人が69日ぶりに全員無事生還し

たニュースは全世界の人々に生きる勇気を与えてくれたものと思います。33名の方がカ

プセル「フェニックス」から出てくるたびに涙が出てきました。

地下700mの狭い空間で69日間を過ごすというのは想像を絶します。 マスコミでは

33名が生還できた理由を挙げています。


 1)人物的によきリーダーに恵まれたこと

 2)このリーダーが秩序を保つためにとった手段が危機管理の手法に沿ったものだった

   こと。

   ア)事故直後、仲間を一か所に集めて手分けして落盤の状況を調べ、自分たちが閉

     じ込められていることを確認した。

   イ)限りある食料を配給性とした。

   ウ)33名を 「仕事班」 「睡眠班」 「休憩班」 の3班に分け班長が統率す

     るようにした。 さらに、細かく担当を決め責任を持たせていた。

   エ)各人は、それぞれ個々の得意とする分野で役割を果たした。
  
    「健康管理(救急医療の知識のある人」 「信仰(牧師の人)」 「もろもろ相

     談(最年長者の人」 「雰囲気盛り上げ(明るく好かれる性格)」 「規律

    (元軍人の人)」

   オ)全体の決定は多数決とした。
 

 3)事故から17日目という早い時期に地上との交信が出来、生還への希望ができたこ

   と。


極限状況の中で精神的な混乱を招かなかった理由の大きなものに、冷静で忍耐強く組織的

であるというチリー人の国民性や、チリー人の家族の絆の強さが指摘されていますが、さ

らに、宗教の存在があるように感じています。 チリーの国民はほとんどが、敬虔なカト

リックだと思います。33名の中に牧師の方がおり地下に聖書を送ってもらい、神への祈

りをささげることを指導したことも報じられています。 神への信仰が精神的な支えにな

ったのではないでしょうか。 

私はインドネシア駐在時.敬虔なイスラム教徒の中で6年間を過ごしてきており、宗教が

生活の中に溶け込んでいることを目の当たりにしていますので、チリーの落盤事故遭遇者

も宗教が精神面での大きな支えになっているものと思っています。


地下の状況が映像で流されてくるようになり、閉じ込められた地下の中で、チリー国旗を

持ち、国家を歌っていました。 また、フェニックスから生還者がでてくると、地上の人

と共にチリー・チリーと国旗を振りかざしながら声を出して抱き合って喜んでいました。

なんという素晴らしい光景と感動を覚えました。


我が日本で同様の事故が発生した場合のことを想像してみるとさびしくなります。 地下

に閉じ込められた人や地上で救出を行っている人々が、国旗を手にすること、国歌を歌う

情景を想像できないのです。 

国旗・国歌法案に反対した民主党が政権を握っていますが、管総理始め閣僚の方々は、こ

のたびのチリー国民のこのような行動をどのような思いで見ていたのでしょうか?


米航空宇宙局(NASA)が専門家を派遣して、地下での規則正しい睡眠確保やビタミン

D投与の増加など、医療や栄養面、さらにはメンタル面での助言をおこなったことが大き

く報じられていました。 他方、日本はと言えば、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の

要請で、民間企業の「グンゼ」がスペースシャトルに搭載された消臭機能や吸湿性に優れ

た‘Tシャツ’と‘ブリーフ’を、「ヤマザキナビスコ」が‘黒あめ’と‘ミントキャン

ディー’をそれぞれ無償提供したことが小さな記事で紹介されていましたが、気がついた

人は少なかったのではないでしょうか。 

このようなことは謙譲の美徳を発揮することなく、日本政府として堂々と大きく発表して

ほしかったと思っています。


なお、‘プチプチ(エアパッキン)’を製造する川上産業は、在日チリ大使館を通じて、

33名がプチプチをつぶしてストレス解消に役立ててほしいとして、プチプチを寄贈したこ

とも報じられています。 さて、効果はあったのでしょうか?



(2010年10月15 日 ☆きらきら星☆)



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尖閣問題で思うこと

2010年10月08日 18時09分19秒 | ちょっと気になること
尖閣問題については、アジア欧州会議(ASEM)時に管総理と中国の温家宝首相が廊下で懇

談を行い、日中両国首脳が関係修復に向けて取り組むことを確認したと伝えられていま

す。 

中国の威圧的な態度に各国が懸念を示すのに敏感に反応して、中国はギリシア国債の購入

を表明するなど、ユーロ諸国への目配りにも余念がありません。 一方、日本国内では今

回の政府の対応について厳しい意見が相次いでいますが、民主党政権・管内閣は隣人(悪

しき隣人か、よき隣人かは別として)である大国中国と今後とも卑屈な態度で接していく

ように見受けられます。


今回のこの事案について、述べてみたいと思います。 



1、今回の尖閣問題は中国漁船による日本の主権侵害(領海侵犯)事案である


中国漁船と海上保安庁の巡視船の衝突や船長・船員の逮捕、釈放という現象面ばかりが強

調されて、今回の問題の本質を正面から論じたものが少ないように思われます。  

9月7日に中国漁船が日本の領海内に侵入したことが事件の発端であり、海上保安庁の巡視

船は、中国漁船に対して停船を通告するも従わずに逃走し、挙句の果てには、巡視船に意

図的に衝突するなど巡視船の行動を妨害したとして、公務執行妨害の容疑で逮捕しまし

た。

日本は「国際海洋法条約」を批准しており、「領海における外国船の航行に関する法律」

(領海法)が制定されているので、政府・海上保安庁はこの法律で対処すべきでした。 


即ち、外国船の日本領海の通常の航行ではないので領海法にもとずき、‘停船命令’、

‘立ち入り検査、’‘退去命令’、さらには‘逮捕’という行動をとりつつ、外交案件と

してタイミングを見計らって、首相官邸と外務省が中心になり政治決着を探るべきでし

た。


それを、公務執行妨害という純粋に国内法の問題に矮小化してしまったのが、そもそもの

誤りだったと思います。 公務執行妨害で逮捕したために、その後は、なんとなく日本

国内の法律違反問題とみなされ、那覇地方検察庁(石垣支部)が粛々と捜査を行い、証拠

を固めるという手続き論になってしまいました。それであるにせよ、その結果予見される

日中両国の政治的な軋轢をいかに最小限度に抑えるようにするかは、ひとえに政府の義務

であり、責任です。 


主権がからむ外交案件であることは明白にもかかわらず、その認識が全く欠如したまま、

政治的な解決を模索せずに、法手続きとして検察庁に丸投げしてしまったことは、管内閣

の取り返しのつかない大きな失態です。
  

9月24日、那覇地検が記者会見を開き、「国民への影響や今後の日中関係考慮して処分保

留のまま船長を釈放する」と発表、あくまでも検察自身の判断であることを強調しまし

た。 


これを受けて、管総理や柳田法務大臣、仙石官房長官など政府関係者は政治的介入は一切

していないと明言しました。

政府が外交ルートで政治的に解決すべき案件を、法と証拠のみで司法案件を処理する検察

に任せきりにしたのです。 開いた口がふさがらないとはこのような政府の対応のことを

いうのでしょうか。ほんとうに、検察が単独で政治的な判断で船長を釈放したのであれ

ば、検察が最も犯してはならないことを犯したことになります。 


今後、大物政治家等の絡む事件では常に政治的な判断をしたのではないかと指摘される可

能性があり、郵便不正事件での検事の証拠改ざんと合わせて、検

察は危機に瀕していると思います。 




2、中国は「大中華帝国」として認識すべき


中国はその昔周辺の諸国を「東夷西戎南蛮北荻」として蔑んでいました。(日本や朝鮮半

島の国々は‘東夷’) 中国は周辺諸国から朝貢を受け取り、回賜を授けて中国皇帝の威

徳を示す柵封体制を築きました。 柵封体制に組み込まれた各国王は朝貢を行うことによ

り、中国皇帝からの承認得て正統性の証としていました。 4千年の歴史を持つ世界に冠

たる中華思想は、今も漢民族のDNAとして連綿として受け継がれていると思います。 即

ち、中国人にとって意識の上では日本は‘東夷の属国’に過ぎないのです。
 


中国が資本主義的な制度を取り入れて、外資を積極的に導入し、欧米の先進技術を取り入

れ、経済的に目覚ましい発展をしています。 日本観光に来る中国人も激増して、なんと

なく、中国人・中国と言う国に親近感を感じるようになってきています。 中国が日本や

欧米諸国と同じ民主主義の国であると錯覚している日本人が少なくないように感じていま

すが、統治体制は共産党一党独裁であることは依然として変わりません。 中国に進出し

た企業が困惑しているのは、法律が整備されているわけではなく、ある日突然に様々な制

度が変わることです。 このことで中国は‘法治ではなく人治の国’とよく言われていま

す。
 

共産党の統治体制を守るために、強大な公安警察や諜報部門があります。 共産党の批判

が許されないのは勿論で、いまでも、民主活動家が拘禁されています。 中国を訪れる外

国人はこの、常に公安や諜報組織の目を意識しなければなりません。 特に日本人に対し

ては、国民感情からも監視の目を光らせていると思います。


10月8日にノーベル平和賞に中国の反体制人権活動家で懲役刑で服役中の 劉暁波氏

に決定しました。中国は国内法違反の犯罪者への授賞ということで激しく反発、ノルウエ

ーへの経済的制限を示唆する発言をしています。ノーベル平和賞はノルウエー政府や国会

から独立した委員会が決定しますので、中国のノルウエー政府批判は筋違いです。 大

国・中国の経済的な圧力をおそれて、各国が中国に対して腫れ物に触るような対応をして

いる中で、ノーベル賞委員会が毅然とした対応をしたことは、特筆すべきものと思いま

す。
  


3、中国では外国人(特に日本人)は危機管理を怠らないこと


 尖閣での中国漁船逮捕に報復するかのように、中国河北省石家荘市の国家安全機関(諜

報)は日本の中堅ゼネコン企業であるフジタの社員4名を、軍事区域に侵入してビデオ撮

影したとして、9月21日に拘束しました。 3名は10月1日に釈放されましたが、残る1名は

依然として拘束されたままです。 フジタの社員が逮捕された21日のころは、日中間には

尖閣問題でギクシャクしていた最中でした。
 

<9月24日 毎日新聞>


「フジタや内閣府によると、同社が受注を目指しているのは、旧日本軍が戦時中に遺棄し

た化学兵器を処理するための施設。最初の施設は今月1日に南京市で稼働しており、石家

荘でも来年度の完成を目指している。設置する設備の製作は神戸製鋼に発注済みだが、現

地に運んだ後の設置工事などの入札を今年度中に行う予定だった。フジタは南京の施設で

工事を受注しており、石家荘でも受注をにらんで、現地視察を実施したという。

 しかし、同市には北京を防衛するための軍事拠点などがあり、内閣府の担当者は「化学

兵器の処理施設なので、当然警備が厳重な場所に設置される」と話す。フジタ側から内閣

府や中国当局への事前の連絡はなく、フジタの担当者は「住所を頼りに独自の判断で行っ

た」と厳しい表情で話した。一方で、「現地が軍事管理区域という認識があれば撮影など

はしなかったと思う。このような大きな事態になるとは思わなかった」と突然の拘束に困

惑した表情を見せた。 」


この記事を読む限り、フジタは軍事地域に立ち入るという認識がなかったということです

が、化学兵器がおいてある現場ですから、軍事施設であると考える方が自然です。

上記2の通り、中国では外国人、特に日本人は公安や諜報部門の目を意識して行動すべき

で、 尖閣問題で日中両政府が神経質になっている時期であること、遺棄化学兵器処理と

いう特殊な業務であること、日本企業・日本人が実施すること、などを考えると、フジタ

側には、同様の業務を南京で実施しているということからか、‘慣れ’があったのか、少

し危機管理に対する甘さがあったのではないかと感じられます。
 



4、日米安全保障の重要さと東南アジア諸国との連携の大事さを認識すべき


 今回の尖閣沖での中国の高圧的な行動の意味するものは、東シナ海での中国権益の拡大

です。 このために、今後多くの中国漁船が出漁してくるようになり、漁船の保護という

名目で多くの覆面武装船(魚政)を出してくると思われます。 日米中等距離外交など現

実を無視した認識しきしか持っておらず、かつ国家主権の認識の欠如している民主党政権

では心もとなく思われます。

対中国には日米同盟を堅持していくということが重要だと改めて認識できたのではないで

しょうか。 

また、南シナ海で中国と南沙諸島の領有権問題がある フィリピン、マレーシア、ベトナ

ム、インドネシア、ブルネイの諸国と連携していくことが必要になります。 




5、経済面での中国偏重依存を脱するべき。


世界の工場となった中国には多くの日本の企業が進出しています。中国からの調達、中国

への輸出が企業の存立を左右するまでになっているようです。 レアアースもその一例で

す。 レアアースを含むレアメタルの中国依存の危うさについては、大分前から指摘され

てきました。 しかし、一向に見直されることは有りませんでした。 中国によるレアア

ースの輸出禁止発動で、現実に危険さが身にしみてわかったというところでしょうか。 

資源・食料・生産工場などで東アジア諸国への分散を一日も早く行うべきです。 特にイ

ンドは中国とライバル関係にありますので、経済面でのインドとの結びつきの強化を探る

必要があります。




6、海上保安庁を「国家公安委員会」の下におき、同時に人的・装備面での強化を行う。


(1)現在、海上保安庁は「国土交通省」に属しており、海難救助や海上の交通安全な

   どの従来からの任務とともに、海上警察(領海警備、海用調査)を主たる任務とし

   ていますが、海上警察の業務がますます増大し、かつ重要になってきていることを

   考えると、 警察庁と同じく、国家公安委員会の下に置き、陸上と海上警察を一元

   的に管理するべきと思います。       
 

(2)そのためにも、海上保安庁の人的面での増強、巡視船やヘリコプターなど装備面で

   の強化を早急に行うべきと思います。




7、尖閣沖での今後の対応


(1)尖閣諸島は、個人所有となっているので、国有にするなど領土保全を行う。

   所有者がなんらかの理由で、中国や台湾系始め外国の企業や個人に売却するような

   事態が出てくることも予想されますので、政府は買い上げも含めて日本の領土保全

   をおこなうべきです。現に、対馬では韓国系企業や個人による不動産の購入が行わ

   れていると報じられています。


(2)尖閣沖のパトロール等の警備活動の強化


(3)尖閣諸島に港湾施設を整備し、ヘリポートや恒久建設物の設置(上陸者の待機所な

   ど)を行う。


(4)将来は尖閣諸島に自衛隊の駐屯を考える。




(2010年10月9日 ☆きらきら星☆) 






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