私が入院していた回復期リハビリ病院では、通常は3ヶ月(正確には発症後)で退院とな
ります。 病院から言われた訳ではないのですが、患者同士では、3ヶ月までと話していま
た。 実際ほとんどすべての患者が3ヶ月で退院になっています。 少しでも歩けるよう
になった人は自宅に帰りますし、若くてまだ歩けない人は、別の病院に転院する場合があり
ます。また老健等の施設に入る人もいます。
リハビリに健康保険が適用されるのは、発症後6ヶ月間ですが、入院後3ヶ月までと4ヶ月目
以降とでは、診療報酬額が大幅に異なること。これは、厚生労働省指導の‘退院率’という
基準があり、病院は3ヶ月目でこの退院率をクリヤーしないと経営的に大きな影響を被ると
テレビ報道されていたのを思い出します。 退院率基準は現在も変わっていないのではない
かと思います。
さて、入院後3ヶ月目にはいると退院に向けての様々な取り組みが出てきます。 私の場合
を紹介します。
①自宅復帰を前提にして、階段の上り降り訓練、並びに自宅の風呂、トイレの確認
療法士から妻に家庭内の段差(玄関、風呂場、トイレ その他)の確認のために、段差部
分の寸法を記入した写真を提出するよう求められました。私の自宅(集合住宅)は道路か
ら階段(15段)があることが分かると、療法士は、この階段を想定し、ほぼ同じ段差の上
り下り訓練を開始しました。 「この階段を上り下りできなければ、お家に帰れません
よ」と言いながら。
また、3ヶ月目も中盤になると、一時帰宅時も行いましたが、療法士が自宅に来訪し、自
宅マンションの入り口階段の上り降りの確認、浴槽の出入り、便座に着座のときの体の動
きを確認し、さらに取り付け予定の手すりの位置の指導を受けました。
③会社復帰を前提にして、公共交通機関の利用訓練
退院も秒読みになって来ると、療法士が付き添って、実際にバスに乗り降りする訓練、
駅で実際にエスカレーターに乗り降りする訓練、電車に乗り次の駅まで行き、帰って来
て降車する訓練、さらに駅の階段を上り下りする訓練 などを受けました。
このように退院に向けて実にきめ細かな対応をしていただき、お陰をもってスムーズに自宅
での生活に帰ることが出来ました
(花熟里)