最近、東京都の神代植物園で「ショクダイオオコンニャクの花」が咲いたとの新聞報道がなされました。神代植物園のHPより拝借、転載します。
『 ショクダイオオコンニャクは、インドネシア・スマトラ島原産のサトイモ科コンニャク属の植物です。別名をスマトラオオコンニャクともいい、世界最大級の花を咲かせる植物として知られ、大きいものでは高さ3メートルを超えます。
その名のとおり燭(しょく)台(だい)のような花を数年に一度開花させるといわれており、その花は開花してから数日しか持ちません。花は肉が腐ったような強烈な悪臭を放つことから死体花、またその大きさからお化け花と呼ばれることがあります。 国内での開花は非常にまれで、当園のほか、小石川植物園、フラワーパークかごしま、はままつフラワーパーク、筑波実験植物園など10例程度しかありません。』
私のこのブログでも、「スマトラオオコンヤクの花」について触れたことがありますので、以下に再掲します。
<2010年9月18日付の記事の再掲>
ちょっと古くなりますが、世界一大きな花である 「スマトラオオコンニャクの花」が東京の小石川植物園で咲いたとTVや新聞などで7月22日に報道されました。
写真をみると、完全に開花しているのではなく、開花したものの、完全に開花したのではなく、途中でしぼんでしまったというのが実情のようです。
また、鹿児島県の指宿市にある‘フラワーパークかごしま’で、スマトラオオコンニャクについては、8月2日に開花が始まりましたが、5日に完全にしぼんでしまい、結局完全な開花とはなりませんでした。 日本国内での完全な形の開花は難しいようです。
世界一大きな花は二種類あります。 一つは「ラフレシア」であり、もうひとつは「オオコンニャク」です。私はインドネシアに駐在していた時に、スマトラ島に旅行して、これらの花を地元の人に尋ねましたが、もともとこれらの花は、山の中にひっそりと咲くので、地元の人も実際にみるのは稀だそうで、しかも開花のタイミングにチョットあわなかったりで、残念ながら野生の花は見たことがありません。 野生のラフレシアやオオコンニャクがあるという西スマトラの Benkuru州 でTシャツを買いました。
ジャカルタ郊外の植物園にあるスマトラオオコンニャク(インドネシア語では Bunga Bankai :ブンガバンカイ) が開花した時に見に行ったことがあります。
(ジャカルタ郊外の植物園のスマトラオオコンヤクの開花)

(スマトラ島ブンクル州で買ったTシャツ)
スマトラオオコンニャクの花とラフレシアの花がデザインされています。

さる7月29日、NHK総合TV でスマトラオオコンニャク開花の瞬間をとらえた模様が再放送されました。 (2006年に「ダーヴインが来た」で放送されたもの) 開花の瞬間は圧巻としか言いようがありません。 開花の時に発する強烈な腐ったような臭いが昆虫を引き付ける為であり、昆虫に花粉を受粉させるために、開花時期を個体ごとに微妙にずらせていることなど、何千年もかけて獲得してきた種の保存への畏敬の念が湧きます。
以下はNHKの番組の案内を拝借したものです。
インドネシア・スマトラ島のジャングルだけに咲くスマトラオオコンニャク。最大で高さ2.6メートル、直径も1.5メートルという世界最大の花です。しかも、7年に一度、わずか2日間だけしか咲かない幻の花でもあります。その開花の瞬間を、ハイビジョン カメラで初めて捉えることに成功しました。
花の存在が世界に知られたのは19世紀末。ロンドンのキュー植物園で初めて開花すると、 人々は自分の背丈をはるかに上回る巨大さに大きな衝撃を受けました。そして花が出す、ある「とてつもない力」のために、見物客が気絶したと言われています。一体何が起こっ たんでしょうか?
1ヶ月以上にわたってジャングルをくまなく探索し、ついに巨大花のつぼみを発見。成長の様子を固定カメラで記録しました。1日10センチという驚異的な速度で急成長し、 10日後、ついに開花のときを迎えました。
開花の瞬間、その巨体からもくもくと湯気が吹き出してきました。この湯気にこそ、人々を気絶させるほど強烈な「とてつもない力」が秘められていたのです!スマトラオオコンニャクは、大きさだけでなく、その強烈な力に関しても世界一の称号を与えられた、世にもまれな世界二冠王の花だったのです。
「スマトラ島に、人の背丈を超える花がある!」知人のカメラマンから、初めてこの話を聞いたとき、最初はそれほど強く心を惹かれることはありませんでした。大きいと言っても、相手は動かぬ花だし、オドロキも一瞬で終わってしまうなら、テレビ番組で取り上げるのは難しいだろうと思ったからです。でも、百聞は一見にしかず。巨大花の絵を見せてもらった瞬間、ググッと来ました。それは、第二次大戦中に出版された『南の植物』という本の挿絵です。ヘルメットをかぶった日本兵の横に、人を食ってしまうかというほど大きな花の絵が描かれていました。カメラマン氏が、少年の頃にその絵を見て以来、巨大花の虜になった、というのも頷ける、実に妖しい光景で。 さらに調べていくうちに、もっと興味深いことが色々分かってきました。決定的だったのは、この花が2つの「世界一」の記録を持っているという事実でした。巨大花スマトラオオコンニャクは、直径1.5m、高さ3mに達します。
一つめの「世界一」は当然、「世界最大の花」です。そして、もう一つの「世界一」は、 花が咲いた瞬間にだけ発揮される特別な力だというのです。そう言われれば、なんとしても開花の瞬間に立ち会い、実際にその「世界一」体験してみたくなるのがディレクターのサガというものです。かくして、世界2冠王の花を求める無謀な?旅が始まったのです。
さて、みなさんの中には「世界最大の花」と言えば、「ラフレシア」という名前を思い浮かべる方も多いかもしれません。実際、ラフレシアも世界最大の花であることに間違いはありません。ラフレシアにも何種類かあり、正確には、ラフレシア・アーノルディという種類が、直径1メートル近い世界最大の花を咲かせます。ではスマトラオオコンニャクとラフレシア、なぜ2つの「世界最大」があるのかご説明します。実は、ラフレシアは「単独の花」として、スマトラオオコンニャクは「花の集まり」として、それぞれ世界最大なのです。一見すると一つの巨大な花のようなスマトラオオコンニャクですが、実は、 多数の雄花・雌花が集まった「花序」と呼ばれる花の集合体です。直径1.5m、高さ3mという怪物のような大きさは、集合体だからこそのサイズなのです。 そんな「世界一」の花がいくつも咲いているスマトラ島の熱帯雨林、まさに、世界に一つだけの、かけがえのない自然なのです。
以上
<2015年7月25日 花熟里>
『 ショクダイオオコンニャクは、インドネシア・スマトラ島原産のサトイモ科コンニャク属の植物です。別名をスマトラオオコンニャクともいい、世界最大級の花を咲かせる植物として知られ、大きいものでは高さ3メートルを超えます。
その名のとおり燭(しょく)台(だい)のような花を数年に一度開花させるといわれており、その花は開花してから数日しか持ちません。花は肉が腐ったような強烈な悪臭を放つことから死体花、またその大きさからお化け花と呼ばれることがあります。 国内での開花は非常にまれで、当園のほか、小石川植物園、フラワーパークかごしま、はままつフラワーパーク、筑波実験植物園など10例程度しかありません。』
私のこのブログでも、「スマトラオオコンヤクの花」について触れたことがありますので、以下に再掲します。
<2010年9月18日付の記事の再掲>
ちょっと古くなりますが、世界一大きな花である 「スマトラオオコンニャクの花」が東京の小石川植物園で咲いたとTVや新聞などで7月22日に報道されました。
写真をみると、完全に開花しているのではなく、開花したものの、完全に開花したのではなく、途中でしぼんでしまったというのが実情のようです。
また、鹿児島県の指宿市にある‘フラワーパークかごしま’で、スマトラオオコンニャクについては、8月2日に開花が始まりましたが、5日に完全にしぼんでしまい、結局完全な開花とはなりませんでした。 日本国内での完全な形の開花は難しいようです。
世界一大きな花は二種類あります。 一つは「ラフレシア」であり、もうひとつは「オオコンニャク」です。私はインドネシアに駐在していた時に、スマトラ島に旅行して、これらの花を地元の人に尋ねましたが、もともとこれらの花は、山の中にひっそりと咲くので、地元の人も実際にみるのは稀だそうで、しかも開花のタイミングにチョットあわなかったりで、残念ながら野生の花は見たことがありません。 野生のラフレシアやオオコンニャクがあるという西スマトラの Benkuru州 でTシャツを買いました。
ジャカルタ郊外の植物園にあるスマトラオオコンニャク(インドネシア語では Bunga Bankai :ブンガバンカイ) が開花した時に見に行ったことがあります。
(ジャカルタ郊外の植物園のスマトラオオコンヤクの開花)

(スマトラ島ブンクル州で買ったTシャツ)
スマトラオオコンニャクの花とラフレシアの花がデザインされています。

さる7月29日、NHK総合TV でスマトラオオコンニャク開花の瞬間をとらえた模様が再放送されました。 (2006年に「ダーヴインが来た」で放送されたもの) 開花の瞬間は圧巻としか言いようがありません。 開花の時に発する強烈な腐ったような臭いが昆虫を引き付ける為であり、昆虫に花粉を受粉させるために、開花時期を個体ごとに微妙にずらせていることなど、何千年もかけて獲得してきた種の保存への畏敬の念が湧きます。
以下はNHKの番組の案内を拝借したものです。
インドネシア・スマトラ島のジャングルだけに咲くスマトラオオコンニャク。最大で高さ2.6メートル、直径も1.5メートルという世界最大の花です。しかも、7年に一度、わずか2日間だけしか咲かない幻の花でもあります。その開花の瞬間を、ハイビジョン カメラで初めて捉えることに成功しました。
花の存在が世界に知られたのは19世紀末。ロンドンのキュー植物園で初めて開花すると、 人々は自分の背丈をはるかに上回る巨大さに大きな衝撃を受けました。そして花が出す、ある「とてつもない力」のために、見物客が気絶したと言われています。一体何が起こっ たんでしょうか?
1ヶ月以上にわたってジャングルをくまなく探索し、ついに巨大花のつぼみを発見。成長の様子を固定カメラで記録しました。1日10センチという驚異的な速度で急成長し、 10日後、ついに開花のときを迎えました。
開花の瞬間、その巨体からもくもくと湯気が吹き出してきました。この湯気にこそ、人々を気絶させるほど強烈な「とてつもない力」が秘められていたのです!スマトラオオコンニャクは、大きさだけでなく、その強烈な力に関しても世界一の称号を与えられた、世にもまれな世界二冠王の花だったのです。
「スマトラ島に、人の背丈を超える花がある!」知人のカメラマンから、初めてこの話を聞いたとき、最初はそれほど強く心を惹かれることはありませんでした。大きいと言っても、相手は動かぬ花だし、オドロキも一瞬で終わってしまうなら、テレビ番組で取り上げるのは難しいだろうと思ったからです。でも、百聞は一見にしかず。巨大花の絵を見せてもらった瞬間、ググッと来ました。それは、第二次大戦中に出版された『南の植物』という本の挿絵です。ヘルメットをかぶった日本兵の横に、人を食ってしまうかというほど大きな花の絵が描かれていました。カメラマン氏が、少年の頃にその絵を見て以来、巨大花の虜になった、というのも頷ける、実に妖しい光景で。 さらに調べていくうちに、もっと興味深いことが色々分かってきました。決定的だったのは、この花が2つの「世界一」の記録を持っているという事実でした。巨大花スマトラオオコンニャクは、直径1.5m、高さ3mに達します。
一つめの「世界一」は当然、「世界最大の花」です。そして、もう一つの「世界一」は、 花が咲いた瞬間にだけ発揮される特別な力だというのです。そう言われれば、なんとしても開花の瞬間に立ち会い、実際にその「世界一」体験してみたくなるのがディレクターのサガというものです。かくして、世界2冠王の花を求める無謀な?旅が始まったのです。
さて、みなさんの中には「世界最大の花」と言えば、「ラフレシア」という名前を思い浮かべる方も多いかもしれません。実際、ラフレシアも世界最大の花であることに間違いはありません。ラフレシアにも何種類かあり、正確には、ラフレシア・アーノルディという種類が、直径1メートル近い世界最大の花を咲かせます。ではスマトラオオコンニャクとラフレシア、なぜ2つの「世界最大」があるのかご説明します。実は、ラフレシアは「単独の花」として、スマトラオオコンニャクは「花の集まり」として、それぞれ世界最大なのです。一見すると一つの巨大な花のようなスマトラオオコンニャクですが、実は、 多数の雄花・雌花が集まった「花序」と呼ばれる花の集合体です。直径1.5m、高さ3mという怪物のような大きさは、集合体だからこそのサイズなのです。 そんな「世界一」の花がいくつも咲いているスマトラ島の熱帯雨林、まさに、世界に一つだけの、かけがえのない自然なのです。
以上
<2015年7月25日 花熟里>