花熟里(けじゅくり)の静かな日々

脳出血の後遺症で左半身麻痺。日々目する美しい自然、ちょっと気になること、健康管理などを書いてみます。

スマトラオオコンヤクの花

2015年07月25日 08時12分43秒 | インドネシア
最近、東京都の神代植物園で「ショクダイオオコンニャクの花」が咲いたとの新聞報道がなされました。神代植物園のHPより拝借、転載します。

『 ショクダイオオコンニャクは、インドネシア・スマトラ島原産のサトイモ科コンニャク属の植物です。別名をスマトラオオコンニャクともいい、世界最大級の花を咲かせる植物として知られ、大きいものでは高さ3メートルを超えます。
その名のとおり燭(しょく)台(だい)のような花を数年に一度開花させるといわれており、その花は開花してから数日しか持ちません。花は肉が腐ったような強烈な悪臭を放つことから死体花、またその大きさからお化け花と呼ばれることがあります。 国内での開花は非常にまれで、当園のほか、小石川植物園、フラワーパークかごしま、はままつフラワーパーク、筑波実験植物園など10例程度しかありません。』

私のこのブログでも、「スマトラオオコンヤクの花」について触れたことがありますので、以下に再掲します。
<2010年9月18日付の記事の再掲>

ちょっと古くなりますが、世界一大きな花である 「スマトラオオコンニャクの花」が東京の小石川植物園で咲いたとTVや新聞などで7月22日に報道されました。 
写真をみると、完全に開花しているのではなく、開花したものの、完全に開花したのではなく、途中でしぼんでしまったというのが実情のようです。
また、鹿児島県の指宿市にある‘フラワーパークかごしま’で、スマトラオオコンニャクについては、8月2日に開花が始まりましたが、5日に完全にしぼんでしまい、結局完全な開花とはなりませんでした。 日本国内での完全な形の開花は難しいようです。

世界一大きな花は二種類あります。 一つは「ラフレシア」であり、もうひとつは「オオコンニャク」です。私はインドネシアに駐在していた時に、スマトラ島に旅行して、これらの花を地元の人に尋ねましたが、もともとこれらの花は、山の中にひっそりと咲くので、地元の人も実際にみるのは稀だそうで、しかも開花のタイミングにチョットあわなかったりで、残念ながら野生の花は見たことがありません。 野生のラフレシアやオオコンニャクがあるという西スマトラの Benkuru州 でTシャツを買いました。 

ジャカルタ郊外の植物園にあるスマトラオオコンニャク(インドネシア語では Bunga Bankai :ブンガバンカイ) が開花した時に見に行ったことがあります。 


(ジャカルタ郊外の植物園のスマトラオオコンヤクの開花)





(スマトラ島ブンクル州で買ったTシャツ)
スマトラオオコンニャクの花とラフレシアの花がデザインされています。





さる7月29日、NHK総合TV でスマトラオオコンニャク開花の瞬間をとらえた模様が再放送されました。 (2006年に「ダーヴインが来た」で放送されたもの) 開花の瞬間は圧巻としか言いようがありません。 開花の時に発する強烈な腐ったような臭いが昆虫を引き付ける為であり、昆虫に花粉を受粉させるために、開花時期を個体ごとに微妙にずらせていることなど、何千年もかけて獲得してきた種の保存への畏敬の念が湧きます。


以下はNHKの番組の案内を拝借したものです。

インドネシア・スマトラ島のジャングルだけに咲くスマトラオオコンニャク。最大で高さ2.6メートル、直径も1.5メートルという世界最大の花です。しかも、7年に一度、わずか2日間だけしか咲かない幻の花でもあります。その開花の瞬間を、ハイビジョン カメラで初めて捉えることに成功しました。
花の存在が世界に知られたのは19世紀末。ロンドンのキュー植物園で初めて開花すると、 人々は自分の背丈をはるかに上回る巨大さに大きな衝撃を受けました。そして花が出す、ある「とてつもない力」のために、見物客が気絶したと言われています。一体何が起こっ たんでしょうか?
1ヶ月以上にわたってジャングルをくまなく探索し、ついに巨大花のつぼみを発見。成長の様子を固定カメラで記録しました。1日10センチという驚異的な速度で急成長し、 10日後、ついに開花のときを迎えました。
開花の瞬間、その巨体からもくもくと湯気が吹き出してきました。この湯気にこそ、人々を気絶させるほど強烈な「とてつもない力」が秘められていたのです!スマトラオオコンニャクは、大きさだけでなく、その強烈な力に関しても世界一の称号を与えられた、世にもまれな世界二冠王の花だったのです。

「スマトラ島に、人の背丈を超える花がある!」知人のカメラマンから、初めてこの話を聞いたとき、最初はそれほど強く心を惹かれることはありませんでした。大きいと言っても、相手は動かぬ花だし、オドロキも一瞬で終わってしまうなら、テレビ番組で取り上げるのは難しいだろうと思ったからです。でも、百聞は一見にしかず。巨大花の絵を見せてもらった瞬間、ググッと来ました。それは、第二次大戦中に出版された『南の植物』という本の挿絵です。ヘルメットをかぶった日本兵の横に、人を食ってしまうかというほど大きな花の絵が描かれていました。カメラマン氏が、少年の頃にその絵を見て以来、巨大花の虜になった、というのも頷ける、実に妖しい光景で。 さらに調べていくうちに、もっと興味深いことが色々分かってきました。決定的だったのは、この花が2つの「世界一」の記録を持っているという事実でした。巨大花スマトラオオコンニャクは、直径1.5m、高さ3mに達します。

一つめの「世界一」は当然、「世界最大の花」です。そして、もう一つの「世界一」は、 花が咲いた瞬間にだけ発揮される特別な力だというのです。そう言われれば、なんとしても開花の瞬間に立ち会い、実際にその「世界一」体験してみたくなるのがディレクターのサガというものです。かくして、世界2冠王の花を求める無謀な?旅が始まったのです。


さて、みなさんの中には「世界最大の花」と言えば、「ラフレシア」という名前を思い浮かべる方も多いかもしれません。実際、ラフレシアも世界最大の花であることに間違いはありません。ラフレシアにも何種類かあり、正確には、ラフレシア・アーノルディという種類が、直径1メートル近い世界最大の花を咲かせます。ではスマトラオオコンニャクとラフレシア、なぜ2つの「世界最大」があるのかご説明します。実は、ラフレシアは「単独の花」として、スマトラオオコンニャクは「花の集まり」として、それぞれ世界最大なのです。一見すると一つの巨大な花のようなスマトラオオコンニャクですが、実は、 多数の雄花・雌花が集まった「花序」と呼ばれる花の集合体です。直径1.5m、高さ3mという怪物のような大きさは、集合体だからこそのサイズなのです。 そんな「世界一」の花がいくつも咲いているスマトラ島の熱帯雨林、まさに、世界に一つだけの、かけがえのない自然なのです。

以上


<2015年7月25日 花熟里>
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「日本の家電・シャープとソニーの戦略」

2014年03月11日 11時42分12秒 | インドネシア
最近シャープ・インドネシアに関してちょっと気を引くニュースを目にしました。『エアコン:"Sayonara Panas"、テレビの:"Alexander IIOTO"、冷蔵庫:”kirei”・ "Samurai"といった商品群ローカル・フィット(local fit)商品が、インドネシア人の心を捉えて、大ヒットしているというのです。
去る2月12日にはシャープ・インドネシアの新家電工場の完成式が行われました。この工場では冷蔵庫や洗濯機を生産し、既存の家電工場製品も合わせて、インドネシア国内だけでなく、アセアンやアフリカ諸国への輸出拠点にする構想だそうです。

シャープは液晶の不振で経営基盤が弱体化し、台湾メーカーの資本参加も行いましたので、いずれ海外メーカーの傘下(子会社)になるのではないかと思っていましたが、戦略的に、インドネシアで106億円を投じて2012年初めに冷蔵庫や洗濯機の新たな工場の建設に着工し、このたびの完成式典にこぎつけたものです。
新工場は同社の海外工場の中でも最大規模で、敷地面積は31万平方メートル、従業員は2015年には1,200~1,500人、2014年度中にフル生産(冷蔵庫22万台/月、洗濯機14万台/月)に入ります。

シャープは、インドネシアではエアコンを除く白物家電でトップシェアを誇っています(洗濯機で30%、冷蔵庫で40%)。  2012年のインドネシアの家電普及率はテレビが87%、冷蔵庫は20%、エアコンは16%、洗濯機は17%で、今後の経済成長により、冷蔵庫と洗濯機の需要は今後も毎年15~20%の割合で伸びるとの見通しがなされています。

家電で画期的な新商品が出にくい現在、シャープ家電のインドネシアでの成功は、わが国家電メーカーの今後の戦略の選択枝を示唆しています。 ひとつは、日本国内での開発技術を利用して、高性能・多機能な家電の開発に日本国内で注力していく方法です。 シャープで進められている「生態模倣技術」もその例です。昆虫や鳥、哺乳類などが進化の過程で獲得した機能や仕組みを商品に取り入れていくもので、ネコの舌構造をサイクロン掃除機に採用する、などシャープで取り組みが進められています。これには、日本国内での技術開発力が必要で、開発後しばらくは日本国内生産が期待できますが、いずれ、他のメーカー、海外メーカーが追随する可能性が高いと思われます。
「そこが知りたい家電の新技術 『イルカ、トンボ、ネコ、アホウドリの生態が白物家電を変える!~シャープが挑む“生態模倣学”の成果を追う by 大河原 克行』<家電watch:2012年2月23日>

他の選択枝は、シャープ・インドネシアで成功した、「ローカル・フィット(laocal fit)商品」の開発です。こちらは、既存技術を応用しつつ、風土に合致し住民の要望を取り入れた商品を量産していくもので、発展途上国などでは有効で、海外諸国での生産になります。
製品改善事例(海外):「インドネシアにおけるローカルフィット商品の展開」
              冷蔵庫(kireiシリーズ)
http://www.sharp.co.jp/corporate/eco/social/customers/improvement/examples/index.html

自動車、鉄鋼、重電など、日本経済の従来からの基幹分野の企業のH26年3月期の業績見込みの上方修正が相次いでいます。アベノミクス効果を受けて利益の上積みが行われるためです。 家電の中でもパナソニック・シャープは前年度の赤字決算から、黒字転換と急速に回復していますが、ソニーは今3月期決算見通しで、1100億円の巨額の赤字と苦境に陥っています。 去る2月6日に、「ソニーが:PCから完全撤退、テレビ分社化で5000人リストラ」というニュースが流されました。  今後は、「スマホ」「ゲーム」「画像センサー」を成長の3本柱に位置付けるとしていますが、韓国のサムスンで利益全体の66%を稼ぎ出すスマホが、事業の成熟化から販売不振に陥り、勢いに翳りが出てきているという指摘がなされていること、さらに、ゲーム関連では「プレイステーション4(PS4)」の販売が、3月2日時点での全世界累計が600万台(日本国内の37万台を含む)と好調なようで、今後、スマホなどネット機能との融合を進める戦略のようですが、果たして、ソニーの主軸製品になりうるのか現時点では不透明です。 TVは映画分野や放送機器ともつながっているので、分社化して事業継続するとのことですが、ソニーは、経営資源を集中して投資するような分野を探しあぐねている印象がぬぐえませんし、かつてのように世界規模で“ライフスタイルを変える”ような新製品を出せないソニーの苦悩はまだまだ続きそうです。


「シャープ、インドネシア新工場の完成式典」<日経新聞:2014/2/12>
シャープは12日、インドネシアで昨年9月に稼働した白物家電の新工場の完成式典を開いた。出席した高橋興三社長は記者会見で、部品の現地調達率の拡大などで製品競争力を高めるため「インフラ開発や原料メーカー誘致を進めてもらいたい」と地元政府に要請。新工場を軌道に乗せ、周辺諸国やアフリカへの輸出拠点としても育成する考えだ。 新工場は首都ジャカルタ郊外の西ジャワ州カラワン県に建設。2015年半ばにフル稼働させ、インドネシアでの冷蔵庫や洗濯機の生産能力が2~2.5倍に高まる。   現地工場のさらなる増設について高橋社長は「1~2年後に必要なら今回の工場が設計ミスということになる」と指摘。フル稼働後の需要動向を踏まえて増設の是非を検討する考えを示した。

(2014年3月11日 花熟里)
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<スカルノ初代大統領ゆかりの地-(3)>

2013年08月30日 11時19分34秒 | インドネシア
スカルノ初代大統領のジャカルタ市内のゆかりの建物などは、多くのところで紹介されていますが、シリーズの一環として参考までに。

<ジャカルタ市内>
【独立宣言文起草博物館】
日本海軍 前田 精(タダシ) 少将)の邸宅。1945年8月17日、スカルノとハッタの2人が「インドネシア国民の名において」インドネシアの独立を宣言。2階建ての洋館。1階にスカルノ、ハッタ他が独立宣言文を起草した部屋、清書用のタイプライタールーム、宣言文の下書き(コピー)などを展示。





【独立宣言文草稿】




【独立宣言】








独立宣言
我々、インドネシア人民は、
ここにインドネシアの独立を宣言する。
権力及びその他の委譲に関する事柄は、
完全且つ出来るだけ迅速に行われる。

ジャカルタ、1945年(皇紀2605年)年8月17日
インドネシア人民の名において

 スカルノ - ハッタ

(注)日付けはインドネシア語の原文では、「hari 17 boelan 8 tahoen 05」となっており、日本の皇紀【2605年=西暦1945】となっている。


【独立宣言文の清書に使われたタイプライター】
(後ろの胸像は宣言文をタイプしたSayuti Melik)


【独立宣言記念公園】
(独立宣言が読み上げられたスカルノの自宅付近)







【2013年8月30日 花熟里】

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<スカルノ初代大統領ゆかりの地-(2)>

2013年08月22日 12時25分11秒 | インドネシア
<バンカ・ブリトゥン州・バンカ島;2000年4月訪問>

1948年12月からバンカ島西部のムントックに1年間幽閉。

【ムントックのスカルノの住居跡】















【パンカルピナン(州都)市内の様子、海岸】





【焼畑の様子】


【2013年8月22日 花熟里】



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<スカルノ初代大統領ゆかりの地-(1)>

2013年08月17日 11時03分33秒 | インドネシア
インドネシア駐在時にインドネシア国内を旅しましたが、帰国して15年経っても写真の整理が出来ていなかったのですが、先般、慰霊碑シリーズを記載するに当たり、少しずつ整理を始めました。
今回は、オランダにより、スカルノが流されていたマトラ島ブンクル、バンカ島、さらに、ジャカルタ市内のスカルノ領関係の建物を取り上げます。

<スマトラ島ブンクル州:2001年3月訪問>
1938年2月、スマトラ島南西部ベンクル州の州都ブンクルに約4年間流刑。ここで、ファトマワティ(第一夫人・メガワティの母)と結婚。

【スカルノの住居跡・ファトマワティの肖像画が飾ってある】






【マールボーロ要塞跡・要塞から見る海岸】




【ブンクル市内】



【2013年8月17日 花熟里】



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