東京・府中市美術館で開催中のマリー・ローランサン展に行って来ました。BS日テレ「ぶらぶら美術・博物館」でも取り上げられ、「儚く美しい少女たち、フランスの“元祖”かわいい絵」という副題をつけて紹介されています。 日本でのローランサンの人気は、フランスに勝るとも劣らないようで、ローランサン専門の美術館が日本に世界に先駆けて作られました。
【1983年(昭和58年)に長野県蓼科に高野将弘氏が個人でローランサン美術館を開設しました。しかし、2011年(平成23年)9月末にローランサン美術館は閉館、100点余の絵画コレクションは維持され、今回の府中美術館のような貸出展などで展示されています】
マリー・サンローランの魅力について、府中市美術館の学芸員の音 ゆう子氏は次のように述べています。
「なぜ、ローランサンの絵は、私たち日本人の心を、これほどまでに強く捉えてきたのでしょうか。 ――-略―― 色や形といった絵の造形そのものの魅力です。たとえば、代表作「接吻」のピンク、水色、グレー、といった淡色、そして、角ばったところのまるでない、ゆるやかな形。 彼女らしい造形を、あえて一言で表せば、「かわいらしい造形」です。これが私たちを惹きつけるのです。 ――略―― 日本では古くから、重厚で壮大なものばかりではなく、繊細ではかないもの、愛らしいものにも美しさを見出してきた伝統があります。今日でも「かわいい造形」に対する感受性を、たしかに持ち続けていることも感じました」
学芸員の音さんの言葉に凝縮されていますが、日本画のもつ繊細な美と共通するものを、ローランサンの絵にから感じます。府中美術館の観客はほとんど女性でしたが、男性でも好きな人は多いものと思います。
ローランサン大好きの黒柳徹子さんは,『徹子の部屋』にもローランサンの絵を飾っていますが、府中市美術館のインタビューで次のように言っています。さすがですね。フェニズム教祖の上野千鶴子女史(東京大学名誉教授)に読ませたいです。
「女の人はできる限りこういうものを見てほしいと思っています。今、女の人も強くなって、お仕事もバリバリやらなきゃならないけれど、仕事はバリバリやってもいいですから、「どこか女っぽいものもいいな」と思う心、こういうものも「いいな」って思うような感受性を持ち続けてほしい。」
冒頭で書きましたが、ローランサン美術館は閉館され、個人所蔵の貴重なコレクションは、維持され、貸出し展などで活用されているようですが、今後、超長期にわたって保存していくには、どういう形が良いのか、国家的な文化財保護という立場からも検討されていく必要があるのではないでしょうか。
<府中美術館の看板>
">![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/40/0a397daf815efe15bcba6caf8546da71.jpg)
<東京新聞の記事>
http://www.tokyo-np.co.jp/event/marie/highlight.html
(2011年11月30日 花熟里)
【1983年(昭和58年)に長野県蓼科に高野将弘氏が個人でローランサン美術館を開設しました。しかし、2011年(平成23年)9月末にローランサン美術館は閉館、100点余の絵画コレクションは維持され、今回の府中美術館のような貸出展などで展示されています】
マリー・サンローランの魅力について、府中市美術館の学芸員の音 ゆう子氏は次のように述べています。
「なぜ、ローランサンの絵は、私たち日本人の心を、これほどまでに強く捉えてきたのでしょうか。 ――-略―― 色や形といった絵の造形そのものの魅力です。たとえば、代表作「接吻」のピンク、水色、グレー、といった淡色、そして、角ばったところのまるでない、ゆるやかな形。 彼女らしい造形を、あえて一言で表せば、「かわいらしい造形」です。これが私たちを惹きつけるのです。 ――略―― 日本では古くから、重厚で壮大なものばかりではなく、繊細ではかないもの、愛らしいものにも美しさを見出してきた伝統があります。今日でも「かわいい造形」に対する感受性を、たしかに持ち続けていることも感じました」
学芸員の音さんの言葉に凝縮されていますが、日本画のもつ繊細な美と共通するものを、ローランサンの絵にから感じます。府中美術館の観客はほとんど女性でしたが、男性でも好きな人は多いものと思います。
ローランサン大好きの黒柳徹子さんは,『徹子の部屋』にもローランサンの絵を飾っていますが、府中市美術館のインタビューで次のように言っています。さすがですね。フェニズム教祖の上野千鶴子女史(東京大学名誉教授)に読ませたいです。
「女の人はできる限りこういうものを見てほしいと思っています。今、女の人も強くなって、お仕事もバリバリやらなきゃならないけれど、仕事はバリバリやってもいいですから、「どこか女っぽいものもいいな」と思う心、こういうものも「いいな」って思うような感受性を持ち続けてほしい。」
冒頭で書きましたが、ローランサン美術館は閉館され、個人所蔵の貴重なコレクションは、維持され、貸出し展などで活用されているようですが、今後、超長期にわたって保存していくには、どういう形が良いのか、国家的な文化財保護という立場からも検討されていく必要があるのではないでしょうか。
<府中美術館の看板>
">
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/40/0a397daf815efe15bcba6caf8546da71.jpg)
<東京新聞の記事>
http://www.tokyo-np.co.jp/event/marie/highlight.html
(2011年11月30日 花熟里)