全国で連日30度を超える猛暑の日が続いています。今年は夏季の電力使用量を制限するた
めに「電力使用制限令」が明日7月1日に東京電力と東北電力の管内で発動されます。内容
は、両電力管内の契約電力が500KW以上の大口需要家に対して、平日の9時から20時の
間、東電管内は9月22日まで、東北電力管内は9月9日まで、昨年に比べて15%の節電を
義務ずけるものです。 この制限令の発動は昭和49年の第一次石油ショックの時以来、実
に37年ぶりとのことです。
自動車業界をはじめ各企業では、操業形態の変更(土・日操業しウイークデ-に休日をシ
フトする、始業時間を繰り上げる、7・8月に長期休暇を増やす 等)や照明の工夫(LED
の採用、蛍光灯の部分消灯、など)、アコンの使用を制限したりと、様々な知恵を絞って
います。
自動車メーカーは木・金休業、土・日操業に変更しますが、日産・ホンダ・富士重工業の
3社は、年間休日スケジュールの関係で本日(6月30日・木)を休日とする操業形態の変更
をスタートさせたと報じられています。自動車産業は関連業種の裾野が広く、部品在庫を
持たない、いわゆるジャスト・イン・タイム方式を採用しているため、関連業界も自動的
に木・金を休日とするものと思われます。
私の勤務している会社はエネルギー多消費業種であり、様々な節電対策は既に実施中です
が、7月1日~9月22日の間は節電対応の操業となります。即ち、全社的な夏季長期休日の
設定、工場では火・水を休日とする、始業を1時間繰り上げる等を実施し、東京の本社で
も始業を1時間繰り上げます。
日本人は、オイルショックの教訓もどこかに忘れて湯水のようにエネルギーを使用して来
ましたが、今回の電力不足は、『ものを大事にする』、『勿体ない』という日本人が連綿
として受け継いできた特性を再び取り戻す良いチャンスであろうと思います。 しかし、
日本人は極端に走る悪い癖で、行き過ぎた節電に突っ走る恐れがありますが、節電に心が
けるものの、健康のためには適宜エアコンを使用するなど、『節度を持った節電』を実施
していけばよいのだろうと思います。
さらに、原子力発電所の事故による放射性物質汚染の不安、及び電力不足により再生可能
な自然エネルギーに目を向ける良い機会でもあります。しかしここでも日本人の悪い癖
で、今すぐ、すべての原子力発電所を停止し、廃炉にすべきという極端な議論になってし
まいがちですが、当面は、原子力発電所の耐震・対津波等の安全対策を国民の目で確認で
きたものは稼働をしていき、同時に、化石燃料の高度利用(天然ガス複合発電、石炭ガス
化複合発電など)や燃料電池等の開発・導入を急ぎ、エネルギーを確保していくととも
に、エネルギー源の多様化を図ることが必要と考えます。 これとともに、再生可能な自
然エネルギーに伴うもろもろの課題を着実に解決し、長期的な視点で自然エネルギーの普
及を図っていくべきです。
(2011年6月30日 ☆きらきら星☆)