著者の伊藤さんとはまだ直接お話したことはないのですが、いつも大阪の学童保育の集会などで精力的に動き回られている姿を拝見していました。ああ、あの人が書いた本なんやー、ということで手にすると驚きました。ウチで出した本のことが書いてあったからです。『聞きたい知りたい 性的マイノリティ』(杉山貴士編)です。息子さんからカミングアウトされた時に読まれて、彼に手渡したそうです。
第1章 カミングアウト、第2章 子育ち、第3章 不登校、第4章 学童保育、第5章 ともに歩む。息子から告白されたときの驚き、葛藤、涙の夜から、ありのままの姿を受け入れ、ともに生きていく、その姿の変遷が実に率直に吐露されています。文章を書くことは、ある意味、自分自身をさらけ出すことでもあります。そこでの葛藤、苦しみ、悩み…。そういうものが正直に記されていて、グイグイ引き込まれてしまいました。自分を追い込んで正月休みに10万字で書き上げたとあります。とても魅力ある筆力です。
後半の学童保育指導員人生の部分では、仕事への切々たる思いが胸にしみ込んできます。そして子どもたちの姿に心洗われるのです。
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