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岸田総理は『ラーゲリーから愛を込めて』を観たか?

2022年12月18日 | 丸ちゃんの私的時間

12月17日(土)

岸田政権がついに、「専守防衛」という国是を破って戦争の道へと具体的に足を踏み出した。立憲主義の立場に立てば「専守防衛」自体も違憲だが、それを糊塗するために自公政権は実質的改憲につながる解釈改憲で今日までつないできた。しかし今回の「安保3文書」閣議決定は、それをも超えることになった。そしていよいよこの先には明文改憲が待っている。つまり日本は今「戦争か、平和か」という戦後最大の歴史的岐路に立ってしまったのだ。

そんなことを思いながら、映画『ラーゲリーより愛を込めて』を朝イチから大阪駅映画館に観に行く。私の父親が主人公と同じようにシベリアの収容所に抑留されていたので、これは観に行かねばと思っていたのだ。実話だということに驚いたが、58万人もの人々が抑留されていたのだから、その歴史の中にそれだけの人々の実話が埋もれていることになる。

日本兵が逃げ出そうとしてソ連の警備兵に狙撃されるシーンがあったが、父親は集団で収容所を脱走しその後は馬賊になり、さらに蒋介石と毛沢東の戦争に巻き込まれ、朝鮮戦争後の1954年に舞鶴に引き揚げている。日本の敗戦から9年目だった。映画の抑留者たちは12年目の引き揚げだ。

エンドロールが終わって明かるくなり周囲を見渡すと意外にも若い女性客が多かった。主人公の二宮ファンなのかもしれないが、若者にこそぜひ見てほしい映画だと思う。隣の席を一つ空けて座っていた2人連れのおばあちゃんのどちらかの鼻をすする音が映画の開始直後から聞こえていた。泣いてらしたのだろう。

岸田総理にもこの映画を観てほしいけど、彼には響かないかなあ。

 

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