今年もあと11時間足らずとなりました。ブログ読者のみなさん、1年間、お付き合いいただきありがとうございました。さまざまなことがありましたが、みなさんにとってはどんな1年でしたでしょうか。機関紙出版の1年は、まあなんとか現状維持で推移したという感じで、これもひとえに読者、著者、書店、取次、印刷関連会社などみなさんのおかげでした。心から感謝申し上げます。
ところで手元に「出版・新聞-絶望未来」(山田順、2012年、東洋経済)という本があります。それによると日本では今、紙メディアが「緩慢な死」に向かっているそうです。確かにそうですね。そして重大なことはその過程のなかで、紙メディア産業が経営難に陥り、その結果、ジャーナリズムやコンテンツの質が落ちてくることだと指摘されています。すでに誰もが情報発信者であり受け手でもあるという時代の中で、ネット上には膨大な情報が溢れ続け、この渦の中に紙メディアが巻き込まれ必死にもがいているのが今の状況でしょう。
この指摘は、来年創立35年目を迎える機関紙出版も例外ではありません。35年といっても別に何かを計画しているということはないのですが、今一度あらためて原点に立ち返って考えることも必要かと思っています。基本的には、日本をより良き方向に変えていこうとする運動、人々の想い、希望、願いがある限り小社の出版の役割は存在し続けると確信しています。そのうえで、やはり「緩慢な死」に立ち向かう姿勢も打ち出さないといけないと感じています。
さて、来年はどんな本でみなさんとつながりあえるか、お楽しみにしていてください。
ではみなさん、良いお年を!