M女史は
周囲への気配りが万全の人だった。
いつからか E女史と私が通っている整体院に顔を出すようになり、
退職後 しばらくして
田舎からエッチラオッチラ通うようになった私とも
たまに整体院で顔を合わせる事があった。
あの頃の 若め?の 独身女性たちも
いつの頃からか 管理職に回るような年代に入り、
ベテランの彼女も そういう年齢だったはずだし、
実際、そういう地位に立っていたと思う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/fa/f588a1424b3bf12325fb9dc84b0bf18f.jpg)
雨が続くと 土手にはキノコが生える。
M女史が 平日に治療院に現れた時、
やたら大げさなマスクが気になった時がある。
寒くて 風邪が流行っている時期だった。
彼女は 声を潜めて、
「今、抗がん剤治療をしてるから、
感染症にかかりたくないのよ。」
と言った。
女史は 現在 休職中だ、ということだった。
私は 自身が乳がんであることを話したが
M女史の癌が どこの癌であるかは聞かなかった。
子宮とか、卵巣とか、そっちの方だったらしい。
そして 両方を摘出したらしかった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/0e/b80b492ae60643428783b8ca6da4fd50.jpg)
でもこのキノコは あっという間に融けたようになくなってしまう。
あんなに健康に気をつけて
人間ドック受診にも積極的だった。
というか、中小企業である私たちの職場に
社員の検診をきちんとさせるように働きかけていたのは、
彼女だった。
職場の 他の部署の人たちが 検診を受けている間、
私の部署は忙しくて 例年 検診が受けられなかったからだ。
さあ! 私たちも、検診を受けてきましょう!
と 外に出ると
そこにはもう レントゲン車の姿もなかった、
ということさえ あったのだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/fd/6fb52f7ca9900e0c2c85c72a7695006c.jpg)
大きめだけど、やっぱり、すぐに融けてなくなってしまう。
そんな彼女でも
やはり 癌になる。
けれど、
検診を彼女がサボるはずがない。
きっと 初期で見つかり、
今後 深刻な事態には ならないだろう、と
私は楽観していた。
つづく
周囲への気配りが万全の人だった。
いつからか E女史と私が通っている整体院に顔を出すようになり、
退職後 しばらくして
田舎からエッチラオッチラ通うようになった私とも
たまに整体院で顔を合わせる事があった。
あの頃の 若め?の 独身女性たちも
いつの頃からか 管理職に回るような年代に入り、
ベテランの彼女も そういう年齢だったはずだし、
実際、そういう地位に立っていたと思う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/fa/f588a1424b3bf12325fb9dc84b0bf18f.jpg)
雨が続くと 土手にはキノコが生える。
M女史が 平日に治療院に現れた時、
やたら大げさなマスクが気になった時がある。
寒くて 風邪が流行っている時期だった。
彼女は 声を潜めて、
「今、抗がん剤治療をしてるから、
感染症にかかりたくないのよ。」
と言った。
女史は 現在 休職中だ、ということだった。
私は 自身が乳がんであることを話したが
M女史の癌が どこの癌であるかは聞かなかった。
子宮とか、卵巣とか、そっちの方だったらしい。
そして 両方を摘出したらしかった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/0e/b80b492ae60643428783b8ca6da4fd50.jpg)
でもこのキノコは あっという間に融けたようになくなってしまう。
あんなに健康に気をつけて
人間ドック受診にも積極的だった。
というか、中小企業である私たちの職場に
社員の検診をきちんとさせるように働きかけていたのは、
彼女だった。
職場の 他の部署の人たちが 検診を受けている間、
私の部署は忙しくて 例年 検診が受けられなかったからだ。
さあ! 私たちも、検診を受けてきましょう!
と 外に出ると
そこにはもう レントゲン車の姿もなかった、
ということさえ あったのだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/fd/6fb52f7ca9900e0c2c85c72a7695006c.jpg)
大きめだけど、やっぱり、すぐに融けてなくなってしまう。
そんな彼女でも
やはり 癌になる。
けれど、
検診を彼女がサボるはずがない。
きっと 初期で見つかり、
今後 深刻な事態には ならないだろう、と
私は楽観していた。
つづく