ジョルジュの窓

乳がんのこと、食べること、生きること、死ぬこと、
大切なこと、くだらないこと、
いろんなことについて、考えたい。

はじまり、はじまり

2004-08-26 | 乳がん
その年末は 大掃除は、あきらめた。
完璧に 何もやらなかった。
御節料理も、スーパーで ごっそり買って 済ませた。
‘こづゆ’も作らなかったかな?
覚えてないなあ。
ところどころ 記憶が 跡形もなく 消えてて、怖いね。

年が明けてからは 忙しい日々が続くのだが、
仕事、干されてるから、暇。
テレビを見て、ネットサーフィンをして。
どこにも出かけないから、人に会わない。
どうやら私は 人に会ってないと、生きていけない?
正月の日記には、
「退屈な正月。
 必要とされていない寂しさ。
 引きこもりと言うべきか、
 押し込められと言うべきか。」
などと 書かれていて、
今週の私と 同じ事を 考えていたらしい。

2003年1月9日の日記に、
初めて 寝汗の 記事がある。
夜中に 暑くて目が覚める。
夜じゅう つけておく オイルヒーターの 温度設定を 
ぐっとおさえておくようになって、
やっと改善。
夜中や 朝方、必ず目が覚める。
寝る前や 目覚めた時に 
術側の肩と腕、それに 手足が冷えて不快。
更年期症状の、はじまり、はじまり。

1月10日
退院後 初の診察のため、がんセンターへ。
採血があり、リハビリ室へ。

リハビリの先生と、
リラックスして おしゃべりを楽しむ。
脇の下を中心にして、
胸、背中、腕、体側と、十文字に つっぱりがあり、
一番痛い 背中の線を 主にマッサージ。
人の手が 当たるというのは、心地よい。
リハビリの先生でなくても、きっと いい気持ちだろう。

時々 術側の 左胸のあちこちが 不定期に痛むし、
冷たいものを飲んだときに、
液体が体の中で 左胸のあたりに いったん溜まって、
それから落ちていくような感覚があり、
そんな話を ちょっとしてみたら、
皆さん そんな話をなさるそう。

リハビリの先生の話では、
私の主治医は、何についても、
「それが 収まるには、一年や二年は かかるんだよ。」
とよく言うのだそうで、
でも この 不思議な 胸の感覚は、
1年や2年で 本当に なくなるのか?
と、すごく不安。

毎日の体操の甲斐あって、
日常の動作に 不便は感じない。
もう来なくて良いですよ、と言われてしまった。
がっかり!


外来の前に行くと、
手術同級生のふたりが 並んで座っていた!
少しだけ おしゃべりを 楽しむ事ができた。
いろいろ お話を聞くと、
術後の経過も、退院後の自宅ケアも まちまちのよう。
お二人は、ホルモン療法の注射は していない。

順に 診察室によばれては 帰っていく。
私の番が来た。
月経第一日目に リュープリン注射をしたが、
そのあと 月経がダラダラ続いたことを 話すと、
「2回目の 注射から もう 生理は なくなるからね。」
と主治医。
そこで私は 頭の中が 空っぽになってしまった。
更年期症状についての 心配事が 頭を もたげてきていて、
ほかにも いっぱい 
報告したい事や、聞きたい事が 山ほどあったのに、
ずべて すっとばしてしまった。
メモを持っていくべきだった、と悔やんでも、遅い。
とりあえずは 異常なしで ホッとして 帰ったのだが。

ホルモン療法で そんなにすぐに 月経がなくなるとは
思っていなかったのだ、私は。
知識が 不足していた。
治療に関して、かなり 受身だったし。
頑張らなくても 医者が 治してくれるもの、
と思っていたし。
それにしても、
主治医の前では 言いたい事の半分も
発言できない自分がいる。
小学生の時とおんなじだ。