ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

柏屋つちや @岐阜県大垣市

2022年08月26日 | 岐阜県(西濃)

岐阜県大垣市の宝暦5年(1755年)創業というすごい歴史を持つ和菓子の「つちや」。その9代目という地位にある社長が2年前に独立して「柏屋つちや」を起こしたと知ったのは新聞か何かだったろうか(”柏屋”とは創業当時名乗っていた屋号なのだそう)。正直ブックマークだけして忘れていたのだが、大垣市に寄った際にふと思いだして尋ねてみることに。この日は自転車だったので、強い日差しの下のんびりと小中学校がある辺りを走って店を探す。でもなかなか見つからない。スマホの地図アプリが示している辺りを何度も走るのだが、それらしき看板も店も見付けられない。ふと車1台が通れるくらいの路地を中に入ると、今まで知らなかった立派な門のあるお屋敷が目に入った。「ここか!」。見回しても看板や道案内は何も無く屋敷があるのみ。自転車を停めて恐る恐る門の所まで上がってみる。掲げられた白い暖簾にやっと小さな文字で「柏屋つちや」の文字を見付け、門をくぐった。玄関先まで進むと引き戸は開け放たれている。玄関土間に卓が2つあり、そちらに菓子がいくつか並ぶのみ(写真下)。ただ声を掛けても誰も出てこないので、門の所まで戻ってインターホンを押すと、やっと奥から上品な奥様(たぶん)が出ていらした。選ぶ程の種類は無いが「水無月(みなげつ)」、「わらびもち」「柏まんじゅう」そして「かしわあわせ」をお願いして包んでもらった。

ついでに建物のことを尋ねると、こちらの建物は昭和8年(1933)に3代目が別邸として建てたものだそう。5代目の結婚式の時には披露宴会場としても使われたのだとか。さすが名士。

家に帰って抹茶を点てて妻と分けっこ。「水無月」はほんのり甘いういろうの上に照りのあるしっかりとした粒の甘く煮た小豆が施され三角に切り分けてある。京都発祥の菓子で6月の終わりに残り半年の無病息災を祈念していただくものだとか(訪問6月末)。「わらびもち」は女将さんに勧められたもの。いつもある訳ではないらしい。軟らかい餅の中に境目が分からないような絶妙の食感のあんこが入っている。これも旨いなァ。妻も唸っていた。「柏まんじゅう」はもちっとした茶色の軟らかい皮の中にこし餡がみっちりと詰められている。最後は「かしわあわせ」。これは所謂どら焼き。しっとりとした皮に柏の葉の形の焼き印が押されていて、餡には刻んだ栗も混ぜてある。栗の風味もしっかりあっていい感じ。どれも旨かった。たぶん季節が変わると色々な菓子に巡り会えるんだろう。また通わないといけない店が出来てしまった。(勘定は¥1,800程)

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柏屋つちや

岐阜県大垣市美和町1766

 

( 大垣 おおがき かしわやつちや つちや 槌屋 和菓子 上生菓子 持ち帰り )


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