ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

えびすや @名古屋市千種区・日進通

2024年07月14日 | 名古屋(千種区・守山区)

1年に1度だけ水道週間に一般公開される名古屋市の「鍋屋上野浄水場」。あいにくの天気だったが何とか公開日に合わせて予定を調整し施設を見学した。イベントでは”木曽川マルシェ”と称された流域の様々な特産品や食べ物の販売もあったが、本店主義(笑)の自分はあまりそそられることなく浄水場を後にした。昼食に向かったのは日進通にある「えびすや」。裏手の駐車場に車を停めて、以前に訪れた「貫目」と同じ並びの店舗へ。

暖簾をくぐると店内はテーブル席が6つ程。高齢のご夫婦でやっていらっしゃる。年季の入った虫食いの木製看板が飾ってあったりと歴史を感じさせる落ち着いた、いかにも蕎麦屋という佇まい。しっかりと麺打ち場もある。BGMはコテコテのド演歌(笑)。こちらのオリジナルという「はなしんじょう(花しんじょ)」(※表記にブレ有)と迷ったが、最初から目当てだった「天なん丼」をお願いした。

かつて東海地方の麺類食堂には当たり前にあった「志の田丼」「木の葉丼」そして「天南丼」。これらが他の地方には無い珍しい丼物だと知ったのはまだこの20年くらいか。古い食堂の廃業と共にどれも数が少なくなっているが、中でも「天南丼」は自分が現存を把握しているのは市内の10軒程度と絶滅の危惧にある(→錦の本店にも無いはず)。

しばらくして盆にのって運ばれた「天なん丼」には味噌汁とたくあんが付いている。ご飯の上には海老天と、つゆで煮込まれた”南蛮(なんば)”、つまり長ネギがのっている。海老天の海老は意外と太めだが、他と店と同様に厚化粧。そのつゆを吸った衣が旨い。こちらのネギはやや太めに切ってあり、クタクタにまでは煮込まれておらず食感が残っている。つゆは濃いめの味付けだが量は多くないので全体としてはあっさり。個人的にはもっと天ぷらもネギもしっかりと煮込まれて一体感がある方が好みだが、これはこれで旨かった。こういう酒も置いてある蕎麦屋が歩いていける家の近所にあるのが理想なんだけれどなァ…。次は「はなしんじょう」か「相もりせいろ」にしようっと。(勘定は¥1,250)

 

 


 

↓ 6月2日に開催された「第66回なごや水フェスタ」で念願の「鍋屋上野浄水場」を見学。案内者に率いられ見学ツアーに参加した。広大な土地が必要なので都心には珍しくなったという「緩速濾過池」(※ゆっくりとした速度で微生物の浄化作用で水をきれいにする貯水池)。

 

↓ 名古屋市内の上水道の源流は木曽川。犬山で取水された水が春日井の鳥居松沈殿池で処理され、こちらの「着水井(ちゃくすいせい)」に辿り着く。急速濾過の場合は「凝集沈殿池」(写真下3枚目)から急速濾過池へ(名古屋市は両方の方式を併用)。

  

↓ 1年に1度なのでもう何年も機会を逃し、やっと近くで観ることが出来た「旧・第一ポンプ所」(大正3年・1914・建造)。19世紀に流行した”クイーン・アン様式”の建物。もちろん煉瓦はイギリス積み。平成4年まで稼働していた。長い年月の間にかなり改変されていたらしいが、平成26年の耐震補強工事の際に出来るだけ建設当時の姿に戻されたとのこと。東京駅もそうだけれど、そうやって高い意識をもって行われる改修工事は素晴らしい。

 

 

 

 

 

↓ 西側正面の入口にはメダリオン(写真下3、4枚目)やイオニア式オーダーが配置されている。

 

 

 

 

 


 

 

手打 生そば えびすや (えびすや日進通店)

愛知県名古屋市千種区日進通1-17-3

 

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