ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

ザ・スペシャルズ @名古屋・Zepp Nagoya

2017年03月23日 | ライヴ(日本公演)

ザ・スペシャルズ (3月22日 名古屋・Zepp Nagoya)

チケットは買ったものの、色々な用事で行けないかもと半ば諦めていたスペシャルズ(The Specials)の来日公演に、なんとか無事行くことが出来た。ヨカッター。ここんところのいわゆる”名古屋とばし”で、スティーヴン・タイラー(Steven Tyler)、ヴィンテージ・トラブル(Vintage Trouble)と、行きたいのに仕事の都合上、大阪までは無理、と諦めたライヴばかり。名古屋の洋楽ライヴ事情は相変わらずひどく、広い会場が使えるほどのビッグネームならまだしも、会場が小さいとあっさりとトバされることが多い。

さて、気になる来日メンバーは以下の通り。

Terry Hall(vocals) *
Horace Panter(bass guitar) *
Lynval Golding(rhythm guitar, vocals) *
Gary Powell (drums) Libertines
Steve Craddock (lead guitar) Ocean Colour Scene
Nikolaj Thorp Larsen(keyboards)
+Strings, Brass

ドラムスのジョン(John “Brad” Bradbury )が2年程前に亡くなったので、元リバティーンズ(Libertines)のGary Powellにリプレイスされている。ジェリー・ダマーズ(Jerry Dammers)抜きで再結成が行われた2008年以降はトースティング(掛け声)のネヴィル(Neville Staple)とギターのロディ(Roddy Radiation)も在籍していたのだが、これでオリジナル(*)と呼べるメンバーは3人だけになってしまった。白人と黒人の混成バンドという当初の特徴はギリギリ維持されているが、さすがにちょっと厳しい。ま、70年代のバンドが”メモリアル・バンド”化してしまうのはもう致し方ない。あのテリー(Terry Hall)が見られるだけで良しとしなければ。というかテリーの音楽活動歴を見ると絶対に再結成なんかしないだろうと思っていたので、いまだにツアーが行われているのがある意味不思議でもある。

さて、という訳で久々のライヴ。今回の来日ツアー、後から発表されたのだが、サポート・アクト(前座)に「東京スカパラダイスオーケストラ」が抜擢されたと聞いて喜んだのは自分だけではないはず。お得感がグッとアップ。スカパラを観るのは何年ぶりか覚えていないが、彼らのメジャーデビュー前くらいの頃が自分の”スカ熱”が一番激しく、スペシャルズらツートーン・スカを聴きまくった時代なのでこれだけでも嬉しい。客入りは6分といったところか。最前のスペースでなければ他の人と体が触れないくらいの入り。少し寂しいが今回のプロモーションを考えればまぁまぁと言えるかも。まずは定刻からスカパラ。元気よく最初から飛ばしていた。もちろん短いセットリストなので有名曲ばかり。サポートなのにクオリティが半端ないが(笑)、スペシャルズのライヴを暖めようという気概が前面に出て清々しい。谷中敦は相変わらず日本人離れしてかっこいいナ。

そして8時を15分も過ぎた頃スペシャルズ登場。最初がいきなり「Ghost Town」というマイナー調の曲。それからもすぐに踊らせる曲でなく、じわじわとくるセットリスト。後期(といっても実質活動期は4年程だったが)の曲も好きなので嬉しい。テリーは相変わらずニコリともせず淡々と歌っている。太ったし、囚人服のような(笑)地味な服だが、声はしっかりと”あの声”。ギターのリンヴァルも、ベースのホレスもとても元気に跳ね回っていて安心する。中盤に入ってだんだんとアップ・テンポの曲が多くなってきて、会場前方はダンス・ホールと化してきた。元々レパートリーが多い訳ではないので、途中リンバルがヴォーカルをとってボブ・マーリー(Bob Marley)のカヴァーを演った以外の演奏曲は予想通り。テリーも地味にマイクを持った手で調子を取ったり、お茶目にふざけてみたりして楽しんでそう(表情を変えないので分からない・苦笑)。欲を言えばリンバル以外にもトースティング役を誰かにやってもらって煽って欲しいところだが、これ以上は望めない。サポートメンバーも含めてバンド内にあたたかい雰囲気があることが感じ取れ、若い頃聴きまくったアーティストをこうしてまたひとつ観ることが出来て幸せ。本編最後の「Enjoy Yourself」あたりでは思わずうるっと…。

 

 

< Setlist > ※間違いがあるかもしれません

01 Ghost Town
02 Do Nothing
03 Friday Night, Saturday Morning
04 Stereotype
05 Man at C&A
06 Blank Expression
07 Rat Race
08 Why?
09 Redemption Song
10 Doesn't Make It Alright
11 Nite Klub
12 (Dawning of a) New Era
13 Do the Dog
14 Gangsters
15 Concrete Jungle
16 A Message to You, Rudy
17 Monkey Man
18 Little Bitch
19 Too Much Too Young
20 Enjoy Yourself

Encore

21 Guns of Navarone
22 You're Wondering Now

 

 

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The Best Of Bow Wow Wow

2017年03月23日 | エイティーズ

The Best Of Bow Wow Wow (1996)

セックス・ピストルズ(Sex Pistols)のマネージャーであったマルコム・マクラレン(Malcolm McLaren)が仕掛けたポップ・バンド、バウ・ワウ・ワウ(Bow Wow Wow)。ヴォーカルのアナベラ・ルーウィン(Annabella Lwin)は当時若干14歳(!)。バックの面子は全員アダム&ジ・アンツ(Adam & The Ants)のアンツの面々を引き抜いたという曰く付きのバンド。ちなみにアダム&ジ・アンツはその後別メンバーにより再編され、海賊ルックで一世を風靡することになる。メンバーごっそりという訳で、音楽性も共通点が多く(というかまんまか…)、ポップなジャングル・ビート。丸ごと引き抜いたメンバーに、ついこの間までクリーニング屋でバイトしていたところをスカウトされたアナベラを加え、裸でジャケット撮影させたり(マネの「草上の昼食」のパロディー・写真下)、レコード盤はもう古い(当時)とばかりにカセットテープへのダビングを勧めさせたりするんだから、マルコムらしいセンセーショナルな手法だ。

じゃあ、バンドとしてはどうかというと、これがなかなかいい感じ。何と言ってもアナベラのヴォーカルが素晴らしい。テクニックは無いが女の子らしい明るさと屈託のなさがあり、ポップ。世界的に見ると”一発屋”で終わったと理解されているが、自分は結構好きだったので、オリジナル・アルバムはもちろん、編集盤(写真下)なんかもアナログ盤で所有している。さすがに最近は聴いてなくてCDは持っていなかったが、2006年公開の映画「マリー・アントワネット」などで印象的に使われてからまた聴き始めた。

これは96年に出たベスト盤。代表曲に未発表曲、アナベラのソロ曲2曲を加えたもの。ま、順当な選曲で充分楽しめる。でも買って帰ってCD棚を見てビックリ。もう家にあった…。いつ買ったかも覚えていない(←マズイぞ、こりゃ)。

ブックオフにて購入(¥280)

  • CD (1996/10/29)
  • Disc : 1
  • Format: Import
  • Label : RCA
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