ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

吉田のおでん @岐阜県岐阜市 (※閉店)

2015年07月27日 | 岐阜県(岐阜)

お気に入りの漬物を買いに行ったり、うどんを食べに行ったり、酒(その1その2)を呑んだり、鯛焼きをつまんだり、和菓子(その1その2)を買ったりと頻繁に訪れるようになった岐阜市の「美殿町商店街」。こちらは歴史のある古い店が多い通りだが、最近は若い人の店も増え、小さく静かな商店街なんだけれど、新旧のそれぞれ個性のある店がまとまって、商店街を盛り上げようという姿勢が感じられて、とても気に入っている。まだ訪れていない店もあるが、この日は何軒も呑み歩いた後に、「吉田のおでん」を訪れてみた。「美殿屋漬物店」の横、角地にある店には大きな提灯がぶら下がっている。窓から見える店内は、カウンターのみのシンプルで落ち着いた雰囲気。縄のれんが掛かっているが、いわゆるおでん屋とは違ってお洒落な感じだ。店に入ると白衣を着た若い主人が迎えてくれる。おでん鍋の前の席に腰を下ろした。

お酒は「房島屋」(揖斐)の冷蔵酒を、おでん種(たね)は大根と白滝を注文した。タネはトマト(蕃茄と表記されている)や車麩など、この辺りでは珍しいものもある。主人が四角いおでん鍋の中に入ったタネを慈しむように転がしながら、平皿に盛ってくれる。酒は錫の徳利に入れられて出てきた。センス良く、落ち着いて温かみのある綺麗な店内は、物腰やさしい主人の所作と相まって、ゆっくり杯を傾ける事の出来るいい雰囲気。バカ騒ぎがなく、ひとり呑みにはぴったり(賑やかな店が好きな人は逆に落ち着かないかも)。この地方では珍しく、おでんのつゆはすっきりとして薄味だが、出汁がしっかりと滲みて滋味深い味で、旨い。酒の味がよく分かる。これはやはり日本酒じゃないとなァ。この地方では濃くハッキリとした味付けが主流なので、この味にするにはちょっと勇気がいっただろうと思うが、きっと主人も酒を邪魔しない味付けを考えているんじゃないかな。車麩と蛤湯葉を追加。こちらの湯葉は「湯葉勇」のものだそう。自分が気に入っている店のものが使われていると、こちらも嬉しくなってしまう。(勘定は¥2,500程)

 ↓ 通りの角にある「吉田のおでん」。赤い自転車の後ろには出前用の岡持ちが。右側に見える灯りは「美殿屋漬物店」。

吉田のおでん

岐阜県岐阜市美殿町45

( 美殿町 みとのまち 美殿町商店街 おでん 吉田 よしだのおでん )

コメント
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