ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

味処 もちづき @名古屋市中村区・大門

2015年07月29日 | 名古屋(中村区・西区)

名古屋駅のホテルにて会合と会食があり、それを済ませた後に訪問したのは中村区・大門にある日本料理の店「味処もちづき」。以前から評判を聞いていたのだが、なかなか予約を入れられる確実な日が無かったので、ホテルで食事が出るとは分かっていたが、あえてこの日に設定。ま、どのみちホテルでの仕事上のパーティー料理はそれほどそそられないし、歓談などに忙しく、楽しんで食べられない事も多いので問題無し。時間を見て名駅から店へ向かう。店のある界隈はその昔「中村遊郭」として栄えた土地。以前にも近辺を散策したが、夜に来るのは初めて。太閤通から中に入るとひっそりとしていて、もちろん往時を偲ばせるような灯りは目に入らない(そういう文化に関連した建物はもう少し先にあります・笑)。そんな場所にひっそりと店があった。暖簾をくぐるとすぐ目の前にカウンターがある。個室もあるようだ。予約の名前を告げて腰を下ろし、飲み物を注文。最初から日本酒「澤屋まつもと」(京都)を選んだ。料理はおまかせでお願いしてある。

調理する主人の目の前の席だったので、てきぱきと、時間差を考えて次々と調理を進めていく主人の所作を眺めながら呑むのは楽しい。若い衆との息もぴったりで、よく客を見ているのだろう、リズムがいい。自分は食べるのも、呑むのも早いが、あまり間が空く事も無く、テンポ良く呑み喰い出来るので気分がいい。自分にとっては、これって重要なのだ。先付けは雲丹と山芋。霧を吹いたお椀はアイナメとジュンサイの吸い物。ほっとする控えめな口当たりが、酒を呑んでいる身には嬉しい。自分は呑む時、必ず傍らに「和らぎ水」を置いておくが、同様にこういう吸い物が胃の中をやさしく包んでくれると、一層旨く感じられる。日本料理って上手いこと出来てるなァ。向付は鮪、烏賊、平目の刺身。焼物は稚鮎。鮎は蓼酢でいただく事が多いが、こちらでは蓼の葉がそのまま出て、柚子と合わせ、稚鮎と一緒に食べる趣向が凝らされている。面白い。次の酒は珍しい名前の「紀土(KID)」(和歌山)に。

淡々と調理を進めている主人だが、手が空くと声を掛けてくれる。寡黙そうに見えるがお茶目なところもあり、手持無沙汰にならず、楽しく時間を過ごすことが出来た。若い衆も人懐っこくて可愛らしい。こちらの名物というじゃがいものハリハリが出された時に「ん?」と思ったが、聞くと主人は岐阜の高名な日本料理の店出身とのこと。なるほど。この他にも穴子の入った飛龍頭や、山海の酒肴が盛られた八寸が出て、いくらでも呑めてしまう。締めには蕎麦か、お茶漬けが選べるのだが、他の客に作っていた時から旨そうなお茶漬けに決めていた。椀に生海苔がたっぷり入っており、香りも良く、山葵と梅を崩しながらいただく。…幸せ。最後にはデザートが出て終了。日本料理の組立が守られているが、堅苦しくなく、料理には様々な工夫がされていて一品一品楽しんでいただけた。元々日本料理は酒を美味しくいただく為の料理という側面があるが、なるほどそんな感じ。季節を変えて、また行きたいなァ。(勘定は¥9,000程)

 ↓ 名駅のホテルの51階から眺めた太閤通・中村公園方面。

 

味処 もちづき

愛知県名古屋市中村区名楽町1-35

( 大門 中村区役所 中村公園 太閤通 あじどころ もちづき 日本料理 割烹 たか田八祥 味処おおたに )

 

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