ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

呑喜 (のんき) @東京・東大前 (※閉店)

2015年01月02日 | 東京都(老舗)

以前から入ってみたかったが都合で叶わなかった東大前の老舗おでん屋「呑喜(のんき)」。創業は明治20年(1887)とのこと。少々短い時間しかなかったが、やっと訪れる事が出来た。コンビニおでんのせいか、現在は関西風のおでんが席巻してしまっているが、ここは正真正銘、昔からの東京おでん。店先には風格ある金文字の看板が掛かっている。手動の自動ドアを開けて(笑)中へ。口開けだったので、一番奥の神棚の下のカウンター席に腰を下ろした。店内はいい感じに煤けて、そこかしこに高名な作家らが残した書が飾ってある。さすが歴史ある店。建物自体は古くないビルのテナントなので、古い店の内装を移築したのだろうか。主人の前にある大きな鍋には濃い色をしたつゆに様々なタネが浮いている。これぞ東京のおでんという色だ。どれも色が滲みて旨そう。

お酒(冷や)と大根、そして白はんぺんを注文した。はんぺんは注文してから鍋に入れたので少し時間がかかるとの事。先に大根で一杯。しっかり色濃いつゆが滲みた大根は、旨い。相撲中継を片目に見ながらゆっくりいただいた。鍋の中のはんぺんは次第に熱いつゆを吸って膨らんできた。皿に載せてもらって、箸先でちぎったはんぺんはとても滑らかな口当たり。ふわっと噛みきれて、口の中に風味が広がる。これに酒は…堪らない。もう少し長居したかったが、約束をしていた時間となってしまい、勘定。鍋横にある燗銅壷(かんどうこ)で燗つけてもらってもよかったなァ、と後ろ髪を引かれる想い。残念。安いし、近くにあったら通いたい店だ。次はもう少し長い時間ゆっくりして、色んなタネを楽しんで、最後は茶めしで締めたいな。(勘定は¥900程)

※残念ながら店主急逝により128年の歴史に幕を閉じ、閉店したそうです(平成27年12月)。

 

 ↓ 呑喜の向かいは東大。前回見逃した建物を見て廻る。下は「農学部3号館」(昭和16年・1941・建造)。

 

 ↓ 春日通り側にある「広報センター(旧・帝大医学部付属急病者受付所)」(大正15年・1926・建造)。残念ながら昭和13年建造の「七徳堂」(武道館)は工事中で観察叶わず。

 

呑喜 (のんき)

東京都文京区向丘1-20-6ファミール本郷 1F

( 東大前 本郷 のんき おでん 東京おでん 東京大学 関東煮 閉店 急逝 逝去 廃業 東大OB )

コメント
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