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【金ロ】ハウル・コードを読み解いてみる

2006年07月22日 | テレビ

 昨晩は、「金曜特別ロードショー」(NTV)で、「ハウルの動く城」(HPは英語版)をやっておりましたね。
 最初は、前評判があまりよろしくなかったので、見ようか見まいかと思っていたのです。しかし百聞は一見にしかず。人の評価なんか聞いちゃ駄目。何事も、この目で確かめないといけないな、というのに改めて気付かされました。
 ─ようするに、とても面白かった!のです。

 いやぁ実にいいですね。中世の田舎(田舎の街、という感じでしょうか)のヨーロッパを感じさせる、その雰囲気が十二分に出ていて、よかったですねぇ。いきなり、その世界の中に入り込むことが出来ましたよ。
 そういった背景も良かったのですがね、ストーリーも良かったですよ。段々、戦争が始まろうとするハラハラ感と言いますか、でも半分戦争に慣れているかのような、人々の動き。ここに何かしら、平和ボケの頭に緊迫感と一種の違和感をもたせますね。


 さてここで考えるのは、今回、監督の宮崎駿さんは、この映画に一体どのようなメッセージ(=暗号)を組み込んだのか、ということを考えてしまうのですよね。…なんか、「ダ・ヴィンチコード」みたいだけどね。

 「風の谷のナウシカ」なら、環境問題はもちろんのこと、一筋縄ではいかない民族紛争の複雑さも訴えていました。
 「もののけ姫」もまた、一見、自然環境対人間(開発)という感じですが、しかし開発の中に人間の尊い歴史が刻み込まれ、日本の中世の障害者や疫病者の不遇にもスポットを当てたわけですよ。
 「千と千尋の神隠し」は…、なんだろ。主人公の生きる希望や意味に目覚めることを柱としつつ、日本の八百万の神を崇める土着信仰が、ここ日本にはあるんだよという意識を呼び覚ましてくれるような感じを受けましたね。

 それで今回の作品といえば…。
 大きく見て、「愛」と「老い」といったところでしょうか。
 監督自身、「今回、ラブストーリーに挑戦してみたかった」というインタビューを聞いたことがありますが、まさに真正面から、「愛」というものについてぶつかっていこうとしたのではないでしょうか。
 それと「老い」については、大袈裟なまでに、「年寄りって大変ね」と感じさせる場面が多く出てきています。起きたら、腰の骨がぱきぱきと折れたりね。仕舞いには、魔女だった老人を、やはり老人の主人公が介護する場面も出てくるところを見ると、日本の高齢社会の現状を意識しているなと感じずにはいられませんでしたね。

 また、主人公が魔法で老人にされた後、直後は狼狽するも、すぐに開き直って、馴染んでしまっていたのが、おかしいというよりは「ソフィー(主人公)は凄いな」なんて感心してしまいましたよ。
 「私、そんなに綺麗じゃない」と自分の美貌については自信がなく(というよりも興味が無い?)、親の仕事をついでそのまま暮らしていこうという、その若さが無い発想というのは、心の中はすでに老人になっていた、といったところでしょうか。
 しかしなぜか年寄りになったとたん、急に元気になる。体力は衰えるも、気力や行動力が激しく増す。
 この、ソフィーとは正反対な心の持ち主なのが、恋の相手であるハウルだったのではないか、と思うわけですよ。美貌(特に髪の毛の色)にうるさく、わがままでそのくせ臆病者という風に。今の若者を反映?しているかのような感じですね。


 さてさて、この映画の中で一番の謎なのが、ソフィーにかけられた魔法が完全に解かれたタイミングですよね。
 荒地の魔女が魔力を奪われたあとも、老人のままでした。でも一晩眠った後に、確か完全に解かれるのですよね。
 話の途中でも、段々若返ってきたと思ったらまた急に年をとったりしてましたよね。また、ソフィーが寝ているときは、いつも元に戻っていたわけですよね。そのあたりの見当はおおよそつくんですよ。
 ただ、最後に、完全に魔法が解かれたタイミングが、分からないんですよ。
 これはきっと、何か暗号が隠されているに違いない…。


 しかしまぁ随分と、偏屈に映画を見ているでしょう?
 いや別に、いつも偏屈に見ているわけではないですよ。しかし今回は、偏屈にならざるを得なかったのですよ。
 はっきりいって、分からない部分が多すぎるのです。いつもそこで、「ん?」となって、考えてしまうのです。でも、考えても分からない。考えている合間に、また次の「ん?」がやってくる。
 でもね、こうやって考えさせられた方が、実に面白かったのも確かですけれどもね。

 こりゃぁ、1回見ただけでは分からんなぁ。
 これから、機会があれば何度も見て、その謎解きに挑戦しようかな、なんて思っております。



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