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蚊焼です。日記です。
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【世界遺産】景観問題

2018年02月25日 | テレビ

 最近、「世界遺産」を観て思うことが沢山あり過ぎて、
このカテゴリーの記事を書くペースが増えております。
 テレビを観て、自分の意見を頭の中でまとめるのが
実に楽しい作業でもあるわけです。

 いや、「楽しい」とは言いながらも、
考えていることは非常に悩ましいものなのですが…



 世界遺産の在り方を考えるうえでの最重要課題は
「景観問題」ではないでしょうか。
 おそらく番組もそれを認識しての、今日の
特集だったと思われます。

 「ウィーン歴史地区」は、景観破壊を懸念し、
昨年「危機遺産」に登録されてしまいました。
 なんでも、近代的な高層ビルが地区内に
建築されるから…

 「景観破壊」による世界遺産登録抹消には
先例があって、ドイツのドレスデンは
渓谷に大橋を架けたことにより抹消されました。

 一方で番組では、ウィーン歴史地区は19世紀に
城壁を取り壊して環状道路をつくるという
大々的な「破壊」があったことを紹介、その結果
生み出された街並みが世界遺産として認められたといいます。
 さらには、「のっぺらぼう」と非難囂々だった建物も
時代を経て世界遺産として認められたとも紹介。

 そういえば世界遺産の「パリのセーヌ河岸」の
エッフェル塔だって、建設当時は歴史的町並みの景観を
破壊するものだと激しい建設反対があったようですね。
 しかしそれも今や世界遺産…

 20世紀以降に建造された数多くの建築物も世界遺産に
登録されているのですが、奇抜なモダン建築は
周囲の「景観破壊」をもたらしていなかったのでしょうか、
「今は」そんな声が無いから、良いのでしょうが。



 個人的に訪れたテヘランの「ゴレスターン宮殿」は
周辺の高層ビルが気になってしょうがなかったですし、
マレーシアの「マラッカ歴史地区」も展望塔が思いっきり
浮いた存在になっていますし、第一マラッカ海峡が
埋め立てにより遠くへ行ってしまった。

 だから、ぶっちゃけていえば、これらの景観に比べれば、
ウィーンの高層ビルははるか取るに足りないように
思えて仕方がないです。
 文化先進国としての見せしめのようにすら見えます。
(実際、環境先進国ドイツに不名誉な抹消を突き付けたのも
 そうじゃないか?)



 「保護」ばかりでは新たな文化の創造が出来ない、
文化とは生き物のような気がします。
 とはいえ…世界遺産の本質は「保護」であるから
無下に否定もできない…実に悩ましい話です。

 番組では「彼ら(地元)はどんな答えを出すのでしょう」
と締めくくられましたが、他人事と捉えずに、
人類共通の課題として考える必要があるでしょう。

 なぜ考える必要があるか…「景観」という環境資源が
観光資源として捉えるならば、必要なのではないか。



 個人的に、大学時代から「景観」についていろいろと
考えてきたつもりですが、今なお悩ましい問題です。

 それでも解決の一助となることを期待して当時色々とセミナーに
参加したりしておりました。
 11年前に書いた景観セミナーの感想なんかが、
時を経て今も考えるヒントを与えてくれそうです。



 「無理に景観を守らせたりして文化の「押し付け」をしてはならない」…


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