今日の「世界・ふしぎ発見!」(TBS)は、ポーランドの世界遺産でした。
ポーランドの世界遺産数は、13。日本は14といい勝負。けれども似ているのは数だけではなくて、遺産の価値や特徴にも及びます。
「トルンの中世都市」の町並みはとても素敵でした。なんというか、質素ながら堅牢というか、中世のヨーロッパの趣きそのもの。
その町並みは、ドイツ式といいます。ポーランド領土に乗り込んだドイツ騎士団に、勝手に領土を主張されて作られた町なのだそうです。番組では出てきませんでしたが、同じ事情を抱えた歴史遺産に、「マルボルクのドイツ騎士団の城」があります。
さて、日本の遺産に似ている特徴というのは、巨大な木造建築の歴史遺産があるということに尽きます。
「ヤヴォルとシフィドニツァの平和教会群」の、2つの木造建築教会が、とても素晴らしいです。
ドイツ騎士団に攻められるだけでなく、文化も色々とドイツと影響しあったポーランド。プロテスタントが国中を席巻するも、領主はカトリックだから、やんわりとした迫害を受けたといいます。そのひとつが、教会の建設条件をつけたこと。教会は木造でなければならない。
ところがそれを逆手にとって、巨大な木造建築を作り上げてしまった。
ヤヴォルの教会は、 公式ホームページ(英文)によりますと、1654年着工、1655年竣工。広さは26.8×43.3m、高さは16.4mと、ヨーロッパ最大の木造建築だそうです。
使われたのは、木と藁を混ぜた粘土(wood and clay mixed with straw)。日本の家屋と、何処に相違がありましょうや。ただし屋根は板葺きですので、ここだけが日本の木造建築との決定的な違いといえます。
ちなみに、張り合うようでなんですが、日本の東大寺は1691年に再建、広さ57.5m×50.5m、高さ49.1mです。
同じ木造建築教会に、「南部小ポーランドの木造聖堂群」という世界遺産もあります。これも番組では紹介されませんでしたが、大事な木造の遺産です。ヨーロッパは石の文化という思い込みを、悉く打ち砕く遺産です。
しかし、歴史を紐解けばまだまだドイツの影響を受け続けたポーランド。「アウシュヴィッツ強制収容所」という世界遺産もありますが、それ以外にも、秘密の地下施設を作ったりしていたようです。
さすがにナチスの埋蔵金はどうかとは思いましたが、当時の武器や通信機器のほか、故意に隠された機密書類などの発掘が勧められているということです。新しい発見に期待したい所です。
これらも含めて、今ポーランドでは観光資源として活用しているということです。歴史を直視し、負の遺産でもなんでも積極的に活用しようという、世界遺産活用の姿勢は、見習うべき所が沢山あるように感じました。