
ーミュージカル ウィキッド 誰も知らない、もう一つのオズの物語ー
作詞/作曲=スティーヴン・シュワルツ 脚本=ウィニー・ホルツマン 原作=グレゴリー・マグワイア 演出=ジョー・マンテロ
日本語版歌詞・台本=劇団四季文芸部
キャスト=グリンダ(苫田亜沙子)エルファバ(江畑晶慧)ネッサローズ(山本貴永)マダム・モリブル(八重沢真美)フィエロ(北澤裕輔)ボック(金田暢彦)ディラモンド教授(雲田隆弘)オズの魔法使い(栗原英雄)
【感想】
1900年にアメリカで出版された、ライマン・フランク・ボームによる小説「オズの魔法使い」は、いまなお全世界で読み継がれている児童文学作品です。
アメリカ・カンザス州に住むドロシーが、竜巻に家ごと巻き込まれて、飼い犬のトトとともに不思議な「オズの国」へ飛ばされてしまう。
脳みそのないかかしや、心臓のないブリキの木こり、臆病なライオンと出会い、「エメラルドの都」にいる大魔法使い「オズ」に願いを叶えてもらうために会いに行くという物語です。
1939年に映画「オズの魔法使い」が、MGMがヴィクター・フレミング監督を起用して、ファンタジーミュージカルとして製作されました。
主演はジュディ・ガーランド。
完成には、困難を極め、公開当時もあまりヒットしなかったようですが、いまではファミリー映画としてその輝きは失せていません。
私もテレビで見たことがあります。
挿入歌「虹の彼方に」は、頭の中でメロディーが聞こえるほど有名。
スタンダードナンバーとなっていますね。
さて、このミュージカルの「ウィキッド」は、「オズの魔法使い」の裏話として、1995年に刊行されたグレゴリー・マグワイヤ著の「オズの魔女記」が原作です。
「オズの魔女記」をウィニー・ホルツマンが書き直し、スティーブン・シュウォルツが曲を付けたミュージカル版は、原作を大幅に脚色し直して、テンポのある作品に仕上がっています。
境遇の全く違う魔女2人の友情や、ボーイフレンドとの三角関係など、青春の問題を描きながら、肌の色の違いや動物たちに、弱い立場の人たちを重ねて、人種差別など、社会弱者の問題にも切り込んでいると言えます。
また、「オズの魔法使い」でおなじみの、ブリキ男やかかしなどをうまく配置して、物語に厚みを出していました。
☆ネタバレ
お話は「オズの魔法使い」で描かれたオズの世界の、少し前から始まります。
オズの国では、人も動物も同じ言葉を話し、みんな自由に平和に暮らしていました。
魔法のクスリを持つ謎の人間と不倫をした女性が、身ごもり、生まれた子供が肌の色が緑色の醜い娘、エルファバでした。
この夫婦には次の娘、ネッサローズも誕生するのですが、月足らずで生まれたため、生まれつき足が不自由でした。
そのお産がもとで母親は亡くなり、エルファバは父からも疎まれて育ちました。
二人は年頃になり、寄宿舎のある高校へ。
エルファバは足の悪いネッサローズの世話係ということでしたが、魔法の才能を認められて、マダム・モリブルの特別授業を受けることになりました。
その高校には、美人で明るくみんなに好かれるグリンダと、かっこいいフィエロがいました。
グリンダはエルファバと同室になりましたが、エルファバを疎ましく思い、自分の気に入らない帽子をプレゼント。
エルファバは、その帽子をグリンダの好意だと思い、それをかぶってダンスパーティに現れました。
そのみっともない姿に引いてしまう同級生たち。
そのなかでエルファバは一人で踊りだしました。
グリンダは、エルファバと一緒に踊り始めます。
二人の間に友情が生まれ、お互いの内面を知ろうと努力するようになりました。
ある日、エルファバにオズの魔法使いから招待状が届き、エメラルドシティへとグリンダとともに旅立ちます。
エメラルドシティはまぶしいほどの大都会でしたが、宮殿を訪ねたふたりはオズの魔法使いの正体を知って驚きました。
ほかの世界から来た普通の人間だったのです。
しかも彼は、自分の威信を保つために動物たちから言葉を奪っていた張本人でした。
真実を知ったエルファバは「魔法の書」を持って、空高く舞い上がり、オズの国の自由のために、オズと戦う決心をしました。
オズは、エルファバこそ悪い魔女だと国中をあおり、人々は魔女探しに血眼になります。
時は過ぎ、グリンダはオズの広報官として、フィエロはエルファバ探しの先鋒として活躍していました。
でも、二人ともエルファバの身を一番案じていたのでした。
マダム・モリブルが起こした竜巻で、ドロシーがやってきました。
運悪く、ドロシーの家がネッサローズの上に落ち、ネッサローズは亡くなってしまいました。
しかし、それこそがエルファバをおびき出すオズの策略だったのです。
追いつめられたエルファバは、ドロシーを捕まえて立てこもりますが、万事休す、ドロシーから水をかけられて死んでしまいましたー。
でも、このあとから、どんでん返しが楽しめます。
愛と友情と冒険がいっぱい詰まった舞台でした。
グリンダとエルファバの友情物語には胸を打たれます。
舞台装置も素晴らしいし、衣装もとても楽しいです。
これは、もう一回見に行きたいなあ、という気持ちにさせてくれるミュージカルでした。
大阪四季劇場で、2010年4月4日まで公演が決まっているようです。
作詞/作曲=スティーヴン・シュワルツ 脚本=ウィニー・ホルツマン 原作=グレゴリー・マグワイア 演出=ジョー・マンテロ
日本語版歌詞・台本=劇団四季文芸部
キャスト=グリンダ(苫田亜沙子)エルファバ(江畑晶慧)ネッサローズ(山本貴永)マダム・モリブル(八重沢真美)フィエロ(北澤裕輔)ボック(金田暢彦)ディラモンド教授(雲田隆弘)オズの魔法使い(栗原英雄)
【感想】
1900年にアメリカで出版された、ライマン・フランク・ボームによる小説「オズの魔法使い」は、いまなお全世界で読み継がれている児童文学作品です。
アメリカ・カンザス州に住むドロシーが、竜巻に家ごと巻き込まれて、飼い犬のトトとともに不思議な「オズの国」へ飛ばされてしまう。
脳みそのないかかしや、心臓のないブリキの木こり、臆病なライオンと出会い、「エメラルドの都」にいる大魔法使い「オズ」に願いを叶えてもらうために会いに行くという物語です。
1939年に映画「オズの魔法使い」が、MGMがヴィクター・フレミング監督を起用して、ファンタジーミュージカルとして製作されました。
主演はジュディ・ガーランド。
完成には、困難を極め、公開当時もあまりヒットしなかったようですが、いまではファミリー映画としてその輝きは失せていません。
私もテレビで見たことがあります。
挿入歌「虹の彼方に」は、頭の中でメロディーが聞こえるほど有名。
スタンダードナンバーとなっていますね。
さて、このミュージカルの「ウィキッド」は、「オズの魔法使い」の裏話として、1995年に刊行されたグレゴリー・マグワイヤ著の「オズの魔女記」が原作です。
「オズの魔女記」をウィニー・ホルツマンが書き直し、スティーブン・シュウォルツが曲を付けたミュージカル版は、原作を大幅に脚色し直して、テンポのある作品に仕上がっています。
境遇の全く違う魔女2人の友情や、ボーイフレンドとの三角関係など、青春の問題を描きながら、肌の色の違いや動物たちに、弱い立場の人たちを重ねて、人種差別など、社会弱者の問題にも切り込んでいると言えます。
また、「オズの魔法使い」でおなじみの、ブリキ男やかかしなどをうまく配置して、物語に厚みを出していました。
☆ネタバレ
お話は「オズの魔法使い」で描かれたオズの世界の、少し前から始まります。
オズの国では、人も動物も同じ言葉を話し、みんな自由に平和に暮らしていました。
魔法のクスリを持つ謎の人間と不倫をした女性が、身ごもり、生まれた子供が肌の色が緑色の醜い娘、エルファバでした。
この夫婦には次の娘、ネッサローズも誕生するのですが、月足らずで生まれたため、生まれつき足が不自由でした。
そのお産がもとで母親は亡くなり、エルファバは父からも疎まれて育ちました。
二人は年頃になり、寄宿舎のある高校へ。
エルファバは足の悪いネッサローズの世話係ということでしたが、魔法の才能を認められて、マダム・モリブルの特別授業を受けることになりました。
その高校には、美人で明るくみんなに好かれるグリンダと、かっこいいフィエロがいました。
グリンダはエルファバと同室になりましたが、エルファバを疎ましく思い、自分の気に入らない帽子をプレゼント。
エルファバは、その帽子をグリンダの好意だと思い、それをかぶってダンスパーティに現れました。
そのみっともない姿に引いてしまう同級生たち。
そのなかでエルファバは一人で踊りだしました。
グリンダは、エルファバと一緒に踊り始めます。
二人の間に友情が生まれ、お互いの内面を知ろうと努力するようになりました。
ある日、エルファバにオズの魔法使いから招待状が届き、エメラルドシティへとグリンダとともに旅立ちます。
エメラルドシティはまぶしいほどの大都会でしたが、宮殿を訪ねたふたりはオズの魔法使いの正体を知って驚きました。
ほかの世界から来た普通の人間だったのです。
しかも彼は、自分の威信を保つために動物たちから言葉を奪っていた張本人でした。
真実を知ったエルファバは「魔法の書」を持って、空高く舞い上がり、オズの国の自由のために、オズと戦う決心をしました。
オズは、エルファバこそ悪い魔女だと国中をあおり、人々は魔女探しに血眼になります。
時は過ぎ、グリンダはオズの広報官として、フィエロはエルファバ探しの先鋒として活躍していました。
でも、二人ともエルファバの身を一番案じていたのでした。
マダム・モリブルが起こした竜巻で、ドロシーがやってきました。
運悪く、ドロシーの家がネッサローズの上に落ち、ネッサローズは亡くなってしまいました。
しかし、それこそがエルファバをおびき出すオズの策略だったのです。
追いつめられたエルファバは、ドロシーを捕まえて立てこもりますが、万事休す、ドロシーから水をかけられて死んでしまいましたー。
でも、このあとから、どんでん返しが楽しめます。
愛と友情と冒険がいっぱい詰まった舞台でした。
グリンダとエルファバの友情物語には胸を打たれます。
舞台装置も素晴らしいし、衣装もとても楽しいです。
これは、もう一回見に行きたいなあ、という気持ちにさせてくれるミュージカルでした。
大阪四季劇場で、2010年4月4日まで公演が決まっているようです。
ほんと、ストーリーにも、舞台装置にも衣装にも、素晴らしい歌声にも感動しました
行く前に、忘れかけていたオズの魔法使いのお話や、ウィキッドについて
これからも時間を見つけて、いろいろな劇場に足を運ぼうと思いました。
それから、少し前の席に息子の高校の同級生だったお母さん3人組がいてビックリ
幕間に懐かしいお話で盛り上がりました
若い頃を思い出させてくれて、新鮮な気持ちになれますね。
まあ、そんなところで知り合いに会うなんて!!
私も、歌舞伎を見に行ったときに友達に会ったことがありました。
大阪って、やはり狭いのかなあ?