ー最終目的地ーTHE CITY OF YOUR FINAL DESTINATION
2009年 アメリカ
ジェームズ・アイヴォリー監督 アンソニー・ホプキンス(アダム/作家の兄)ローラ・リニー(キャロライン/作家の妻)シャルロット・ゲンズブール(アーデン/作家の愛人)オマー・メトワリー(オマー・ラザギ)真田広之(ピート/アダムのパートナー)
【解説】
『眺めのいい部屋』『ハワーズ・エンド』などで知られる巨匠ジェームズ・アイヴォリー監督が手掛けた文芸ドラマ。自殺した作家の伝記執筆のため遺族が暮らす南米ウルグアイを訪れた青年の存在が、彼らの間に波紋を投げ掛け、それぞれが人生の最終地点を問うさまを描く。出演は名優アンソニー・ホプキンス、『ユー・キャン・カウント・オン・ミー』のローラ・リニー、『アンチクライスト』のシャルロット・ゲンズブール、テレビドラマ「LOST」や『ラッシュアワー3』など国際的に活躍する真田広之ら実力派がそろう。
【あらすじ】
コロラド大学の教員オマー(オマー・メトワリー)は、1冊の著作を残し自ら命を絶った作家ユルス・グントの伝記執筆の許可を得るため、ウルグアイのユルスの屋敷を訪れる。そこではユルスの兄アダム(アンソニー・ホプキンス)とその恋人、ユルスの妻、そしてユルスの愛人と娘が一緒に暮らしていた。オマーは、遺族のキャロライン、アーデン、アダムに伝記執筆にあたっての交渉をするが、アダムに話を持ち掛けると……(シネマトゥデイ)
【感想】
時間がちょうどよかったので、この映画をチョイスしました。
いやあ、めっけものー!!
文学的な格調の高いジェームズ・アイヴォリー監督作品の2009年の作品。
アンソニー・ホプキンス主演で、真田広之も出ているのに、今頃の公開?
こんなにいい映画なのに、単館系でひっそりと。
もったいないなあ。
著書を1冊だけ残して自殺した作家ユルス・グントの伝記を書く認証を得ようと、コロラド大学の教員オマー(オマー・メトワリー)は南米ウルグアイに住む作家の遺族に手紙を出した。
答えは全員がNO。
作家の兄、作家の妻、作家の愛人の署名があった。
オマーは、この研究が認められないと研究費がおりない。
恋人の進めもあり、ウルグアイのユルスの屋敷に向かった。
町からも遠くはなれた古ぼけたお屋敷に彼らは住んでいた。
ユルスの愛人アーデン(シャルロット・ゲンズブール)とその娘に泊まるように勧められたオマーだが、ユルスの妻キャロライン(ローラ・リニー)は頑だった。
そこから少し離れたところに、兄のアダム(アンソニー・ホプキンス)が15年来のパートナーのピート(真田広之)と暮していた。
話してみると、アダムは伝記を認証してもいいと言う。
ある条件で。
ここに住む4人が微妙なバランスで、死んだ作家の呪縛のようにこの辺境の土地にしがみついて生きていたのが、オマーという異邦人が来た事でバランスが崩れ、それぞれの本音が露になっていくところがすごく面白かったです。
そして、オマーが怪我をして、アメリカから恋人が来て、アダムの条件を蹴飛ばしたり、キャロラインともさらに不協和音となって、みんながはじかれていきます。
作家の妻のキャロライン
それでもオマーは伝記を書くことを許され、アメリカで教員に戻るけど、恋人は去り、その生活も虚しく感じ、ふたたびウルグアイのアーデンの元へ戻っていく。
後日談として、オマーの元恋人とキャロラインがマドリードのオペラハウスで出会う場面が面白い。
外の世界に飛び出した人と、時間が止まったようなユルスの屋敷に入ったオマー。
この対比。
人生は不思議。
ほんと、面白い。
ナチの迫害を逃れてここまで来たアダムとユルスの両親。
中東からアメリカを経てたどり着いたオマー。
最終目的地というタイトルがここで生きてきます。
作家の愛人アーデンと恋に落ちるオマー
真田広之がゲイの愛人役ですが、肌はきれいし、媚びているわけでもなく、いい役だと思いました。
英語も完璧!!
でも、ピートを15歳のときから25年も愛人にしているアダムってどうよ。
アダムは愛情に溢れていたし、ピートも慕っていて、幸せな関係だという事は伝わってきましたが…。
この作品は、人物が丁寧に描かれていて、上質でいいですよ。
ぜひご覧下さい。
真田広之 頑張っているのですねぇ・・・
でも全然知りませんでした。もったいない?!
DVDが出たら 是非見たいと思います。
出ている人も個性的だし、バラエティ豊かだしね。
セリフもなかなか含蓄があって、よかったです。
ぜひ見てくださいね。
きっと気に入るよ。