マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

真夜中のゆりかご

2016-03-14 15:09:39 | 映画ーDVD

ー真夜中のゆりかごーEN CHANCE TIL/A SECOND CHANCE

2014年 デンマーク 102

 

監督=スサンネ・ビア キャスト=ニコライ・コスター=ワルドー (アンドレアス) ウルリク・トムセン (シモン)マリア・ボネヴィー (アナ)ニコライ・リー・コス (トリスタン) リッケ・マイ・アナスン(サネ)

 

【解説】

83回アカデミー賞外国語映画賞受賞作『未来を生きる君たちへ』のスサンネ・ビア監督と脚本家アナス・トマス・イェンセンのコンビによるサスペンス。妻子と幸せな日々を過ごしていたが、突如思いも寄らぬ悲劇に見舞われた刑事の葛藤を、育児放棄や家庭内暴力など現代社会が抱える問題を取り上げながらスリリングに描く。テレビドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズなどのニコライ・コスター=ワルドーを主演に、『ある愛の風景』などのウルリク・トムセンらが出演。

 

【あらすじ】

愛する妻と幼い息子と幸せな毎日を送っていた刑事のアンドレアス(ニコライ・コスター=ワルドー)は、通報を受けて同僚のシモン(ウルリク・トムセン)と共に現場に掛け付けた一室で、薬物依存のカップルと目を覆うような育児放棄の現場を目の当たりにする。夫婦でわが子をいつくしむ日々は愛に満ちていたが、ある日思いがけない悲劇に見舞われ、アンドレアスの中の善悪の価値観が揺らいでいき……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

こんな作品を見ると、監督の力量を感じます。

さすがスサンネ・ビア監督。

もはやストーリーもいらないんじゃない?

監督の意図するところが、的確に伝わってくる感じ。

面白かったです。

 

子供虐待の通報を受けて、刑事のアンドレアス(ニコライ・コスター=ワルドー)が相棒のシモン(ウルリク・トムセン)と踏み込んだ部屋には、かつて自分がDVで逮捕したトリスタン(ニコライ・リー・コス)がいた。

 

あきらかに薬物を使用している。

愛人のサネもいた。

さらに戸棚の中には汚物にまみれた赤ん坊ソーフスが。

サネは自分の子供だと認めた。

 

しかし、調べてみるとソーフスの発育栄養状態にも問題はなく、サネからも薬物は検出されなかった。

トリスタンは薬物使用に問題はあるにしても、留置まではいかないということで釈放となった。

 

アンドレアスは憮然とした。

彼には美しい妻のアナと、ソーフスと同じくらいの月齢のアレキサンダーという息子がいた。

幸せな毎日だったが、子供の夜泣きに悩まされていた。

泣き出すとアンドレアスが車に乗せてドライブして眠らせたり、アナが乳母車で散歩して眠らせたりした。

 

ある夜、アレキサンダーは泣かなかった。

気が付いたアナが抱き上げると、アレキサンダーは息絶えていた。

アナの悲鳴で起きたアンドレアスが必死で蘇生を試み、アナに救急車を呼ぶように言うが、アナは救急車を呼ぶのを拒み、アレキサンダーを取り上げたら自殺すると脅した。

 

アンドレアスはアナに睡眠薬を飲ませ、眠らせるとアレキサンダーを抱き、病院に向かう。

しかし、思いとどまり、トリスタンの家へ。

トリスタンの家では二人とも薬物のせいでぐっすりと眠り込んでいた。

赤ちゃんはバスルームでまた汚物まみれで寝かされていた。

アンドレアスは、亡くなったアレキサンダーに汚物のついたソーフスの衣類を着せ、取り替えて帰って来た。

 

ここ!

いくら死んでいるとはいえ、我が子にそれはあり得ないと、ちょっと見続けるのをやめようと思った瞬間です。

 

ソーフスを連れて帰っても、アナはアレキサンダーではないと言うよね。

 

トリスタンの家では、亡くなった赤ん坊を発見して大騒ぎ。

サネはこれはソーフスではないと言うが、トリスタンは理解できない。

そして、トリスタンが考えついたことは、死んだ赤ん坊を森に産めて、誘拐されたと騒ぐこと。

この企みはうまくいくはずもなく、アンドレアスも駆けつけてトリスタンが連行される。

子供をなくして気が狂ったようになっているサネは精神病院に。

 

こんなふうに登場人物たちが混乱して、どうなるのかなあという興味に聞かれて見続けていると、とんでもない展開となって行きます。

このへんの手腕が、スサンネ・ビア監督すごいね、という感じです。

 

ガンと殴られて目を覚まされて、事実と虚構の存在に気づかされます。

ほんと、アンドレアスさん、アナの何を見ていたの、とか、サネって、いいお母さんやったんやとか、すごく救いもありました。

 

人間って多面性があって、一面だけではわからないよって話。

ほんとすごいわ。

 

お薦めです。


ブラックスキャンダル

2016-03-14 14:26:41 | 映画ー劇場鑑賞

ーブラックスキャンダルーBLACK MASS

2015年 アメリカ 123

監督=スコット・クーパー キャスト=ジョニー・デップ (ジェームズ・ホワイティ・バルジャー) ジョエル・エドガートン (ジョン・コノリー)ベネディクト・カンバーバッチ (ビリー・バルジャー)ロリー・コクレイン (スティーヴン・フレミ)

 

【解説】

ジョニー・デップが主演を務めた実録クライムドラマ。実在するアイリッシュ・マフィアのボス、ジェームズ・ホワイティ・バルジャーが裏社会でのし上がっていく姿を追う。メガホンを取るのは、『ファーナス/訣別の朝』などのスコット・クーパー。『エクソダス:神と王』などのジョエル・エドガートン、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』などのベネディクト・カンバーバッチらが共演する。さまざまな思惑が渦を巻く人間模様に加え、圧倒的存在感を放ちながらホワイティを演じるジョニーにも目を奪われる。

 

【あらすじ】

1970年代、サウスボストン。アイリッシュ・マフィアのボスとして同地一帯を牛耳るジェームズ・ホワイティ・バルジャー(ジョニー・デップ)に、FBI捜査官のジョン・コナリー(ジョエル・エドガートン)が接触を図ってくる。彼はFBIと手を組んでイタリア系マフィアを駆逐しようとホワイティに持ち掛け、密約を交わすことに成功。両者の連携によってイタリア系マフィアの勢力は弱まるが、その一方でホワイティは絶大な権力を持つようになる。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

ギャングものなので、少し躊躇していたのですが、派手な演出もなく、1970年代という時代がとてもリアルに描かれていて、引き込まれました。

 

ボストンを縄張りにするジェームズ・ホワイティ・バルジャー(ジョニー・デップ)と上院議員ビリー・バルジャー(ベネディクト・カンバーバッチ)は兄弟。

アイリッシュ系の両親の間にボストンで生まれる。

 

幼なじみのジョン・コノリーがFBI捜査官としてボストンに赴任して来た。

コノリーは、マフィア撲滅のため、ジェームズに情報提供者になるように要請する。

ジェームズも目の上のたんこぶであるマフィアをFBIが取り締まってくれることは願ったりかなったりのこと。

30年間に渡ってFBIから犯罪行為に目をつぶってもらい、巨大なギャング組織を作り上げていく。

 

実話なので、エンタメ性をそぎ落とした冷徹な作りになっていましたが、その緊張感がなかなかよかったと思いました。

 

ジョニー・デップも、いつものコミカルな表情を消して、ギャングの大ボスにしては地味なくらいで、それもよかったと思いました。

 


脳内ポイズンベリー

2016-03-14 14:21:26 | 映画ーDVD

ー脳内ポイズンベリーー

2015年 日本 121分

監督=佐藤祐市 キャスト=真木よう子 (櫻井いちこ) 西島秀俊 (理性/議長(吉田))古川雄輝 (早乙女) 成河 (越智さん) 吉田羊(,ネガティブ(池田)) 桜田ひより(衝動(ハトコ)) 神木隆之介(ポジディブ(石橋)) 浅野和之(記憶(岸さん)) 

【解説】

テレビドラマ「失恋ショコラティエ」などで知られる水城せとなの人気コミックを実写映画化。7歳下の男性と年上の男性とのややこしい関係に苦悩するアラサー女性の脳内世界で、さまざまな役割を持つ脳内会議メンバーが討論を繰り広げるという異色の設定で描く。ヒロインは真木よう子、彼女の脳内世界で会議を取りまとめる議長役にテレビドラマ「MOZU」で真木と共演した西島秀俊。そのほか古川雄輝、神木隆之介、浅野和之ら、多彩なキャストが集結。

【あらすじ】

携帯小説家の櫻井いちこ(真木よう子)は、飲み会で同席して以降興味を惹(ひ)かれる年下の早乙女(古川雄輝)と偶然再会。声を掛けるか否か、彼女の脳内ではいろいろな役割を持つメンバーが会議を繰り広げ、議長の吉田(西島秀俊)が取りまとめた結果、早乙女を食事に誘うという結論に。その後交際に至るも、双方の誤解や彼の元恋人の登場などで疲れ果てたいちこは、編集者の越智(成河)からもアプローチされ……。(シネマトゥデイ)

【感想】

主人公の携帯小説家の櫻井いちこ(真木よう子)は、過去に不幸な恋愛体験を持っていて、それがトラウマになってうまく恋愛できない。

彼女の脳内はアンバランスで、恋愛しそうになるとパニックを起こし、思いもかけない行動に出たりする。

人の頭の中を見るって、不思議な気持ちで見ていましたが、最後には正しい判断ができて、新しい恋の予感もあって、よかったなあという展開でした。

真木よう子さんがかわいかったです。

でも、彼女が好きになった年下の早乙女(古川雄輝)がダメ男すぎて、ちょっとしらけました。