マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

マネー・ショート 華麗なる大逆転

2016-03-15 10:36:08 | 映画ー劇場鑑賞

ーマネー・ショート 華麗なる大逆転ーTHE BIG SHORT

2015年 アメリカ 130分 

監督=アダム・マッケイ キャスト=クリスチャン・ベイル (マイケル・バーリ) スティーヴ・カレル (マーク・バウム) ライアン・ゴズリング (ジャレッド・ベネット) ブラッド・ピット (ベン・リカート) 

 

【解説】

リーマンショック以前に経済破綻の可能性に気付いた金融マンたちの実話を、クリスチャン・ベイルやブラッド・ピットといった豪華キャストで描く社会派ドラマ。サブプライムローンのリスクを察知した個性的な金融トレーダーらが、ウォール街を出し抜こうと図るさまを映し出す。クリスチャンとブラッドに加え、スティーヴ・カレル、ライアン・ゴズリングも出演。『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』などのアダム・マッケイがメガホンを取る。痛快なストーリーと、ハリウッドを代表する4人の男優の競演が見どころ。

 

【あらすじ】

2005年のアメリカ。金融トレーダーのマイケル(クリスチャン・ベイル)は、サブプライムローンの危機を指摘するもウォール街では一笑を買ってしまい、「クレジット・デフォルト・スワップ」という金融取引で出し抜いてやろうと考える。同じころ、銀行家ジャレド(ライアン・ゴズリング)がマイケルの戦略を知り、ヘッジファンドマネージャーのマーク(スティーヴ・カレル)、伝説の銀行家ベン(ブラッド・ピット)らを巻き込み……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この副題、おかしいでしょう。

「華麗なる大逆転」って、主人公たちにとってはそうかもしれないけど、どれだけみんなが迷惑したと思っているの?

あのリーマンショックを予見して大儲けした人たちの話。

「華麗なる」なんて、よく言うよ。

世界中のたくさんの人たちがひどい目に遭ったのに、まったく共感できない副題です。

 

彼らは、銀行や経済学者のずさんなサブプライムローンの実態に気づき、その崩壊にかけた人たち。

気が付いたんなら、自分たちの儲けを考えるのではなく、広く社会に警告してくれたらよかったのにね。

 

天才的なトレーダーのマイケル(クリスチャン・ベイル)は、サブプライムローンの危機に気が付くが、ウォール街の人たちは一笑に付す。

それならばと、「クレジット・デフォルト・スワップ」CDCという保険商品で債券崩壊の後も儲けてやろうと考える。

  銀行家ジャレド(ライアン・ゴズリング)

 

 ヘッジファンドマネージャーのマーク(スティーヴ・カレル)

銀行家ジャレド(ライアン・ゴズリング)がマイケルの理論に気が付き、顧客のヘッジファンドマネージャーのマーク(スティーヴ・カレル)に持ちかける。

マークのチームは調査を始め、その実態がでたらめなことを突き止めて、CDCを買いあさる。

  ベン(ブラッド・ピット)

大学時代の友人どうしで個人投資家として活動し始めた二人組もこのことを知り、伝説のトレーダーで今は引退しているベン(ブラッド・ピット)を巻き込んで、このゲームに参戦した。

 

全くゲームのようです。

私の理解なので、間違ってかもしれないけど、ゲームのようでもゲームではなく、末端では借金している人もいれば、家賃を払っている人もいる。

そういう人たちには家族もあり、生活もあるわけです。

 

それがマイケルの予見通り崩壊してしまう。

マイケルたちは巨額な保険金をもらうわけですが、末端の人々は借金にまみれ、住居を追われる。

大証券企業や銀行もたくさん倒産して、その負債は世界を駆け巡り、世界中が不況の嵐に見舞われたわけです。

 

さらに悪いことには、そういう債券はまた姿を変え、今もゲームのように膨れ上がりながら、崩壊の時を待っているかもしれないということ。

 

株やローンに手を出さず、ちまちま暮している人が大半でしょう。

当然私もです。

でも、そういう人たちの暮らしを脅かすのが恐慌というやつです。

 

この作品はコメディ仕立てでとても面白いんですが、面白がってもいられないというところがうまく描かれていました。

 

ブラッド・ピットは美味しいところを押さえていました。

 

クリスチャン・ベールが適役ですが、いつもはコメディアンみたいなスティーブ・カレルが一番リアルな人間を演じていて、よかったですよ。

 


雪の轍

2016-03-15 10:26:27 | 映画ーDVD

ー雪の轍ーKIS UYKUSU/WINTER SLEEP

2014年 トルコ/フランス/ドイツ 196

 

監督=ヌリ・ビルゲ・ジェイラン キャスト=ハルク・ビルギナー (アイドゥン) メリッサ・スーゼン (ニハル)デメット・アクバッグ (ネジラ)ネジャト・イスレーシュ
(イスマイル)

 

【解説】

67回カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した、現代トルコ映画界をけん引するヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督による人間ドラマ。世界遺産カッパドキアを舞台に、ホテルのオーナーで元舞台俳優の主人公と美しい若妻との生活、出戻りの妹との愛憎、家賃を滞納する聖職者一家とのいざこざを描く。『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』などのハルク・ビルギナーらが出演。雪に閉ざされたホテルの中で、次第に明らかになっていく登場人物たちの感情が観る者を作品の世界に引き込む。

 

【あらすじ】

世界遺産カッパドキアの「オセロ」というホテルのオーナーである元舞台役者のアイドゥン(ハルク・ビルギナー)は、若くてきれいな妻と、離婚して出戻ってきた妹と生活していた。思い通りに暮らす毎日を送っていたものの、冬が訪れ雪に覆い尽くされたホテルの中でそれぞれの内面があらわになっていき、互いに感情をぶつけ始める。さらに、アイドゥンへの家賃を払おうとしない聖職者一家との関係が悩みの種で……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

2008年にトルコ旅行(カッパドキア編)をしました。

 

この映画の主人公アイドゥン(ハルク・ビルギナー)は、親から引き継いだカッパドキアのホテル経営者です。

元々は俳優で、今は引退し、地方紙のコラムを書いたり、ライフワークであるトルコ演劇史の執筆を前に資料集めをしているところ。

若い慈善活動家の妻ニハルと、離婚して帰って来た妹ネジラと暮しています。

 

3時間以上の長い映画ですが、ほとんど彼のホテルが舞台の会話劇。

カッパドキアにも冬が来て、最後の客である日本人が出て行きました。

ホテルもオフシーズン、雪も降るのですね。

 

アイドゥンの書斎に退屈した妹が訪ねてきます。

アイドゥンは自分ではリベラルなインテリ人間と思っていますが、借家人との間にトラブルを抱え、そのトラブルは弁護士や使用人に押し付けて自ら解決の努力はしません。

妹は辛辣にアイドゥンの現実逃避を批判します。

 

妻はホテルのリビングで慈善事業の資金集めパーティを開いて、アイドゥンからみたらいかがわしい人物と親しくしています。

この話で、二人は離婚の危機まで言及することに。

妹や妻とも言い争いはしたくないのに、不協和音。

 

私の若い頃の議論好きな感じの内容ですが、明るい解決策どころか、人間関係が危うくなり追いつめられる感じです。

 

とうとうアイドゥンは家を出て旅に出ますが、やはり妻の待つ我が家が一番というラストでした。

でも、この先、うまくいくのでしょうか?

 

人生理屈通りには送れない。

自分の価値観にしがみついていてはなおさら。

 

老境に入って、考えさせられるテーマじゃないかな?