マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

ウェディング・ベルを鳴らせ

2010-09-14 14:59:09 | 映画ーDVD

ーウェディング・ベルを鳴らせーZAVET/PROMISE ME THIS/PROMETS-MOI

2007年 セルビア/フランス 

エミール・クストリッツァ監督・脚本 ロシュ・ミロヴァノヴィッチ(ツァーネ)マリヤ・ペトロニイェヴィッチ(ヤスナ)リリャナ・ブラゴイェヴィッチ(ボサ)ストリボール・クストリッツァ(トプス)ミキ・マノイロヴィッチ(バヨ(マフィアのボス))アレクサンダル・ベルチェク(ジヴォイン(祖父))

 

【解説】

『ライフ・イズ・ミラクル』などで知られる、エミール・クストリッツァ監督によるハッピーなラブ・コメディー。牧歌的なセルビアの山村を舞台に、花嫁を探しに都会に出て行く少年の珍道中を軽快な音楽に乗せてつづる。主人公を演じるのは、これが長編デビュー作となるウロス・ミロヴァノヴィッチ。その祖父役をベテランのアレクサンダル・ベルチェクが演じている。おとぎ話のようなストーリー展開と、管弦楽器が奏でるリズムに酔いしれる。

 

【あらすじ】

ツァーネ(ウロス・ミロヴァノヴィッチ)は、セルビアの山奥の村で祖父(アレクサンダル・ベルチェク)とのどかな暮らしを楽しんでいた。ある日、祖父は突然孫に都会へ行って牛を売った代金で3つの約束を果たせと命じる。1つ目は聖ニコラスのイコンを買うこと、2つ目は自分用のお土産を買うこと、そして3つ目は何と嫁を見つけることだった。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

エミール・クストリッツァ監督といえば、私にとってはジョニー・デップ主演の「アリゾナ・ドリーム」なんですが、彼は、旧ユーゴスラビアのサラエヴォ生まれ。

「アリゾナ~」を撮影中に、ボスニア戦争が勃発し、自宅の略奪や父の死を経験したそうです。

「アリゾナ~」を完成させたすぐ後に「アンダーグラウンド」を制作し、カンヌ映画祭でパルムドール賞に輝きました。

 

この「ウェディング・ベルを鳴らせ」は予告編を見て興味を持ちました。

 

すごーい、ドタバタ喜劇でした。

面白かったー。

 

お話の舞台はセルビアの貧しい村。

おじいさんと暮らす16歳の少年ツァーネ(ロシュ・ミロヴァノヴィッチ)が主人公です。

村は過疎化が進んでいるようです。

学校に通う子供はツァーネひとり。

ある冬に役人がやって来て、「一人の生徒しかいないなら、学校は閉鎖だ」と言いました。

それ以来、ツァーネは学校に通えなくなりました。

 

おじいさんは、発明家で、オープニングシーンは「バックトゥザフューチャー」を彷彿とさせます。

古い教会の修理をコツコツとしていますが、自分が死んだ後のツァーネのことが心配でなりません。

 

ある日、おじいさんはツァーネに町で牛を売ってくるように言いつけました。

そのお金で、1.聖ニコラスのイコンを買うこと。2.ツァーネ自身へのお土産を買うこと。3.お嫁さんを見つけてくること、という3つの約束をしました。

 

ツァーネは牛を引いて、村を後にしました。

サーカスのロケット人間が延々と空を飛び続けているし、まるでおとぎ話のようです。

 

町は、とても近代的で美しい町です。

ツァーネは大きなビルに驚きますが、きれいで薄着の美女たちからも目が離せません。

 

やがて、一人の女子高生に目を奪われ、ふらふらとついて行きました。

美しい娘はヤスナ(マリヤ・ペトロニイェヴィッチ)といいます。

教師をしている母と二人暮らしですが、母には秘密がありそうです。

 

ヤスナの母はマフィアのボス・パヨ(ミキ・マノイロヴィッチ)に脅かされているました。

借金があって、そのカタにヤスナを差し出せと言っています。

いまや、ヤスナのストーカーみたいにつきまとっているツァーネですが、彼自身もパヨと関わり、事件に巻き込まれて行きます。

 

とうとうヤスナがパヨの手に落ち、ここからの攻防が、まるで「ホームアローン」のように笑わせてくれます。

 

ツァーネはついに、ヤスナを悪人の手から救い出し、おじいさんとの約束を果たすべく村に帰ってきますが、マフィアも追いかけて来て、牧歌的な村は激しい銃撃戦の舞台となります。

 

それでも、臨場感なし、ほのぼのハッピーなラストとなります。

 

ツァーネとヤスナは、初キッスが、ツァーネが傷ついた振りをしてヤスナを騙して人工呼吸をしたものですから、そのあとのキスも二人は思いっきり息を吸ってキスをします。

初々しいと言うか、とても微笑ましいキスでした。

 

隣人同士で、流血の内戦を経験したセルビア。

立ち直るまでには、村も町もまだまだ時間がかかりそうですが、こんな映画を作れるユーモアがあれば、明日は明るいと思いました。

 

音楽も印象的で楽しかったです。

 

クストリッツァは偉大だと思いました。


ジュリー&ジュリア

2010-09-14 14:49:19 | 映画ーDVD

ージュリー&ジュリアーJULIE & JULIA

2009年 アメリカ

ノーラ・エフロン監督・脚本 ジュリー・パウエル 、ジュリア・チャイルド原作

メリル・ストリープ(ジュリア・チャイルド)エイミー・アダムス(ジュリー・パウエル)スタンリー・トゥッチ(ポール・チャイルド)クリス・メッシーナ(エリック・パウエル)

 

【解説】

映画『奥さまは魔女』のノーラ・エフロン監督による、すべての女性たちにオススメの応援歌。1961年に出版され、アメリカの食卓にフランス料理の大旋風を巻き起こした料理本の著者と、その本を手に幸せをつかもうとする現代女性の2つの物語を紡ぐ。魅力的な主人公を演じるのは、『マンマ・ミーア!』のメリル・ストリープと、『魔法にかけられて』のエイミー・アダムス。試行錯誤の末に女性として、そして人間として光り輝く彼女たちが勇気をくれる。

 

【あらすじ】

1949年、ジュリア(メリル・ストリープ)は外交官の夫の転勤でパリにやって来る。そこで食に目覚めた彼女は名門料理学校ル・コルドン・ブルーのプロ養成コースに通い、やがて料理本を執筆するまでになる。その50年後、ジュリー(エイミー・アダムス)はジュリアの524のレシピを1年で制覇し、ブログに載せるという無謀な計画を実行する。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

お料理研究家のジュリア・チャイルドって知りませんでした。

「王道のフランス料理」というアメリカの家庭料理の本を書いた人だそうです。

日本なら、土井勝さんかな?

1950年代を生きた人。

この映画の現在では90歳のおばあさんです。

 

何かを一途にやってしまう主婦って、いるよねー、と思いました。

 

もう一人の主人公、ジュリーはブロガーです。

なんか、親近感を感じます!!

9.11以後の市民相談係の女性。

 

この二人の女性の物語が平行して語られます。

生きている時代が違うのですから、絡む場面はありません。

ジュリーの完全片思いとも言えます。

 

ジュリア(メリル・ストリープ)は外交官の夫(スタンリー・トゥッチ)の赴任でパリにやってきました。

晩婚で子供に恵まれなかったジュリアは、自分が夢中になるものを探して、料理にたどり着き、料理学校、コルドン・ブルーのプロ養成コースに通い、やがて料理本を執筆するまでになります。

 

ジュリアより遅れること50年、現在のアメリカで生きるジュリー(エイミー・アダムス)は、毎日市民からの苦情や、9.11の事件で苦しんでいる人たちの話を聞いて、憂鬱な毎日です。

そして、ジュリアの「王道のフランス料理」が、小さい時から自分の家庭にあったことを思いだし、ジュリアの524の全レシピを1年間で作り、それを毎日ブログに書くという課題を自分に課しました。

かなり無謀です。

 

でも、いままで決心したことをやり遂げた経験のないジュリーは、中途半端な自分から脱却すべく、その試練に挑んだのでした。

 

メリル・ストリープは、すごい裏声で、古き良き時代のアメリカの女性を楽しく演じていました。

 

エイミー・アダムスも、自分を取り戻そうとしている女性をかわいく演じていました。

 

同じブロガーとして(?)、ジュリーにはとても共感できるところがありました。

私も、ブログがんばろうっと!!

 

結局、ジュリーのブログは評判を呼び、出版までこぎつけますが、当のジュリアには気に入ってもらえなかったようです。

 

それでも、ジュリーにとっては大事な憧れの人。

ラストシーンはとても素敵でした。

 

家庭料理の基本はやはり愛情だと思います。

ジュリーもジュリアも、愛する夫がいたからこそ、なし遂げられたんじゃないかな?

一人で食べるためだけには、頑張れないもの。

 

料理は愛。

これからも家族のために食事を作り続けるであろう私にとって、とても励まされる作品でした。