マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

モーツアルトとクジラ

2007-03-16 09:53:37 | 映画ー劇場鑑賞
ーモーツアルトとクジラー
2004年 アメリカ ペッター・ネス監督 ジョシュ・ハートネット 、ラダ・ミッチェル 、ゲイリー・コール 、シーラ・ケリー 、エリカ・リーセン 、ジョン・キャロル・リンチ 、ネイト・ムーニー 、ラスティ・シュウィマー 、ロバート・ウィズダム 、アレン・エヴァンジェリスタ

【解説】
発達障害の一種であるアスペルガー症候群の男女が織りなすラブストーリー。予測不可能な相手の行動に戸惑いながらも愛を育むカップルを、若手人気俳優ジョシュ・ハートネットと『サイレントヒル』のラダ・ミッチェルが熱演する。脚本は『レインマン』でオスカーを受賞したロナルド・バス、監督はノルウェー出身のペター・ネス、本作のモデル、ジェリー・ニューポートが監修に参加。障害を抱えながらも人生をともに歩もうとする2人の姿が胸を打つ。

【あらすじ】
アスペルガー症候群のために平穏な日常生活を送ることができないドナルド(ジョシュ・ハートネット)は、同じ障害を持つ仲間たちが集まる集会でイザベル(ラダ・ミッチェル)と出会う。率直で感性豊かな彼女も同じ悩みを抱えており、2人は恋に落ちる。しかし、相手を愛する気持ちとは裏腹に、互いを傷つけ合ってしまい……。 (シネマトゥデイ)

【感想】
「レインマン」を見てから、初めて自閉症という言葉を知りました。
その後、仕事の関係で、自閉症時の教育に取り組んでいる先生とお話しする機会もありましたし、娘の学年にも1人いました。
けれども、普通の生活の中ではそういう人たちに会う機会もないし、感心もないのが実情でしょう。
結構な割合でいると聞くアスペルガー症候群の人たち、どこで息をひそめて暮らしておられるのでしょう。

レディースデイということもあって、小さな映画館は立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。

この映画では、ジョシュ・ハートネット もラダ・ミッチェル もとても自然に演技をしていたので、あまり特別な人たちというような気持ちにはなりませんでした。
ドナルド(ジョシュ・ハートネット)は人と目を合わせないというのが特徴のようでしたが、イザベル(ラダ・ミッチェル)の方は挑戦的に人を凝視していました。
きっと、いろんな症状があるのでしょう。
特にイザベルのような症状は、ただのわがままや気まぐれ、偽悪趣味にしか映らないでしょうね。
本人も自覚してやっている部分もあったみたいでした。

とにかく、人と関わるのが苦手な人なんだと、個性としてとらえることが大切なんだと言うメッセージが伝わってきました。
だって、健常者と言われる人でも、気難しい人、こだわりのある人、わがままな人、いっぱいいますからね。

人と関わるのが苦手でも、人を恋しく思う気持ちは同じ。
お互いに気持ちのいい距離が分かるまでとても時間がかかって、大変だったけど、二人が家庭を持ってやっていこうと決心をして、仲間たちに支えられて、希望に満ちたラスト、とても心が温まりました。

ラストキング・オブ・スコットランド

2007-03-16 09:48:22 | 映画ー劇場鑑賞


ーラストキング・オブ・スコットランドー
2006年 アメリカ/イギリス ケヴィン・マクドナルド監督 フォレスト・ウィッテカー 、ジェームズ・マカヴォイ 、ケリー・ワシントン 、ジリアン・アンダーソン 、サイモン・マクバーニー 、デヴィッド・オイェロウォ

【解説】
かつてのウガンダの独裁者、アミン大統領政権の内幕を大胆に脚色した社会派サスペンス。孤独な権力者の光と影を、側近の青年医師の視点で描く。権力の魅力に負け、堕ちて行く若い医師を演じるのは、『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』のジェームズ・マカヴォイ。大統領を演じるのは、『パニック・ルーム』のフォレスト・ウィッテカー。二面性を持つカリスマの狂気を見事に演じ切った彼の鬼気迫る演技は必見。

【あらすじ】
1971年、スコットランドの医学校を卒業したニコラス(ジェームズ・マカヴォイ)は、診療所で働くためにウガンダにやって来る。ある日、彼はアミン新大統領(フォレスト・ウィッテカー)の演説を聞きに行った帰り道で、偶然にも大統領の捻挫の治療をすることになる。大統領から気に入られたニコラスは、アミン一家の主治医になるが……。 (シネマトゥデイ)

【感想】
 アミン大統領役のフォレスト・ウィッテカー が角栄がショウを総なめした後、みごとアカデミー賞主演男優賞に輝いた作品。

 ウィッテカーが主演といっても、物語の主人公はスコットランド人の新米医者ニコラス(ジェームズ・マカヴォイーどこかで見た!と思ったらナルニア国物語のタムナスさんだ!!)。
観客は、この無邪気な若者とともに恐怖の体験をすることになる。

これは、政治の話じゃありませんよ。
やくざかマフィアの話です。

医大を卒業し、厳格な父親から離れて、気まぐれに地球儀を回して指差したところがたまたまウガンダだった、という青年のお話。
今時のバックパッカーみたいなものです。
なんでも、みてやろう、冒険。
甘い言葉に誘われて、若者たちは世界をさすらっています。

でも、世界はそんなに甘いものではありません。
イラクで人質になって、命を落とした日本の青年もいましたものね。

ニコラスは医者としてウガンダの村に派遣されました。
ひょんなことから、イディ・アミン大統領の怪我を治療したことで彼に気に入られ、気がついたら彼の主治医として、側近中の側近になっていました。

イディ・アミンはその絶対的な権力故の疑心暗鬼に悩まされ、狂気と正気の間を彷徨っていました。
でも、その事実に彼が気がついたときはあとのまつり、彼はアミンと抜き差しならない関係に陥っていたのです。

そこからの恐怖…。
イディ・アミンが直接手を下すシーンは一度もありませんでした。
人懐っこい笑顔、ユーモアたっぷりの話し方、人を魅了するカリスマ性。
愛すべき人物にみえるのに、その表情のすぐ裏に隠されている狂気と残虐性。
若者は翻弄され、追いつめられて行きます。

この映画を観る人は、少し心を引き締めた方がいいでしょう。
権力が人を狂気に導き、無知の代償はあまりに大きい、という恐怖のテーマには見るべきものがありました。

カイロの紫のバラ

2007-03-16 09:40:06 | 映画ーDVD
写真が見つかりませんでした。

ーカイロの紫のバラー
1985年 アメリカ ウディ・アレン監督 ミア・ファロー 、ジェフ・ダニエルズ 、ダニー・アイエロ 、エド・ハーマン 、ダイアン・ウィースト 、ヴァン・ジョンソン 、ゾー・コールドウェル 、ミロ・オーシャ 、ジョン・ウッド 、グレン・ヘドリー 、マイケル・タッカー

【解説】
 古き良き30年代、熱心に映画館に通いつめるウェイトレスに、ある日スクリーンの中から映画の主人公が語りかけてきた。銀幕を飛び出し、現実世界へ降り立ったその主人公は、ウェイトレスを連れて劇場を後にする。大慌ての興行者たちをよそに、2人の仲は進展していく。そして、主人公を演じた本物のスターが現れた事によって自体はますます混乱を極めていく……。W・アレンが出演なしに脚本・監督したファンタステイックなラブ・ロマンス。(yahoo映画)

【感想】
昔は入れ替え制なんかなかったから、いたいだけ映画館にいられたんですよね。
古き良き時代、思い出しました。
60年代ですけどね。

主人公のセシリア(ミア・ファロー)の気持ち、もちろんすごくわかります!!
素敵なスターに憧れて、繰り返し映画館に足を運ぶ、って私そのものです。
銀幕の中から、彼が降りてきて、手に手を取って逃避行…なんて、映画ファンの究極の夢ですね。
あーっ(せつないため息)

セシリアの現実は厳しい。
仕事もなくぶらぶらしている亭主は、酔っぱらっては殴ってくるし、ウエイトレスの仕事も、映画に夢中でぼーっとしてミスばかり、あげくにはクビになってしまうし。

そんな時だったのです、銀幕の中の冒険家が、彼女見初めたのは。
そして、生まれて初めての甘いデート。
そこに騒ぎを聞いて、ハリウッドから関係者が駆けつけます。
その中には冒険家を演じていた本物の俳優もいて、彼もセシリアに恋をしていると言います。
わあ、きゃあ、憧れの人が目の前で愛を語るのよ!!
冒険家は本物の自分からセシリアを奪い、スクリーンの中へ。
めくるめく夢の世界を体験した後、本物か、架空の人物かと選択を迫られて、セシリアは現実の彼を選び、一緒にハリウッドへ行こうとするのですが…。

俳優はセシリアを残してハリウッドへ去り、すべては春の淡雪のごとく消えてしまいました。
セシリアは厳しい現実の中で生きるしか道はありません。
ふたたび、映画館に入り、ジンジャー・ロジャースとフレッド・アステアが歌い踊る夢の世界に没頭するのでした。

逃避と言ってしまえばそれまでですが、逃避が必要な人生もあるのです。
セシリア、がんばれ。