マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

ボビー

2007-03-01 11:50:00 | 映画ー劇場鑑賞
ーボビーー
2006年 アメリカ エミリオ・エステヴェス監督 ハリー・ベラフォンテ 、ジョイ・ブライアント 、ニック・キャノン 、エミリオ・エステヴェス 、ローレンス・フィッシュバーン 、ブライアン・ジェラティ 、ヘザー・グレアム 、アンソニー・ホプキンス 、ヘレン・ハント 、ジョシュア・ジャクソン 、デヴィッド・クラムホルツ 、アシュトン・カッチャー 、シア・ラブーフ 、リンジー・ローハン 、ウィリアム・H・メイシー 、スヴェトラーナ・メトキナ 、デミ・ムーア 、フレディ・ロドリゲス 、マーティン・シーン 、クリスチャン・スレイター 、シャロン・ストーン 、ジェイコブ・バルガス 、メアリー・エリザベス・ウィンステッド 、イライジャ・ウッド

【解説】
1968年のロバート・F・ケネディ暗殺事件当夜、アンバサダーホテルに集った22人に焦点を当てた人間ドラマ。“ボビー”の愛称で国民に愛されたアメリカ大統領候補が凶弾に倒れるまでの一日を、彼に希望を託した人々の人生を通して描く。『世界最速のインディアン』のアンソニー・ホプキンスや『氷の微笑2』のシャロン・ストーンら豪華キャストが集結。当時の映像やスピーチを織り交ぜて見せる映像のリアルさに圧倒される。

【あらすじ】
名門アンバサダーホテルのドアマンだったジョン(アンソニー・ホプキンス)にとって、かつての職場は自分の家のようなもの。彼はいつものように元同僚のネルソン(ハリー・ベラフォンテ)とホテルのロビーでチェスを楽しんでいた。そこへ国民の期待を一身に受けたアメリカ大統領候補、42歳のケネディ上院議院が到着する。 (シネマトゥデイ)

【感想】
1968年、6月5日、ロバート・F・ケネディがアンバサダーホテルで銃弾に倒れた日、エミリオ・エステヴェスは6歳で自宅でその速報を見たそうです。
そのニュースを、寝ていた父親チャーリー・シーンを起こして知らせたそうです。



その後彼は俳優一家に育ったこともあったのでしょう、俳優としてデビューして、数々の映画に出演、近年はTVの監督やプロデューサー、ワイナリーの経営もしているそうです。

その彼がアンバサダーホテルを取り壊すという時に訪れ、インスピレーションを得て、資料を集め、脚本を書き始めたそうです。

ところが、すぐに行き詰まっていたら、弟のチャーリー・シーンから背中を押され、静かに書ける場所を求めて旅に出ます。
そして訪れたテレビもないようなモーテルで、ある女性から話しかけられ、旅の目的を告げると「私はあのとき、あの場所にいました」と言ったそうです。
彼女のイメージから、ダイアナというリンジー・ローハンの演じたキャラクターが出来上がり、あとは一気に書き上げたそうです。

驚くことに、この作品の登場人物は、フレディ・ロドリゲスが演じたホセと言う人物以外はすべて架空の人物、エミリオの創作によるというのです。

主要人物だけでも22人。
登場人物の多さに圧倒されますが、とても性格がしっかり描き分けられてあるので、混乱することはないと思います。

隣に座っていた二人組の女性は途中で出て行ってしまいましたが。
退屈したのでしょうか?
最後まで見て欲しかったなあ。

映画はアンバサダーホテルの一日、明け方の火災報知器の誤報から始まって、夜、カリフォルニアの予備選で圧倒的勝利をおさめ、勝利宣言をするRFKを銃弾が襲うまでの長い一日の、人々のありようを克明に描いてあります。

「ボビー」というタイトルですが、ボビーその人は映画の終わり頃に、後ろ姿か遠景、あるいは記録フィルムにしか登場しません。
演説のシーンでは、実写の方もフィルムのトーンをあわせて報道フィルムの様に見せていました。
うまかった。

パーティに集まった人々の、希望に満ちた顔。
それぞれの人生で、苦悩は抱えているものの、この時ばかりは若いボビーと一緒に、アメリカの明るい将来を確信したことでしょう。

しかし…。

実際にRFKを撃ったのはパレスティナの青年でしたが、この暗殺の真相も、兄と同様霧の中だそうです。

狙撃現場の混乱の中で、ボビーの演説が流れます。
それは特別な主張ではなく、暴力をなくすために、ひとりひとり何ができるかと言う、ごく当たり前の演説でした。
涙があふれてきました。

この事件ばかりではなく、アメリカでは主張する人の命が数多く失われてきました。
そのたびに、それを支えにしていた人たちが、何度失望したことでしょう。
そうして、あの9.11を迎えたのでしょう。
あそこまでの、暴力。
アメリカを取り巻く強い憎しみの嵐。

この時期に、この作品が発表されたことも意義が深いでしょう。
ボビーのメッセージを読み取って、暴力のない世界が来ることを祈ります。

さて、この豪華俳優陣が無駄なシーンなくたんたんと演じているのですから、見所は満載です。

まず、アンバサダーホテルに深い愛着を持つ元ベルボーイにアンソニー・ホプキンス。
そのチェスのお相手がハリー・ベラフォンテ。

支配人に、ウィリアム・H・メイシー、愛人にヘザー・グレアム、妻でホテルの中の美容院に勤めるシャロン・ストーン。
ホテルのショーに出演する落ち目の歌手にデミ・ムーア、その夫にエミリオ自身、彼らは昔婚約していたこともあったそうです。



デミ・ムーアとシャロン・ストーンの絡みも大女優同士としては珍しいシーンだと思いました。
なかなか味わい深いです。

 

デミ・ムーアの現在の夫、アシュトン・カッチャーは薬の売人。怪しい役だけど、目がかわいい。



あとは、最前線に送られないために偽装結婚する、イライジャ・ウッドとリンジー・ローハン。
こんなことも、あったのですね。
ベトナム戦争が泥沼化してきている時期です。

ホセを励ます副料理長にローレンス・フィッシュバーン。
エミリオとは14歳からの親友ですって。
彼のセリフにこの映画の熱いメッセージが含まれています。



お父さんのチャーリー・シーンの役は若い神経質な妻(ヘレン・ハント)を連れた大富豪。
なんか、目の光が慈愛に満ちていて、ジーンと来ました。

映画の中のお話も、時代背景を巧みに取り入れながら、人間関係の機微を描いているのですが、この映画に関わった人たちも、エミリオの情熱に動かされたんだということが、伝わって来るような作品でした。

音楽もすごく良かったです。

Gガール 破壊的な彼女

2007-03-01 11:30:32 | 映画ー劇場鑑賞
ーGガール 破壊的な彼女ー
2006年 アメリカ アイヴァン・ライトマン監督 ユマ・サーマン 、ルーク・ウィルソン 、アンナ・ファリス 、レイン・ウィルソン 、エディ・イザード 、ワンダ・サイクス 、マーク・コンスエロス

【解説】
スーパーヒロインとごく普通の男性の恋愛を描くパワー全開の“エロかっこいい”ラブコメディ。何もかもがケタ外れの美女と付き合うスリリングな恋をおもしろおかしく描く。ゴージャスなヒロインに『キル・ビル』シリーズのユマ・サーマンがふんし、彼女のパワーに恐れをなして逃げ出す会社員を『チャーリーズ・エンジェル』シリーズのルーク・ウィルソンが熱演する。嫉妬に狂ったヒロインによる、破壊力満点の復讐劇は爆笑必至。

【あらすじ】
建設会社で働くマット(ルーク・ウィルソン)は、地下鉄で眼鏡美人(ユマ・サーマン)に声をかける。だがその瞬間に彼女がひったくりにあい、犯人をつかまえた彼はその美女とデートの約束をとりつける。そのころ、NYは超人的パワーを持つ正義の味方“Gガール”の話題でもちきりだったが、じつはその美女こそがGガールで……。 (シネマトゥデイ)

【感想】
なんていったらいいか?
ラブコメなんだろうか?
けっこうエッチだし。
でも、ツボにはまったみたいです。

彼女と別れて半年のさえないサラリーマンマット(ルーク・ウィルソン)がナンパしたのは、今をときめく正義の味方Gガール(ユマ・サーマン)だった。
一夜限りのお付き合いのはずが、彼女に惚れられ、その情の深さに愛想尽かしをしたら、超ド級のスーパーストーカーに変身!!
一方で、昔Gガールに振られたことを根に持つバリー(エディ・イザード)は、これまたストーカーのごとく彼女に復讐しようとつきまとっている、というストーリーです。

ユマのスーパーガールぶりがすごくかっこいい。
スーパーマンをイメージさせる各シーンがあって、しかもお色気満点。
ルークのダメ男ぶりに、もう少し魅力が欲しい感じかなあ。

とってもバカバカしくて、楽しい映画でした。
チープな感じも気に入りました。

ロバと王女

2007-03-01 11:25:15 | 映画ーTV
ーロバと王女ー
1970年 フランス ジャック・ドゥミ監督 カトリーヌ・ドヌーヴ 、ジャン・マレー 、ジャック・ペラン 、デルフィーヌ・セイリグ 、ミシュリーヌ・プレール

【解説】
「シェルブールの雨傘』のジャック・ドゥミ監督の名作がついにデジタルニューマスター版として復活。公開当時フランスで200万人の観客を動員した愛のファンタジーが、30年あまりの年月を経てよみがえった。今では大女優として貫禄たっぷりのカトリーヌ・ドヌーヴの光り輝くような若々しい美しさも、『ニュー・シネマ・パラダイス』のジャック・ペランのキュートな王子様ぶりも楽しめる。豪華絢爛でありながらポップな娯楽作。

【あらすじ】
妃を亡くした王(ジャン・マレー)は自分の娘である王女(カトリーヌ・ドヌーヴ)に結婚を迫る。困った王女はロバの皮に身を隠して姿を消すが、何も知らない王子(ジャック・ペラン)に一目惚れされ……。 (シネマトゥデイ)

【感想】
シンデレラのようなおとぎ話ですが、いわゆるおとぎ話らしい残酷さを含んだ作品です。

愛する妻を亡くして悲しみに暮れる王様が、あろうことか自分の娘に求婚する。
娘は妖精のアドバイスを聞いて、王様に無理難題を要求するが、王様はなんでも叶えてしまう。
最後に宝石を産むロバの皮まで要求するのだが、王様はロバを殺して王女の寝室に運びこむ。
王女は妖精の魔法を借りて、ロバの皮をかぶり、顔を汚してみにくい娘となって、隣の国の村の下女として身分を隠し、働きます。

その国の王子様が、魔法で呼び寄せられ、ロバの皮の娘に恋をしますが、身分違い故に両親に言い出せず、恋わずらいで寝込んでしまいます。
娘のお菓子を求めたり、その中に入っていた指輪で娘を特定したり、とうとう二人は結ばれ、めでたしめでたし、というストーリーです。

最後のシーンで、ヘリコプターが飛んできたのには、ぶったまげました。
こんなんありですか?

映像はすごく凝っていました。
セットや衣装も手作りっぽく、こだわりを感じました。
カトリーヌ・ドヌーブがすごくきれい。
相手役のかわいい王子はなんと、ジャック・ペランだったのね。
いやあ、わかりませんでした。

お気に入り、とは言いがたいけど、面白かったです。

 07年、アカデミー賞のカトリーヌ・ドヌーブ