NTTデータは、横浜銀行、北海道銀行、七十七銀行、東日本銀行の5行(MEJAR各行)が共同利用しているシステム(MEJAR)をオープン系システムへ移行し、2024年1月4日より国内銀行業界初、マルチバンクオープン勘定系システムの稼働を開始した。
NTTデータは、2010年からメインフレームでMEJARを提供してきたが、メインフレーム提供事業者ならびにその技術者の減少、半導体不足等によるハードウエア価格の高騰などを受けて、メインフレーム上に構築されたシステムをオープン化するためのフレームワーク「PITON(ピトン)」を適用し、オープン系システムへ移行することを2021年に基本合意し、開発を進めてきた。
PITONを適用することで最適な製品選択ができ、大規模システムが求める高信頼性を確保すると共に、永続的なサービスを実現する。
NTTデータは、2010年1月の横浜銀行のサービス利用を皮切りに、MEJAR各行へメインフレームによる共同利用システムを提供してきた。
2019年以降、次期MEJARのオープン系システムへの移行を目指し、次期システム基盤の技術面・コスト面の検証を行い、研究開発と技術検証の結果、2021年4月にPITONを使った勘定系システムの開発に着手した。
このほどMEJARのシステム移行を完了し、2024年1月4日に銀行業界初となるマルチバンクオープン勘定系システムの稼働を開始した。
同取り組みでは、NTTデータ地銀共同センターなどで高い実績を持つ標準バンキング・アプリケーション「BeSTA」をベースにしたアプリケーション資産を、マイグレーションの上、継続利用することで移行リスクの低減やサービス品質を確保した。
また、アプリケーションを含めたシステム資源を複数行で共用するマルチバンク方式を継続し、オープン化を実現している。
MEJARのPITON採用によるオープン系システムのサービスを皮切りとし、ミッションクリティカル領域を中心に、PITONを使ったオープン系システム移行の拡大を進めていく。
すでに、しんきん共同センターの次期勘定系システムはPITONを採用することが決定しており、2026年のオープン系システムへの移行に向けて開発を進めている。
さらに、ミッションクリティカルシステムの更なる効率的な運用や金融機関の管理負担の軽減に向け、将来的な勘定系システムのクラウド構想の実現を目指す。<NTT>