NECとNTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、製造プラント内で作業員に異常が発生した際に迅速に検知・救出することを目指し、3Dマップとスマートグラスを活用して作業員の位置測位を行う実証実験を実施した。同実証は、JFEエンジニアリング(JFEE)の協力のもと、同社の運営する実証用プラント「5G Innovation Plant」で行った。
製造プラントは、広大な屋内空間に多くの設備・機器が設置され入り組んだ構造をしているため、人の正確な位置測位が難しい環境。屋内での人の位置測位において一般的に用いられる技術としてBluetooth Low Energyビーコンからの信号の判別による位置推定技術があるが、金属やコンクリート壁といった障害物が多い環境では、ほかの電波の反射や干渉によって測位の精度が低くなるという課題がある。また、測位のために等間隔でビーコンアンテナを必要数設置し、作業者が受信機を携帯する必要も生じる。
こうした製造プラントの環境下でも作業員の位置を正確に測位し、異常が発生した際などに迅速に対応できるようにするソリューションの構築を実現するため、同実証を実施した。
製造プラント内の作業員が装着したスマートグラスから目線映像を取得し、事前に作成した3Dマップと照合することで、作業員の位置測位を行った。
実証の手順は次の通り。①スマートフォンにて事前にプラント内を撮影し、映像データを用いて自己の位置や姿勢の推定と環境地図作成を同時に行う「VSLAM(Visual SLAM)」技術で3Dマップを構築(初回のみ) ②プラント内で作業する作業員がスマートグラスを装着し、スマートグラスで目線映像を記録 ③記録した目線映像から特徴点を捉え、事前に撮影したプラント内の画像から作成した3Dマップと照合することで、GPSやビーコンを使わずに位置測位
社の役割は、NEC:同実証の環境構築、VSLAMを活用した映像による位置測位技術の提供 NTT Com:同実証の統制 スマートグラスおよび、遠隔作業支援ソリューションAceReal Assistの提供
同実証では、スマートグラスを装着した作業員が歩行速度などを意識して巡回したところ、歩行開始から終了まで正確な位置測位ができた。今後、歩行速度によらず正確な位置測位ができるよう、照合精度の向上に向けたチューニングなどの検証を行う。
また、同実証では、カメラ目線映像をサーバーに保存し、オフライン環境で3Dマップと照合して測位精度を確認した。
今後は、3Dマップへカメラ目線映像を直接伝送・照合する仕組みを作ることで、リアルタイムに作業員の位置把握ができるよう準備をすすめる。
両社は同実証で明らかとなった課題を検証し、2023年度末ごろの商用化をめざして連携していくとともに、製造プラントにおける安心・安全な環境づくりへの貢献にむけた事業共創を検討していく。<NEC>
製造プラントは、広大な屋内空間に多くの設備・機器が設置され入り組んだ構造をしているため、人の正確な位置測位が難しい環境。屋内での人の位置測位において一般的に用いられる技術としてBluetooth Low Energyビーコンからの信号の判別による位置推定技術があるが、金属やコンクリート壁といった障害物が多い環境では、ほかの電波の反射や干渉によって測位の精度が低くなるという課題がある。また、測位のために等間隔でビーコンアンテナを必要数設置し、作業者が受信機を携帯する必要も生じる。
こうした製造プラントの環境下でも作業員の位置を正確に測位し、異常が発生した際などに迅速に対応できるようにするソリューションの構築を実現するため、同実証を実施した。
製造プラント内の作業員が装着したスマートグラスから目線映像を取得し、事前に作成した3Dマップと照合することで、作業員の位置測位を行った。
実証の手順は次の通り。①スマートフォンにて事前にプラント内を撮影し、映像データを用いて自己の位置や姿勢の推定と環境地図作成を同時に行う「VSLAM(Visual SLAM)」技術で3Dマップを構築(初回のみ) ②プラント内で作業する作業員がスマートグラスを装着し、スマートグラスで目線映像を記録 ③記録した目線映像から特徴点を捉え、事前に撮影したプラント内の画像から作成した3Dマップと照合することで、GPSやビーコンを使わずに位置測位
社の役割は、NEC:同実証の環境構築、VSLAMを活用した映像による位置測位技術の提供 NTT Com:同実証の統制 スマートグラスおよび、遠隔作業支援ソリューションAceReal Assistの提供
同実証では、スマートグラスを装着した作業員が歩行速度などを意識して巡回したところ、歩行開始から終了まで正確な位置測位ができた。今後、歩行速度によらず正確な位置測位ができるよう、照合精度の向上に向けたチューニングなどの検証を行う。
また、同実証では、カメラ目線映像をサーバーに保存し、オフライン環境で3Dマップと照合して測位精度を確認した。
今後は、3Dマップへカメラ目線映像を直接伝送・照合する仕組みを作ることで、リアルタイムに作業員の位置把握ができるよう準備をすすめる。
両社は同実証で明らかとなった課題を検証し、2023年度末ごろの商用化をめざして連携していくとともに、製造プラントにおける安心・安全な環境づくりへの貢献にむけた事業共創を検討していく。<NEC>