東芝三菱電機産業システム(TMEIC)は、独自のミスト成膜技術により、カーボンナノチューブの薄膜化に成功した。
カーボンナノチューブは導電性に優れ、強度と柔軟性を兼ね備えた材料として注目されており、さらにフィルム状にすることで様々な分野へ用途が広がることが期待されている。特に、透明導電性フィルムとして実用化された場合、太陽電池セルの大面積化や自由な形状をした、新しいディスプレイパネル等の実現が期待できる。
従来の、カーボンナノチューブフィルム化生成方法である塗布方式では、塗布量の微調整が難しく、カーボンナノチューブを薄くムラなく均一な膜として形成することは困難とされていた。
今回TMEICでは、カーボンナノチューブ原料をミスト化し、最適に噴霧する、独自のミスト成膜技術により、「厚みが100ナノメートルの均一な膜厚」を実現することに成功した。
また同時に、透明導電性フィルムとしての実用上、不可欠な条件である「透過率90%以上」も達成した。今後、カーボンナノチューブ薄膜の早期実用化に向け、プロセス条件等の一層の最適化を図る。
TMEICのミスト成膜技術は、膜厚10~100ナノメートルにおいて、ナノ単位での膜生成が可能であり、上記カーボンナノチューブ以外にも導電性高分子やハイブリッド材料(有機/無機)、ナノ粒子分散液などの最先端材料でも適用可能。