“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「心はこうして創られる」(ニック・チェイター著/講談社)

2022-11-15 09:34:49 |    生物・医学



<新刊情報>



書名:心はこうして創られる~「即興する脳」の心理学~

著者:ニック・チェイター 

訳者・解説:高橋達二、長谷川 珈

発行:講談社(講談社選書メチエ)

 あなたが「思っている」と思っていることは、全部でっちあげだった!「心の奥底には何かが隠されている」と、誰もが思いたがる。心理学者や精神分析学者たちは、暗がりに潜むものを暴き出そうと奮闘してきた。だが、神経科学や行動心理学の驚くべき新発見の数々は、隠された深みなどそもそも存在しないことを明らかにしている。「無意識の思考」などというのは、神話にすぎなかったのだ。わたしたちの脳は、思考や感情や欲望を「その瞬間に」生み出している……行動の理由も、政治的信念も、そして恋心さえも。同書が紹介する数々の驚くべき実験結果を目にしたとき、そのことを疑うことはもはや不可能になる。世界はどのように存在し、自分はどんな人間であるのか―それも、脳がもつ途方もない即興能力によって創り出されるフィクションなのだ。認知科学をリードする世界的研究者が"脳と心"の秘密を解き明かす、超刺激的論考。
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●科学技術ニュース●凸版印刷、DeNAとアバターの真正性付与/証明の実証実験を実施

2022-11-15 09:34:18 |    情報工学
 凸版印刷は、DeNAと共同で、メタバース空間におけるアバターの真正性付与/証明に関する公開実証実験を実施する。
 
 具体的には、DeNAが開催するメタバースイベント「Mobage 3D Park」の参加者が、凸版印刷が提供するアバター生成管理基盤「AVATECT」を活用して、真正性情報をアバターに付与できるようにする。
 
 同実証を通じて、凸版印刷は、コンテンツホルダーが抱えるメタバース活用の課題である、アバターの不正コピー防止を始めとした著作権保護効果や、真正性付与アバターの挙動に関する技術検証などを実施する。

 メタバース市場への関心が急速に高まる中、国際的な倫理規定や新たな技術に対するルール策定が進んでいないことに起因したリスクがメタバース普及の大きな課題になっており、匿名性の高いキャラクターアバターの不正利用や、バーチャル店舗における店員や窓口職員などの接客業務におけるなりすまし等の、新たなリスクが考えられる。

 このような中で凸版印刷は、アバター本体の管理や本人認証に加え、アバターに電子透かしや、NFT(非代替性トークン、Non-fungible token)を付与する、アバター生成管理基盤「AVATECT」を2022年2月に開発。メタバースに参加する個人や企業に安全/安心な体験や経済活動の場を提供することを目指している。
 
 この度、DeNA が運営するSNS「Mobage(モバゲー)」で提供しているアバターを、メタバース空間で利用できるイベント「Mobage 3D Park」がオープン。同イベントの中で「AVATECT」の公開実証実験を行う事で、コンテンツホルダーのメタバースビジネスにおける課題抽出や、その課題に対する「AVATECT」の有用性を検証。

 同実証では、ユーザーが、あらかじめダウンロードしたアバターを「AVATECT」に登録し、電子透かしによる真正性情報を付与するなどした後、「Mobage 3D Park」に参加することで、アバターの流出/改ざんを抑止できたかなどの具体的な効果を検証する。<凸版印刷>
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●科学技術ニュース●NICTなど、世界初、標準外径光ファイバで55モード多重、毎秒1.53ペタビットの伝送成功

2022-11-15 09:33:02 |    通信工学
 情報通信研究機構(NICT=エヌアイシーティー)ネットワーク研究所のラーデマッハ・ ゲオルグ・フレデリック主任研究員らのグループは、ベル研究所、プリズミアン、クイーンズランド大学と共同で、標準外径(0.125 mm)55モード光ファイバにおいてモード多重技術を駆使し、世界で初めて、標準外径の光ファイバで毎秒1.53ペタビット大容量伝送実験に成功した。

 今回の実験では、商用の波長帯域(C帯)を用いて55ものモード多重に成功、周波数帯域当たりのビット数を飛躍的に増やし、標準外径光ファイバの伝送容量世界記録を更新した。

 先行しているマルチバンド波長多重技術との併用により、今後の更なる伝送容量の拡大も見込めることから、Beyond 5G後の情報通信インフラを見据えた技術開発に先鞭を付けた。

 今回、55ものモード多重信号のMIMO処理を行うために、高速かつ並列度の高い信号受信システムを構築し、全モードの信号を一括で受信した。

 受信後にMIMO処理を行った結果、C波長帯の184波長において偏波多重16QAM信号のモード分離に成功した。

 過去の15モード多重伝送と比較すると、モード数の増加に伴い、周波数帯域当たりのビット数が3倍以上(332ビット/秒/Hz)に向上している。

 今回の実験ではC波長帯を用いたが、今後、波長帯域をマルチバンド化していくことで更なる伝送容量の拡大を見込める。

 今後、更なる伝送容量の拡大を目指し、周波数帯域を拡大した大容量伝送を検証していくとともに、長距離化、スイッチング等の要素技術の検討を進め、ネットワーク化の可能性を探求する。<情報通信研究機構(NICT)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「高分子材料の事典」(高分子学会編集/朝倉書店)

2022-11-15 09:32:29 |    化学



<新刊情報>



書名:高分子材料の事典

編集:高分子学会

発行:朝倉書店

 高分子材料は、成形加工が容易、軽いなどの優れた特性をもち、日用品から建築・土木、医療、エネルギー、宇宙開発に至るまで広範な分野で利用されている。同書では「材料としての高分子」にフォーカスし、約300のトピックを見開き形式で解説。高分子の研究者はもとより、高分子材料を扱う関連分野の研究者・技術者にも役立つ一冊。【内容】材料(ポリプロピレン他)/応用(燃料電池,バイオマスプラスチック他)/成形加工/分析・試験法/計算科学/基礎(重合法他)。
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