“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「進化論の進化史」(ジョン・グリビン、メアリー・グリビン著/早川書房)

2022-07-20 09:35:10 |    生物・医学



<新刊情報>



書名:進化論の進化史──アリストテレスからDNAまで

著者:ジョン・グリビン、メアリー・グリビン

訳者:水谷 淳

発行:早川書房

 進化論を生んだのはダーウィンではなかった!? 自然選択による進化の理論は、ダーウィンが何もないところから生み出したものではない。アリストテレス、荘子、ダ・ヴィンチ、ウォレス――古代ギリシャ時代からさまざまな形で存在していた「進化」概念の系譜をたどり”失われた鎖/ミッシング・リンク”をつなぎ直す、進化論の進化史。
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●科学技術ニュース●富士通、ミリ波センサーで収集した点群データから人の姿勢を高精度に推定する新技術を開発

2022-07-20 09:34:43 |    情報工学
 富士通は、一般的なミリ波センサーで取得される粒度の粗い点群データから人の姿勢を高精度に推定できる新技術を開発した。

 同技術は、対象者の一連の動作における点群データの時系列情報を融合処理することで、粒度の粗い点群データからでも姿勢推定に必要な粒度が細かい点群データへの拡張を可能とし、そこに高精度に姿勢を推定できる独自のAIモデルを組み合わせて、転倒などの確実な検知とプライバシーの配慮の両立を実現している。

 さらに、人の複雑な行動を認識する同社独自のAI技術「行動分析技術 Actlyzer(アクトライザー)」との連携により、病院や介護施設などのプライバシー性の高い空間でもカメラを設置せずに転倒前後の行動を詳細に分析できる。

 同社は、同技術について、病院や介護施設との実証実験を実施することでさらなる効果検証と精度向上を重ね、2023年度中のサービス化を目指す。<富士通>
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●科学技術ニュース●NICT、世界初、国家標準時の維持に光格子時計を利用

2022-07-20 09:34:10 |    物理
 情報通信研究機構(NICT:エヌアイシーティー)は、間欠運転をする光格子時計を参照して標準時を生成することに世界で初めて成功した。

 光格子時計が発生する1秒を基準として標準時が刻む1秒の長さ(刻み幅)を調整することで、標準時の協定世界時(UTC)に対する時刻差を従来の10億分の20秒から10億分の5秒以内へと4分の1以下に抑制可能。

 これにより、開発した光格子時計を、これまでの標準時生成で培ってきた複数時計の合成時刻生成技術と組み合わせることで、UTCやGPS時刻等他国の時計に頼ることなく、長期にわたり正確な時刻を刻むことが可能となる。

 同成果は、2030年に想定されている国際単位系の秒の再定義の実現を大きく後押しする。

 日本標準時は2006年以来、水素メーザ原子時計と約18台のセシウム原子時計を組み合わせることで、安定な時刻を発生してきたが、これらのマイクロ波領域の商用原子時計は、多数台の平均を取っても発振周波数が15桁目で変動し、その結果、数か月という期間でUTCとの時刻差が10ナノ秒以上に広がってしまうことが起こり、そのたびにBIPMから半月以上遅れて公表される時刻差データを参照してマニュアルで日本標準時の周波数を調整する必要があった。

 一方、NICTが開発したストロンチウム光格子時計は、ストロンチウム原子の光学遷移に安定化された光を生成する。この遷移の固有周波数は、過去10年近くの間、NICTを含む世界中の多数の機関で測定されてきた結果、相対不確かさ1.9×10-16の範囲内で、429 228 004 229 872.99 Hzであることが分かっている。

 そして、この極めて小さい周波数不確かさを持つ光は、光周波数コムを利用して精度を劣化させずにマイクロ波の電気信号に変換することができ、これを日本標準時のマイクロ波出力周波数と比べることで、日本標準時の刻み幅がどの程度ずれているかを16桁の精度で正確に計測することができる。

 NICTでは、2021年6月から週1回以上の頻度でこのストロンチウム光格子時計による標準時の刻み幅の妥当性評価を行い、2021年8月から週1、2回、標準時の周波数調整を継続的に実施することにより、標準時のUTCに対する変動を抑えることができた。

 近年、光時計の進展は目覚ましく、2030年を目途に、秒の定義を現在のセシウム原子のマイクロ波領域の遷移から原子の光領域にある遷移周波数によるものに変更するという「秒の再定義」が、時刻・周波数標準を扱う国際的な委員会で検討されている。

 光時計によって標準時の精度を維持することは、秒の再定義に向けて満たされることが望ましい条件の一つであり、今回の成果は、これを満たす初の実証例となる。<情報通信研究機構(NICT)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「新版 光の計測マニュアル」(照明学会編/日本工業出版)

2022-07-20 09:33:42 |    物理



<新刊情報>



書名:新版 光の計測マニュアル

編者:照明学会

発行:日本工業出版

 光の利用技術の進歩に伴い旧版をリニューアル。LED対応の測光技術、光放射の生体への傷害などの項目を追加。専門家により培われた測光、放射測定の基礎から実際までの全ノウハウを、光技術に携わる、また光放射の測定を必要とする技術者に提供。【目次】第1章 光と放射、明るさの知覚 第2章 光放射に関する測定量 第3章 測光量および放射量の単位・標準 第4章 測光器と関連機器・装置 第5章 主な測光量の測定 第6章 光源の全光束測定(1) [積分球による方法] 第7章 光源の全光束測定(2) [配光測定による方法] 第8章 分光的方法による測光および測色 第9章 光源の量子効率と発光効率 第10章 光生物学的安全性 第11章 光源の寿命試験
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