“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「カラー図説 生命の大進化40億年史<古生代編>」(土屋 健著/講談社)

2022-07-21 09:43:47 |    生物・医学



<新刊情報>



書名:カラー図説 生命の大進化40億年史<古生代編>~生命はいかに誕生し、多様化したのか~

著者:土屋 健 

監修:群馬県立自然史博物館

発行:講談社(ブルーバックス)

 同書は、40億年にわたる生命の進化史を綴る全3巻企画の一冊目、古生代編。進化の新たなステージに登場した特徴的な種を特に取り上げ、豊富な化石写真と美しいカラー復元画とともに解説していく。古生代編では、生命の誕生から哺乳類の祖先に近いグループである単弓類の登場までを7つの地質時代を通して見ていく。生命の誕生した先カンブリア時代から、多種多様な多細胞生物が登場したカンブリア紀、三葉虫類やウミサソリ類が繁栄したオルドビス紀とシルル紀、魚類が大繁栄し、脊椎動物が四肢をもち陸上への足がかりを築いたデボン紀、植物が大森林をつくり、巨大昆虫が栄え、爬虫類が登場した石炭紀、そして哺乳類の遠い親戚である単弓類が繁栄したペルム紀までの37億5000万年の生命進化の歴史。各時代に現れた、進化史上で重要なおよそ80種をピックアップして紹介。同書に登場する生物を追っていくだけで、生命の進化の流れが理解できる構成になっている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●ENEOSとイクシス、ロボティクスを活用したプラント・次世代型エネルギー設備への 保守点検サービス事業で協業

2022-07-21 09:42:46 |    ロボット工学
 ENEOSと株式会社イクシスは、ロボティクスを活用したプラント・次世代型エネルギー設備への保守点検サービス事業について協業検討を開始した。

 これに伴い、ENEOSホールディングスの子会社であるENEOSイノベーションパートナーズが、イクシスへ出資した。

 国内外の製油所や化学プラントにおいては、設備の老朽化や新設に伴い、保守点検に係るコストや要員が増加している。また、再生可能エネルギーや水素等の次世代型エネルギー普及に伴い、これらの設備の新設による保守点検の増加も予想される。一方で、労働力不足が進行する中、保守点検の遠隔化、自動化、低コスト化のニーズが増大している。

 同協業では、ロボティクスを活用した先進的な保守点検サービスについて以下の検討を行う。

 1. 作業者が現地に行くことなく、遠隔/自動操作されたロボット等がデータ取得・補修等の保守点検作業を実施。

 2. 取得データをAI解析して異常診断/予測。データはデジタルツイン上で管理。

 同サービスの検討にあたり、各設備点検に特化したロボット等のハードおよびソフト開発と、データ解析等のアプリを搭載したプラットフォーム開発に取り組む。

 2023年度からENEOSの設備への同サービスの実装を順次予定している。

 さらに、 今後の保守点検の市場規模動向を踏まえて、化学プラントや再生可能エネルギー設備、水素製造設備を有する他企業への同サービスの提供を検討する。<ENEOS>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術ニュース●NICT、セキュリティ情報融合基盤 “CURE” のデータエンリッチメント機能を開発

2022-07-21 09:42:02 |    情報工学
 情報通信研究機構(NICT:エヌアイシーティー)サイバーセキュリティ研究室は、サイバーセキュリティ関連情報を大規模集約するセキュリティ情報融合基盤「CURE」(キュア)の新機能として、蓄積したデータに様々な付加情報を与えることで、データの有用性を向上させるデータエンリッチメント機能を開発するとともに、新たに複数の情報源をCUREに融合した。これにより、CUREを用いたサイバー攻撃の実態把握の精度が向上し、より質の高い国産脅威情報の生成が期待できる。

 今回、CUREに新たに3つの情報源(AmpPot、Malmail、Trouble Ticket)を融合した。AmpPotはDDoS攻撃の一種であるリフレクション攻撃の観測情報、Malmailはメールに添付されたマルウェアの動的解析情報、Trouble Ticketは組織内のインシデント対応に関する管理情報。CUREは観測情報を格納するArtifactレイヤと分析情報を格納するSemanticsレイヤの2層から構成されるが、AmpPotとMalmailはArtifactレイヤに、Trouble TicketはSemanticsレイヤにそれぞれ追加した。

 また、サイバー攻撃の痕跡情報(IoC: Indicator of Compromise)として、これまでIPアドレス、ドメイン名、マルウェア情報を用いていたが、攻撃に悪用されたメールアドレスもIoCとして扱えるように機能追加し、メールアドレスによるデータの関連付けや検索が可能になった。

 さらに、CUREに格納されたデータに対して付加的な情報を与えるデータエンリッチメントの仕組みとして、今回初めて『Enricher』(エンリッチャ)を開発した。データエンリッチメントのコンセプトは広く、様々な応用が考えられるが、今回は概念実証として、CURE内のデータにDoc2Vecを用いて類似度スコアを付与することで、類似の挙動を示すIPアドレス群を検出するEnricherを実装した。

 データエンリッチメント機能の追加により、CUREを用いたサイバー攻撃の実態把握の精度が向上し、より質の高い国産脅威情報の生成が期待できる。<情報通信研究機構(NICT)>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ゲームから学ぶAI」(西田圭介著/技術評論社)

2022-07-21 09:41:24 |    人工知能(AI)



<新刊情報>



書名:ゲームから学ぶAI~環境シミュレータ×深層強化学習で広がる世界~

著者:西田圭介

発行:技術評論社(Tech × Books plusシリーズ) 

 同書は、世界最先端のAI研究所の一つであるDeepMindが発表した論文を軸に、現代的なAIがどのように作られているのかをまとめた技術解説書。「汎用AI」「ゲームをプレイするAI」をテーマとし、おもに深層強化学習の技術を取り上げる。深層強化学習は、いまの世の中で広く使われているディープラーニングをゲームなどの領域に応用した技術。深層強化学習には高性能なシミュレータが必要であり、ゲームをはじめとした架空の世界を舞台として最先端の研究が進められている。同書ではこれまでに発表されてきた論文を通して、「いま技術的に何ができて、何が難しいのか」を紐解きながら、一つ一つの技術を積み上げた先に来る、次の時代のAIについて考えていく。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする