“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「数学に魅せられて、科学を見失う」(ザビーネ・ホッセンフェルダー著/みすず書房)

2021-05-26 09:35:28 |    数学

 

<新刊情報>

 

書名:数学に魅せられて、科学を見失う~物理学と「美しさ」の罠~

著者:ザビーネ・ホッセンフェルダー

訳者:吉田三知世

発行:みすず書房

 物理学の基盤的領域では30年以上も、既存の理論を超えようとして失敗し続けてきたと著者は言う。実験で検証されないまま理論が乱立する時代が、すでに長きに渡っている。それら理論の正当性の拠り所とされてきたのは、数学的な「美しさ」や「自然さ」だが、なぜ多くの物理学者がこうした基準を信奉するのか? 革新的な理論の美が、前世紀に成功をもたらした美の延長上にあると考える根拠はどこにあるのか? そして、超対称性、余剰次元の物理、暗黒物質の粒子、多宇宙……等々も、その信念がはらむ錯覚の産物だとしたら?研究者たち自身の語りを通じて浮かび上がるのは、究極のフロンティアに進撃を続けるイメージとは異なり、空振り続きの実験結果に戸惑い、理論の足場の不確かさと苦闘する物理学の姿である。

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●科学技術ニュース●伊藤忠商事、半固体リチウムイオン電池メーカーの米24M社に出資

2021-05-26 09:34:18 |    電気・電子工学

 伊藤忠商事は、半固体リチウムイオン電池の研究・開発を行う米国24M Technologies, Inc.(本社:米国マサチューセッツ州)のシリーズEラウンドにおけるリード投資家として他の投資家も含めた出資ラウンドを取りまとめ、第三者割当増資を引き受けた。同出資を通じて、24M社を伊藤忠商事の持分法適用会社とし、同社と次世代リチウムイオン電池のグローバル製造・開発事業を共同推進することになった。

 米24M社は、安全性、エネルギー密度、リサイクル特性、製造コストなどで現行のリチウムイオン電池を上回る半固体電池の研究・開発企業。24M社は、現行リチウムイオン電池の製造工程を大きく改良、簡略化した独自プロセスを確立し、多数の技術特許を取得している。最大の特徴は、現行リチウムイオン電池の性能を維持・向上できることに加え、使用部材の削減、製造プロセスの簡略化により、価格競争力・リサイクル特性・安全性の高い製品を提供できる点。

 米24M社は当該特許技術を複数の製造パートナーにライセンス供与することで、半固体電池の普及を進めていく。2020年には京セラが商業生産を開始しており、タイのGlobal Power Synergy PCL(GPSC)は、2021年中の商業生産稼働に向けて量産工場を建設中。また、2020年12月には、ノルウェーのFREYR ASとライセンス契約を締結した。

 伊藤忠商事は、日本国内を中心に蓄電池ビジネスを展開しており、2021年3月末時点で、累計約4.3万台(約430MWh)の蓄電システムを販売している。国内においてはエヌエフ回路設計ブロックとの蓄電システム製造会社(NFブロッサムテクノロジーズ)を共同運営している。海外においては、カナダのEguana Technologies, Inc.への出資を通じて、米国、欧州、豪州などの海外市場向けに蓄電池ビジネスの展開を進めている。

 伊藤忠商事は、米24M社への出資を通じて、製造ライセンスパートナーとの協業を深め、蓄電システムの基幹部品であるリチウムイオン電池の安定調達体制を構築する。(伊藤忠商事)

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●科学技術ニュース●NIMSとインド工科大学ハイデラバード校、「NIMS-インド工科大学ハイデラバード校連携研究センター」を開設

2021-05-26 09:33:45 |    化学

 インド工科大学ハイデラバード校(IITH) と物質・材料 研究機構 (NIMS) は、「NIMS-インド工科大学ハイデラバード校連携研究センター」開設のための契約を締結した。

 IITHは、理工系教育で世界的に名高いインド工科大学(IIT)の一つであり、中でもハイデラバード校は日本の外務省と国際協力機構 (JICA) から技術・財政支援を受けて設立された経緯から、日本とのつながりが特に深く、国内の企業や研究機関から注目を集めている大学。

 IITHとNIMSは2019年11月に、研究者の交流と情報交換を目的とした、機関間の包括的な研究協力の推進に関する協定を締結し、さらに、2020年に国際連携大学院協定を結び、博士課程の大学院生がNIMSで最長1年研究滞在できるようになった。

 この度、両機関の材料分野での強みを相補的に活かした共同研究をさらに発展させるために、IITHの若手教員がサバティカル休暇期間中に大学院生を伴ってNIMSに滞在し、NIMSの研究者と持続的な共同研究を実施するための「NIMS-インド工科大学ハイデラバード校連携研究センター」を開設した。

 初年度は、インド国内において今後大きな成長が期待される産業分野 (デジタル情報通信及び低炭素社会関連分野) への貢献が期待される2課題が採択された。今後、同センターを核にして、日印材料技術ネットワークの強化に貢献していく。(物質・材料 研究機構 <NIMS>)

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「英語リスニングこれ一冊」(津村元司著/ベレ出版)

2021-05-26 09:33:09 |    語学

 

<新刊情報>

 

書名:英語リスニングこれ一冊~リスニング問題に強くなる徹底トレーニング<音声DL付>~ 

著者:津村元司

発行:ベレ出版

 英語のリスニング対策は根気が必要。単にたくさん聞けば良いというわけではなく、音やリズムの特徴を知り、英語の語順で意味を理解できるようになるトレーニングが必要。同書では、はじめてリスニングに取り組む方に向けて、音やリズムの特徴、英語の語順のまま意味を理解するための練習方法について丁寧に解説。仕上げに、英検、TOEICに見られるようなリスニングの問題に取り組み、リスニング力と、試験の点数の双方をアップすることを確認する。リスニングセクションでの回答率を確実にアップしたい、英語をちゃんと聞き取るための練習方法を知りたい、リスニング力を基礎から鍛えたい方におすすめの一冊。ちなみにリスニング力は発音にも効く。

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