“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「日経ムック BCG カーボンニュートラル経営戦略」(ボストン コンサルティング グループ 監修/日本経済新聞出版社)

2021-05-12 16:41:58 |    企業経営

 

<新刊情報>

 

書名:日経ムック BCG カーボンニュートラル経営戦略

監修:ボストン コンサルティング グループ 

発行:日本経済新聞出版社

 “脱炭素"で成長する「守り」と「攻め」の取り組み。122兆ドルーー巨額投資が続く「約束された市場」の全体像とは?製造業(産業財・消費財)、小売、通信、銀行、化学、エネルギー……主要産業の課題と対策を徹底分析。

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●科学技術ニュース●イオングローバルSCMとトヨタ、物流改善・カーボンニュートラルの取り組みの検討開始

2021-05-12 16:41:00 |    輸送機器工学

 イオンの物流機能子会社であるイオングローバルSCMとトヨタ自動車は、日本が抱える大きな社会課題の一つである物流領域において、新たな取り組みについて検討を進めていくことで合意した。

 イオングローバルSCMが培った小売業の物流ノウハウと、トヨタのTPS(Toyota Production System :トヨタ生産方式)ノウハウ、コネクティッド・電動化技術を組み合わせることで、物流業界が抱える人手不足、カーボンニュートラルといった共通課題を解決するとともに、サプライチェーン全体を効率化する仕組みや、コネクティッドシステムを構築することで人々の暮らしを支え、物流の未来を創造することに取り組む。

 両社はこの取り組みを、トヨタがいすゞ自動車、日野自動車と公表したCASE対応を加速させるプロジェクト(Commercial Japan Partnership)としても位置付け、共に豊かな社会づくりに向けた協業を進める。

 今後、協業内容を深めるとともに志を同じくする新たなパートナーとの連携についてもオープンに検討していく。(イオングローバルSCM)

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●科学技術ニュース●東京工業大学など、SO2排出削減にもかかわらず硫酸エアロゾル減少が鈍化する要因を特定

2021-05-12 16:40:31 |    宇宙・地球

 東京工業大学 物質理工学院 応用化学系の服部祥平助教らを中心とする東京工業大学、北海道大学、国立極地研究所、名古屋大学、気象研究所などの研究グループは、北極グリーンランドアイスコアの分析から硫酸エアロゾルの生成過程を復元し、1980年以降の二酸化硫黄(SO2)排出削減にもかかわらず、硫酸エアロゾルの減少が鈍化している要因を解明した。

 大気中でSO2から生成される硫酸エアロゾルは、気候変動や健康影響との関連から重要な物質とされている。SO2排出量は排出規制の導入により、1980年以降の30年間で約7割削減されたものの、硫酸エアロゾルの減少は5割程度にとどまっている。この減少鈍化のメカニズムが特定されていないことが、効果的な削減策の策定や正確な気候変動予測の足かせとなってきた。

 同研究では、北極グリーンランドアイスコア試料を使った硫酸の三酸素同位体組成(Δ17O値)(17Oの異常濃縮)の分析により、過去60年間の大気中の硫酸エアロゾルの生成過程を復元した。

 その結果、この期間に大気中の酸性度が減少したため、排出されたSO2から硫酸への酸化反応が促進される「フィードバック機構」が作用していたことがわかった。

 酸性度の減少は、SO2削減による酸性物質の減少に加え、施肥などによるアンモニアなどのアルカリ性物質の排出増加によると考えられる。規制対象ではなかったアルカリ性物質の排出が、硫酸エアロゾルの減少鈍化の原因であったという同研究の結果は、今後の効果的な大気汚染の緩和策の策定や、正しい将来の気候変動予測に役立つことが期待される。(国立極地研究所<極地研>)

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「サイエンス超簡潔講座 合成生物学」(ジェイミー・A・デイヴィス著/ニュートンプレス)

2021-05-12 16:39:40 |    生物・医学

 

<新刊情報>

 

書名:サイエンス超簡潔講座 合成生物学

著者:ジェイミー・A・デイヴィス

監訳:藤原 慶

訳者:徳永美恵

発行:ニュートンプレス
 
 合成生物学は研究室の枠を越えて、世間でも活発な議論を呼んでいる成長著しい科学技術分野。さまざまな環境問題やエネルギー問題、再生医療などの分野で幅広く活用できると大きな期待も寄せられている。しかし、バイオテクノロジーの新たな発展は、倫理的な議論にも火をつけやすく、一部の人によって大きく非難されてきているのも事実。また、人によってつくられた生命に対する有害な社会的・政治的反応が実際に起こりうると恐怖を感じている人すらいる。同書は、環境や健康、工学的利用や基礎研究をはじめ、文化に与える影響などで章を立て、合成生物学の真の姿を描き出している。急速な発展を遂げる「合成生物学」は、人間がもたらした環境破壊、そして崩れつつある生態系を打開できると著者は述べている。また人間の進歩だけではなく、地球を回復させる手立てとなるかもしれないという、合成生物学の可能性を解説。そうした合成生物学に関して知 っておきたい興味深い内容をコンパクトにまとめた、入門書として最適の一冊。

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