今年6月、中国科学院原子力安全技術研究所(2011年設立。中性子の研究など)から原子力技術者が約90人集団辞職したというニュースが流れました。劉鶴中国副首相が主導する調査チームが理由などを調べるそうです。これまでのところ待遇の悪さなどが理由としてあげられているようです。この90人だけでなく、一時は約500人が勤務していたのに最近は人材流出が止まらず、現在は約100人が残っているだけだそうです。
世界的に核兵器も原発も非常に危険な技術として利用中止の方向です。核兵器は兵器だから危険は当然と思う人がいるかもしれませんが、実は製造も維持管理も危険です。使った後は、放射性物質が広域に拡散し、地球環境を破壊し、無差別に人々の遺伝子を破壊し、使った国の人々にも危険が及びます。使ってはならない兵器です。これまでの原発事故からわかるように、大規模放射性物質漏洩・汚染を防ぐことは非常にむずかしいことです。事故がなくても冷却水に放射性水素が出て、河川や海を汚染します。原発の処理処分は数十年を要します。放射性廃棄物は、子々孫々、永久に安全保管しなければなりません。したがって発電コストは安いどころか無限大です。
要するに原子力利用はまったくやりがいのない危険技術です。普通の思考力があれば、誰でも原子力分野から離脱するでしょう。しかし原子力技術者が減ることは大問題です。核兵器、原発、放射性廃棄物などを処理処分・永久安全管理をする技術者がいなくなったら人類は拡散する放射性物質に怯えながら生きることになります。原子力利用国は、命懸けで人が嫌がる仕事を担当する献身的技術者を確保しなければなりません。その場合、彼らの安全を守る安全技術は絶対必要です。日本国もこの難問から逃げることはできません。
(注)原発を発電の重要技術として位置づけると言っている安倍晋三内閣は狂っています。人々のこと、子孫のことをまったく考えていません。