鶏や豚が病原性ウイルスで死ぬと、その小屋だけでなく、用心して周辺の小屋の鶏や豚まで全部殺して処分し、小屋およびその周辺を念入りに消毒します。それは損ということで最近鶏や豚も治療する方法が検討されていますが、現状ではやはり殺すことが一番有効な対策と考えられています。感染拡大を放置すると、ウイルスは広範囲に拡大して大損になるからです。つまり病原性ウイルスが現れたら何が何でもウイルスを殺さなければなりません。
人の場合は、ある町で病原性ウイルスに感染し、死んだ人が現れてもその町の人を皆殺しにしてウイルスを殺すことはできません。しかし、ウイルスを殺さなければならないということは同じです。どうやって人を殺さず、ウイルスだけを殺すか、すでに過去流行し、ワクチンやそのほかの治療薬があるウイルスの場合は問題は小さいといます。しかし今回の新型コロナウイルスはワクチンやそのほかの治療薬がありません。その開発には1年とか1年半という時間が必要です。
それではどうするか。ウーハン(武漢)のウイルス退治は最善と思います。1か月ぐらいでウイルスを殺すことに成功したようです。中国全体への爆発的感染拡大をとめ、死者3000人ちょっとでウイルス退治に成功したのは見事です。それに比較するとアメリカ・ヨーロッパ、日本などのウイルスとの戦いには真剣さがありません。今後も感染拡大が続き、ウイルスから解放されないでしょう。
新型コロナウイルスは動物を介しても感染拡大をおこすようですが、何といっても未感染者に感染することでどんどん繁殖します。未感染者には免疫がないからです。感染するとほとんどの人が免疫を持つようになり、ウイルスに勝ちます。しかし、肺炎で苦しんだり、免疫力のない人は死にます。このことから未感染者は感染しない、感染しても軽症の人は人にうつさない、重症の人は病院に隔離し治療を受けることがだいじとわかります。言い方を変えると、未感染者は人との接触・接近をしないと感染しません。軽症の感染者が人との接触・接近をしないと、やがてその人の免疫でウイルスは死滅します。重症の人は入院することで人にうつさないだけでなく、治療(血中への栄養・酸素供給)で免疫力を回復しウイルスを殺します。運悪く死んでもウイルスを人にうつさず死にますからウイルスも死にます。要するに人と接触・接近しないことでウイルスを殺すことができます。
未感染者の外出禁止、軽症感染者の外出禁止、重症感染者の病院への隔離治療がウイルスを殺すことになります。生活必需品の供給事業・仕事などは感染に用心しながら死守しなけばなりませんが、それ以外の事業・仕事は大胆に休みとし、少なくとも2週間、できれが1か月人との接触・接近を実質絶った生活に耐えることがウイルスを殺すことになります。
国が、爆発的感染拡大の恐れがある地方(東京など)に早めに緊急事態宣言を行い、大胆な外出禁止などの措置をとらないとウイルス退治はできないと思います。安倍晋三内閣は、一時的な経済損失を恐れて、優柔不断になっています。結果としてウイルス禍を大きくするのではないかと心配です。