横浜市には家庭防災員制度があります。
防災は家庭防災からという考えで家の人が防災知識を持つことを目的としています。
近年は地域防災機能を高めるため家庭防災員による自主企画活動に補助金をつけています。
家庭防災員が活動するにはお金がかかるが、そのお金を補助するという訳です。
いい方法と思いますが、地域では意外な問題が発生しています。
家庭防災員の自主活動とは別に横浜市は小中学校を地域防災拠点とした防災活動を重視しています。
町内会などは地域防災拠点運営委員会を組織して拠点防災活動に注力していると思います。
防災訓練もこの委員会が行っていると思います。
つまり地域防災拠点運営委員会と家庭防災員の役割分担あるいは関係があいまいという問題が生じています。
ある町内会では地域防災拠点運営委員会活動の中核に家庭防災員を活用しています。
一見、いい考えに見えます。
しかしこの方法では家庭防災員は家庭防災の範囲を越えて地域防災に深く関係することになります。
家庭防災員の本来の目的は自分の家庭の防災を考えることです。
だから家族に病人をかかえている人、自分が病気の人も家庭防災員となって家庭防災の知識を学ぶことができます。
ところが家庭防災員は地域防災も考えるとなるとそれなら家庭防災員になりたくないと思う人が増えます。
現に拠点運営委員会活動に家庭防災員を活用している上記町内会では、地域防災を考えるような人を選んで横浜市に家庭防災員候補を推薦しているそうです。
すると地域防災を考えることができない人は家庭防災員になれないという問題が生じます。
横浜市は、家庭防災員による自主企画活動は、できればやってほしいという姿勢を明確にすべきです。
町内会は、地域防災拠点運営委員会活動の中核に家庭防災員を置くべきではありません。
家庭防災員の中で地域防災に協力できる人は協力してほしいという姿勢をとるべきです。
地域防災拠点運営委員会活動については家庭防災員とは別に防災ボランティアグループを編制して活動の中核とすべきです。
ところで私の町では、地域防災拠点運営委員会は町内会長が委員長、その他の役員がいろいろな役に就任しています。
町内会役員は1年交代ですから役員はどうしていいかわからず緊張します。
そこでこれを補うため防災協力員会があります。
防災知識を持っている人、防災ボランティア精神のある人が防災協力員会のメンバーになっています。
形は理想的ですが、災害時うまく作動するかが問題です。
今年は地域防災拠点運営委員会は本当に災害が起こったときのことを想定して防災訓練を行う予定です。