kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

東芝は東京市場から去るのか

2021-04-08 05:17:50 | 日記
方向感のかける展開だった6日の東京市場でしたが、話題は海外ファンドに
よる突然の買収ニュースでした。買収を提案したのは英投資ファンドのCVC
キャピタル・パートナーズです。

3割のプレミアムを付けた買収価格との報道もあり6日の東芝株の終値(3830円)
から計算すると1株あたりの買収価格は5000円弱になり2兆円を超える巨額
買収に発展しそうです。

東芝が4割出資するキオクシアは昨年10月にIPOを実施する予定でした。公開
時の時価総額は2兆円と予想されていました。ところが米国政府によるファー
ウエイへの制裁が原因でIPOは中止されました。ファーウエイはキオクシアの
大口取引先だったことから売り上げ予想が立たなくなったことが原因です。

しかし世界経済がコロナ禍から回復する過程で半導体不足もあり半導体メー
カーの企業価値はうなぎのぼりに高くなりました。先週末には米半導体2社が
キオクシアの買収交渉を進めているとの報道がありました。企業価値は約300億
ドル(約3兆3000億円)と評価されているようです。

東芝が保有するキオクシアの総額は1兆3200億円になります。CVCは2兆円でも
採算が十分とれると踏んでいるのではないでしょうか。また昨年完全子会社した
半導体製造装置メーカーも抱えています。

会社側からもファンドからの買収提案があったことを認めており7日の取締役
会の議題にのぼることが伝えられています。ことの発端は車谷体制と大株主
である外資ファンドによる経営方針を巡る対立がありました。

東芝は17年12月債務超過による上場廃止を防ぐため約6000億円の巨額増資を
実施しました。その際多くのアクティビストが引き受け手となりました。現
在も株主の2割超がアクティビストとみられています。会社側とファンド勢の
対立は根深くこのままだと6月の株主総会で車谷CEOの再任が難しくなるとの
見方も出ています。

車谷氏はCVCキャピタル・パートナーズの日本法人の会長に以前就いていま
した。東芝の社外取締役の藤森義明氏は現在CVC日本法人の最高顧問を務め
ています。以上のことから推測されるのはCVCにホワイトナイトの役割を何
らかの形で東芝から水面下で働きかけがあったのではないかということです。
あくまで個人的見解です。

7日の東芝株はストップ高でした。買収価格に対する思惑で今日も人気は続き
そうですが、モノ言うファンド勢がどういう動きを見せるのか。不確定な部分
も多いようです。5000円はあるかもしれませんが、今後は乱高下も視野に入れ
なければなりません。しばらくは話題の尽きない企業であることだけは確かな
ようです。

コメント
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